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世界最高峰の自転車レース『ツール・ド・フランス』に魅せられて

7月。自転車ロードレースのシーズン真っただ中です。
そして現在、フランスにて世界最高峰の自転車レース『ツール・ド・フランス』が開催されています。

サイクルファン歴10年のわたくし。今日はツール・ド・フランスの紹介とともに、レースの見どころや注目選手などを独自の視点でお届けしたいと思います。よろしくお願いします。

ツール・ド・フランスとは

ツール・ド・フランスまたは(ル・)トゥール・ド・フランス(仏: Le Tour de France)は、毎年7月にフランスおよび周辺国を舞台にして行われる自転車ロードレースです。1903年から開催されている、格式高い大会のひとつ。

ツール・ド・フランスとはフランス語で「フランス一周」という意味で、高低差2000m以上という起伏が激しいコースを複数日に分けて走行し、そのタイムを競います。参加人数は最大198名。基本的にはチーム競技で、各チーム最大9名、22チームで行われます。

そして、第109回目となる今年のツール・ド・フランスは、7月1日から24日までの24日間、全21ステージ総距離3,349.8kmのコースレイアウトで、デンマークの首都コペンハーゲンにて開幕しました。

ツール・ド・フランス公式サイトより

ツールは旅

3週間の大会期間中、選手たちは華やかな街中を抜け、お城の前を通り、のどかな田園地帯からひまわり畑、はたまた標高2,000m級のアルプス山脈やピレネー山脈を越え、フランス中を駆け巡ります。そして最終日はパリのシャンゼリゼでゴールを迎えます。

選手が走る合計距離は、なんと約3,349.8km。選手たちは長い長い旅をしているかのよう。少しずつ変わる景色を眺めているだけでも楽しいです。

沿道には手作りのオブジェ

また、コース沿道にはバカンスを楽しむ人たちが詰めかけ、選手と観客の区別がつかないほどのたくさんの人、人、人…! さすが自転車の国、熱いです。

栄光の証 マイヨ・ジョーヌめざして

ツール・ド・フランスといえば、黄色いジャージ。
個人総合成績1位の選手には、栄光の象徴である黄色いジャージ「マイヨ・ジョーヌ」が与えられます。

チームのエースが総合優勝をするために、チームメイトは相手チームに揺さぶりをかけ勝負を挑むだけでなく、エースの風よけになったり、飲み物や補給食を運んだりします。さらには、バイクトラブルに見舞われたエースへ自らの自転車を渡すこともあります。まさにチーム一丸、総力戦で戦います!

また、チーム戦ではあるものの、選手個人もしっかりアピールできるのが、ツール・ド・フランス。

1日ごとのレースはステージと呼ばれ、表彰はステージごとに行われます。得意なコースでステージ優勝を狙う選手や、家族やスポンサーのために集団の中から飛び出し、長時間テレビカメラを独占する選手もいます(母ちゃんアタックと呼ばれる)。

全21ステージの長丁場。それぞれの選手の思惑が交錯しながら、レースは展開していきます。同じ日はなくて、毎レースがドラマチックです。そこがステージレースの面白いところなのです!

カラフルなジャージ

また、マイヨ・ジョーヌのほかにもポイント賞、山岳賞、ヤングライダー賞といった各賞の対象者にも特別なジャージが与えられます。(下の写真は2021大会のもの)

マイヨ・ジョーヌ(個人総合成績・黄色)
個人総合成績1位の選手に与えられるリーダージャージ。各ステージの所要時間を加算し、合計所要時間が最も少ない選手がマイヨ・ジョーヌ着用の権利を得る。
マイヨ・ヴェール(ポイント賞・緑色)
スプリント地点に到達した順に加算されるポイントで争われる。世界最高峰のスプリンターたちが競い合う。 
マイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ(山岳賞・白地に赤い水玉模様)
カテゴリー山岳に到達した順に加算されるポイントで争われる。山岳最強クライマーの証。
マイヨ・ブラン(ヤングライダー賞・白色)
総合順位が最も良い25歳以下(誕生日が1997年1月1日以降)の選手に贈られる賞。
なお、ヤングライダー賞1位の選手がマイヨ・ジョーヌを着用する場合、ヤングライダー賞2位の選手が次点でマイヨ・ブランを着用することになる。

敢闘賞
他にも、各ステージごとに敢闘賞が設けられています。敢闘賞に選ばれた選手は、次のステージをただひとり赤いゼッケンで走ります。

実は、ツール・ド・フランス2012第4ステージで新城幸也選手が日本人初の敢闘賞を獲得しました。この時の表彰式の新城選手が王子様みたいで、めちゃくちゃかっこよかったのです!

注目の選手たち

栄誉あるマイヨ・ジョーヌを目指して、選手たちが凌ぎを削ります。ここからは個人的に注目している選手を紹介しますね。

ワウト・ファン・アールト選手(Wout van Aert、ベルギー、チーム・ユンボ・ビスマ)

写真は東京オリンピック公式サイトより引用

これまでわたしのnoteに何度も登場している、おなじみワウト選手。シクロクロス世界選手権大会を幾度も制覇し、ロードレース界へ本格的に参入した選手です。(シクロクロスについて書いた記事は、こちらです。)

ワウト選手は今大会も絶好調。ツールが開幕して、3日連続の2位というやきもきするスタートでしたが、4日目に、ついに勝利しました!

そして、第8ステージにもスプリント勝負を制覇し、見事ステージ優勝。第9ステージ終了時点で、緑色のマイヨ・ヴェールを着用しています。

トム・ピドコック選手(Tom Pidcock、イギリス、イネオス・グレナディアーズ)

もうひとりは、トーマス・ピドコック選手。実はピドコック選手もシクロクロス・マウンテンバイクの選手なんです。

小柄ながら機敏な動きと、並外れたテクニックとパワーの持ち主で、東京オリンピック男子MTBクロスカントリーでは、見事金メダルとなりました。
そして、今年1月にアメリカで開催されたシクロクロス世界選手権大会ではぶっちぎりで優勝した、現世界チャンピオンです。

シクロクロス世界選手権大会では、余裕のスーパーマンポーズでゴールするほど😎

1999年7月30日生まれ、22歳のピドコック選手。
第9ステージ終了時点で、ヤングライダー賞1位のタデイ・ポガチャル選手がマイヨ・ジョーヌを着用しているため、2位のピドコック選手が次点でマイヨ・ブランを着用しています。


ワウト選手(緑)にピドコック選手(白)、シクロクロスの選手たちがツール・ド・フランスで大活躍していて、なぜかわたしまで鼻高々〜笑


その他にも、総合優勝3連覇を目指すタデイ・ポガチャル選手(Tadej Pogačar、スロベニア、UAEチームエミレーツ)、スプリント勝負に強いペテル・サガン選手(Peter Sagan、スロバキア、チーム・トタルエネルジー)、マチュー・ファン・デル・プール選手(Mathieu van der Poel、オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)も気になるところです。

2012年ジャパンカップ参戦のため宇都宮へやって来たサガン選手(左・おりちゃ撮影)今見てもかっこええです


東京オリンピック男子ロードレース表彰式。右がタデイ・ポガチャル選手、左がファン・アールト選手(写真はNHKスポーツ総合サイトより引用)

レース中盤、戦いは山岳ステージへ

そしてツールは中盤戦。大会2週目に突入し、いよいよアルプス3連戦の幕が開けます。
標高2642mのガリビエ山、2413mのグラノン峠、1850mラルプデュエズ。数々の名勝負が生まれた山岳ステージでは、とてつもない数の熱狂的ファンで、山道が埋め尽くされることでしょう。


日々見逃せない展開。うおお、テンションが上がってきました〜!笑 さあ、マイヨ・ジョーヌはいったい誰の手に…! わくわくが止まりません!!!

おわりに

今回も3,000字オーバーとなってしまいました。最後までお読みいただきありがとうございました!

各ステージのハイライト動画はこちら

公式サイト



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