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『14歳からの哲学』-「考えるとは」を考える-

哲学者、池田晶子さんが亡くなる直前に書いたこの本『14歳からの哲学』について、ここで僕なりの言葉で表現していきたいと思う。

「考えること」と「悩むこと」は違う。
「考える」という営為を一旦始めてしまったら死ぬまでその営為を続けなければならない。
しかし考えた先にこそ本当の「自由」がある。

この本に出会ったのは、友人から薦められた2年ほど前。それからは何度もこの本を見直し、そして自分の血肉となっている。

価値観、社会、善悪、他者。この世界で生きていて、色々なものに無意識に支配されている。そうした中で、本当の、真の意味での「自由」を手に入れるために「考える」。

「考える」ということを一旦始めてしまったら、死ぬまでその営為を続けなければならない。確かにその通りだと思う。「一旦考えることを始める」というのは、まるで「Welcome to 考える世界!残念ながらもう元の世界には戻れません!」とピエロに言われているみたいだ。もう元の世界には戻れない、どこか怪しげで、楽しそうだけど、どこか薄暗い、先の見通せない世界への招待である。

今思うと、「考えない人生」は楽だった。本当に楽だった。周囲の環境から求められるもの、周囲が憧れるものを、ただただ目指して行動すればよかった。そこに「疑い」なんてこれっぽっちもなくて、お陰でスムーズにパワーも出せたし、スムーズに日々が過ぎていったような気がする。もちろん、悩むことやしょげること、辛かったことはたくさんあったんだけど、基本的に毎日を進めることができたと思う。

でも僕は「考える世界」に足を踏み入れてしまった。初めてあらゆることの前提を疑い、初めて自分にとっての幸せとは何かを考えた。そして初めて「立ち止まった」。これはなんのためにやっているんだ?これは誰のためなんだ?結局は自分のためじゃないか。くだらないプライドや私欲でこれをしているんじゃないか。「自分がパワーを出せない状況がこんなにもあるのか」と初めて痛感した。それは僕にとって少なからずショックな体験だった。

考えることはいいことだなとは思う。見える世界が明らかに変わったし、大事なことに気付けたな、と思う機会もたくさんできた。でも、「考えることは絶対にいいことだから皆やるべきだよ!」みたいな、人に押し付けたいということではない。ここで言いたいのはそういうことじゃない。

僕の生きるスタンスをどうしようかという話だ。僕は少なくとも「考える世界」の住人になった。もう戻れない。それだけは確かなんだ。僕の人生は、「考える」という営為をし続ける人生になった、ということだ。僕の人生の模様として、「考える人生」という種類の模様がまずはひとつ、染め上がったということだ。

(模様の話しはこちら)

「考えること」と「悩むこと」は違う、この本はそう教えてくれた。

 考えるというのは、それがどういうことなのかを考えるということであって、それをどうすればいいかを悩むってことじゃない。それがどういうことなのか考えてわかっていなけりゃ、それをどうすればいいのかわからなくて悩むのは当然じゃないか。

 試しに訊いてみようか。生きていることはつまらないって悩んでいる君、じゃあ、生きているとはどういうことなのか、わかっているのかな。生きていることはつまらないって君の言う、その「生きている」とはどういうことなのか、本当にわかっているのかな。

14歳からの哲学/池田晶子 P.9

あらゆるものごとの一つひとつ、出会った人の一人ひとりについて、ずっとずっと考え続けようと思う。それがどういうことなのか。それがどういう意味なのか。僕は真剣に考え続けようと思う。バカにしたりせずに大真面目に考え続けようと思う。

もちろん「考える」ということは、苦しいことも、もどかしいことも、絶対にあると思う。でも、僕はとてもワクワクしている。この先、今よりももっともっと違う世界が広がり、本当の意味の「自由」を目の当たりにすることを。自分が人生のすべてを捧げてやり遂げたいと想う「志」にたどり着くことを。そこに自分のパワーを全力で注ぎ込み、幸せと愛に満ちて、死ねることを。

この本は「考え方」の教科書であり、答えは書いてない。答えは人生の中で、自分で見つけていくものだと言う。そのために僕は一瞬一瞬において全力で考え続ける。そんな営みを、尊い行為であると自分の中では位置付けている。

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「自分の言葉できちんと表現する」
僕はこれから、今まで出会ったモノや読んだ本、考えてきたテーマ、自分の専門分野など様々なものごとを、自分の言葉で表現する習慣を作ろうと思う。真剣に向き合い、自分の言葉で表現し、そして自分自身を見つめていく。そういったことをコツコツと積み重ねていきたいと思う。それを通じて、自分自身の「イズム」的なものを確立することができれば嬉しいなと思う。そして、このアウトプットを通じて、多くの人とインタラクションを交わせたら幸せだなとも思う。

こういった目的で書いています。わざわざ貴重なお時間を割いて読んでいただき心から大感謝です。
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