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めいっこと自転車のはなし①


連休中に、母からメッセージが届いた。

「〇〇ちゃん、自転車すいすいです」

小学生になったばかりの姪が、この連休中に自転車に乗れるようになったそうだ。よかった!彼女が乗る自転車は、主人とわたしがプレゼントしたもの。それも2台目だ。

今日は少しだけめいっこの話をしたいと思う。

1台目は、彼女が2歳のときにプレゼントした。鮮やかな黄色のキックバイク。

わたしたちは趣味でロードバイクやBMXに乗る。レースにも出ていた。だから、かわいいめいっこにも自転車で楽しく遊んでもらいたかった。

体を動かすことが大好きな彼女には、それはうってつけだった。はじめはまたがるだけ。でも、にこにこ。予想通り彼女のよい遊び道具になった。

彼女は4歳になって、わたしが実家に帰省したある日のこと。

「ねー、おねえちゃん(無理やり言わせているのではない)、きて!」と言われ、彼女に自宅の向かい側にある民宿に案内された。そこは遠い昔、わたしもよく遊んだ場所だ。

彼女はキックバイクを押しながら、敷地の奥にあるちょっとした芝の丘のてっぺんに上っていった。

そして、自転車にまたがり「見ててね!」と言って、いきなりその丘から勢いよく下り始めたのだ。ゆっくり、そーっとではなくて、完全に足で蹴りながら、全力で。

え??ちょっとまって、いくらなんでもスピードが速い。慌てるわたしの目の前を彼女は笑顔で通り過ぎ、両足をあげたまま民宿の出口へ向かっていく。

やばい、あっちは道路!!真っ青になり全速力で追いかけた。が、彼女は出口の手前で止まったのだ。

ザザザーーーッと。地面に足をすべらせながら、後輪をドリフトさせてくるりと止まったのだ。砂埃があがった。

驚くわたしに彼女はニヤッと笑い、すごいでしょと言わんばかりに胸を張っていた。

あー、心臓が止まるかと思った。そして驚いた。わたしは彼女をめちゃくちゃ褒めた。ここまで乗りこなすなんて天才。やっぱりセンスある!そして、2台目も必要になったな、とも思ったのだ。

  ※

2台目はピカピカのシルバーのBMX。即決だった。もちろん、補助輪なんてない。いまの彼女ならすぐ乗りこなすだろう。

小学3年生くらいまで乗れるサイズで、いろんな技もいつかできるようにと、前後のホイールの軸には「ペグ」といわれる足を置く部品もついた、けっこう本格的なものにした。わたしも欲しくなるくらいかっこいい。この際、ひたちなかのレースにも出てほしい。


整備してもらった自転車を車に乗せ、3時間かけて実家へ向かった。いつもは私の実家に行きたがらない主人が、この日ばかりはうれしそうにしていた。

実家につくと、彼女は弟夫婦と一緒に待っていた。



つづく



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