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未明ライナーノーツ④「地球の裏側で」

制作時期は2021年の秋頃だったと思う。まさに制作初期の曲。

2021年は、デヴィッド・バーン「アメリカン・ユートピア」や、トーキング・ヘッズ「ストップ・メイキング・センス」が仙台の映画館で上映されてた。
元々トーキング・ヘッズのファンであることから、「アメリカン・ユートピア」はこの年、映画館で6回観た。なおかつその時、映画館で作品を観てスタンプを6回集めると、映画1回無料クーポンがもらえたので、「ストップ・メイキング・センス」はその無料クーポンで観たのだ。(その後の「ストップ・メイキング・センス」4Kリマスターもちゃんと観た。しかもWiMAXで!)

2021年はコロナ禍真っ只中。その中で仙台での「無観客配信ライブ」に3回参加した。先述の「アメリカン・ユートピア」の上映も自分にとって大きな後押しとなった。

https://youtu.be/gWhlpKeZw18?si=lqu06bE1KNao7iwk


https://www.youtube.com/live/loPeMzSy254?si=dqlNmoEqNmj1AKIQ


ライブは、MacBookから打ち込みトラックを流し、それに合わせてカオスパッドで声を揺らしたり、ギター弾いたり、テルミン使ったり…。
当時、ライブパフォーマンスとして大きく参考にしたのは、「中野テルヲ」さん(元P-MODEL、LONG VACATION)のライブ。およそ一般的な音楽ライブには登場し得ないような機材があったりして。でもその機材から発信される電子音が最高に心地いい。荷物も多かったなあ。でも当時住んでいたマンションと会場であるスタジオまで近所だったのが救い。見慣れぬテルミンを見た会場のスタッフの方々から質問攻めにあったのもいい思い出。(「いくらしたんですか?」とか「どこで買ったんですか?」とか。)

無観客配信なので、お客さんは当然居なかったが、パフォーマンスには一定の手応えを得ていた。11月の出演を最後に、持ち歌・曲作りの期間に入る。

自分は宅録・DTM中心の活動だけど、根はライブ好き、パフォーマンスしたいのだと思う。元演劇部だし。やはり人前でパフォーマンスしてナンボだとは思ってる。やるからには誰よりもウケたい。誰よりもスゴイと言われたい。

「XTC」や「カーネーション」みたいに、デモ音源からきっちり作り込む作業にも、文字通り「エクスタシー」めいたものを感じるが、やはり目の前で聴いてくれる人がいて、伝わった時、何事にも変え難い喜びがある。

元演劇部としてのエピソードだけど、高校時代は劇団四季の「自由劇場」の舞台で自分たち演劇部が作品を上演したことがある。東北の田舎の少年たちが、全国から来たお客さんを笑わせた。人生最良の瞬間であり、この記憶が現在も時折、自分を苦しめているのだが…。やはりいまだに、心のどこかではパフォーマーでありたい気持ちはあるみたいだ。
地方都市のしがない会社員だけど、ワンマンでライブできるようになりたいものだな…。

でまあ、この曲「地球の裏側で」は来たる次のライブも意識した作品であり、打ち込み・ニューウェイブ感が残っているのはそのため。

歌詞は映画「ブエノスアイレス」を頭の片隅に置いて書いた。個人的には最後の「そう今だけは」の後に歪んだギターとテルミンが一気に押し寄せるのが、とても気持ちいい。映画中に出てくるイグアスの滝、それを見つめるトニー・レオン…。

これ、今ライブでやれるのかなあ?

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