― 第四十八話 知り合い ―

 よくいるじゃないですかぁ?
 『あ、俺、アイツ知ってるよ。紹介しようか?』なんて、いかにも有名人の友達持ってますよ、的な自慢する人種。あれ、僕、絶対ゆるせないんですよねぇ。だって、こっちはそれがウソだって分かってますけど、けど、ちょっとは、もうほんとに2%ぐらいは本当かもしれない、って期待するじゃないですか?そうすると、『紹介するよ』なんて言って、いつまでも会えない、なんてもう、切ないどころじゃなくてですねぇ、もう、世界の終わり、みたいな気持ちにもなりますよ、ねぇ?
 
 僕の友達に、いや、アイツはもう友達なんかじゃない。うん。
 知り合いに、遠藤っているんですよ。こいつが、もう、まさにそういった人種でね。あのほら、アイドルで御門サクラっているでしょ?僕、サクラちゃんがもう、本当に大、大、大好きでね。そのサクラちゃんを紹介してくれるって言ったんですよ、アイツ!もう、僕、最高に盛り上がっちゃって!それから1週間も眠れなくて!で、遠藤に『いつ会えるんだ?』って聞くたびに、『すぐだよ』なんて調子のいいこと言いやがって!け、結局、サクラちゃんには、ううっ、い、いつまでも会えなくて!いつまでも寝れなくて!くぅっ!
 そのうえヤツはねぇ・・・・

~ 話はその後、3時間続いた ~

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