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なぜビール工場は都心にあるのか

皆さんビールは好きですか?

大手ビール会社や最近だと小規模で製造するクラフトビール会社などがPRのために無料 or 安価でビール工場見学を行っていたりします。

新宿から40分ほどで「サントリー 武蔵野ビール工場」があったり、横浜駅から20分で「キリンビール 横浜工場」があったりと都心付近にビール工場が建てられることが多いです。

関西を見ても、名古屋市内に「アサヒビール 名古屋工場」が建っていたりとビールは都心からアクセスの良い場所で作られることが多いです。

工場と聞くと田舎の広大な土地に建てられるといった想像をする人が多いのではないでしょうか?

ではなぜ、ビールに限って都心に工場が建てられるのでしょうか。


輸送費を安くするため

工場を建てるときにどのようにして立地を決めているのでしょうか。
キーワードは輸送費です。


ドイツの経済学者 アルフレート・ヴェーバー は工場の立地は「原料の重さ」と「製品の重さ」で決まると唱えました。


彼は 原料 / 製品の重さ × 運送距離 = 輸送費 という理論を提唱し、これが現在のビール工場の立地にも当てはまっています。

  • 原料を運ぶコストが高い場合は、工場を原産地の近くに設置して輸送コストを抑える。

  • 製品を運ぶコストが高ければ、消費地の近くに工場を設置して輸送コストを抑える。

ビールの原料は主に水・麦芽・ホップです。

ビールは原料の麦芽やホップといった軽い素材から、ここに水を加えビールという液体状の重い製品を作ります。

ヴェーバーの理論に乗っ取り、輸送費のコストを考えるとビールの場合、工場を都心に建てたほうが輸送費を抑えることができます。

このように、消費地に近い場所で生産することを市場指向形工業とも言ったりします。

ビールだけではなく、茶葉と水で作るお茶などもこの工業体系に当てはまります。

今回のビール工場の例だけではなく、日頃から身の回りのお店や住宅街などを見て "なぜここに建っているんだろう"と注目してみると、新しい発見があるかもしれませんね。

参考資料


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