おどろきと、感動と。はじめてのシネマ歌舞伎
映画館で「シネマ歌舞伎」というものを観てきました。
シネマ歌舞伎とは、歌舞伎の公演をスクリーンで上映する映像作品。
そして現在、シネマ歌舞伎が全国の映画館で上映されているのを知りました。
じつは最近、歌舞伎に興味があって、入門書やガイドブックを読みながら「歌舞伎を観てみたいなあ〜」と思っていました。
上映劇場を調べてみると、なんと栃木にもある!
これはいい機会だと、夫と一緒に映画館へ行きました。
毎月、厳選されたシネマ歌舞伎が上映されるそうで、6月の演目は『鷺娘』と『日高川入相花王』の2本立て。どちらも坂東玉三郎さんが2005年に出演した作品でした。
感想は、観てびっくり!
とにかく映像がきれい。音がきれい。大スクリーンで観る歌舞伎は迫力がありました。
ひとつめの日高川入相花王は、安珍清姫伝説の浄瑠璃劇の一コマを描いたもの。上映が始まってから、あれ、この話知ってるぞ…と気づきました。
日高川へ飛び込んだ清姫が、大波にのまれながら川を渡る場面。
波間から姿を現わすごとに、清姫の顔かたちが変わる。
シンプルな演出のなかには、おどろきと、ちょっとしたおかしみと、感動がありました。
ふたつめの鷺娘は、鷺の精の一途な恋心を描いた物語。
踊りながら衣装や髪形が、一瞬で町娘になったり白鷺になったりします。そして真っ白な紙吹雪の、なんとドラマチックなこと。
坂東玉三郎さんの表情や繊細な体の動き。立ち姿や舞う姿はとにかく美しく、まさに妖精のようでした…!
全編通して印象的だったのは、役者の方の動きにぴたりと合わせる、掛け声や太鼓や三味線の音。そして、絢爛豪華な衣装や、美しい背景画。スポットライトから一転、「ポン!」という独特の音とともに、幕が落ちて美しい背景画が目の前にばーんと現れる。
なんというか…メリハリがあって、観ていてスカッとしました!
心配していたセリフ回しも、思っていたより聞き取れました。もし聞き取れなくても、なんとなく話の流れは理解できる。そんな印象です。
上映される演目について事前に下調べをしておくと、さらに楽しめるだろうなあと思いました。
上映時間は61分と短かったものの、内容はかなり濃密。
観終わったあとも、笛や太鼓の音が耳に残り、ぽーっとしてしまいました。
ああ、面白かったなあ。きれいだったなあ。
来月も映画館へ観に行こう。
そして、いつか歌舞伎座にも行こう。
なお、月イチ歌舞伎は一週間限定上映で、今月のシネマ歌舞伎は本日6月15日(木)まで。
次回は、2023年7月28日(金)~2023年8月3日(木)、中村 勘三郎さんと坂東 玉三郎さん出演の鰯賣戀曳網という作品です。
歌舞伎の名作を、大スクリーンで手軽に楽しめるシネマ歌舞伎。
事前にアプリをダウンロードすれば、イヤホンガイドを聴きながら鑑賞ができて、初心者の方にもとってもおすすめです。
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