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美しい距離 読了

先週くらいに読み終わって、感想を述べるの忘れてたのでちょっと経って残ってるものを抽出して書いていく。

まず、闘病を舞台にする作品は多くてそういうのは所謂「感動系」に分類されるけど、本作品はまったくの別物。

これを買った時にちょうど、夫婦ってなんやろうとか自分にはいつかパートナーができるのだろうか?などという考えが頭をよぎっていたのでこの本を読んでしかも胸に響いたものが多かった。

山崎ナオコーラの作品は、2作目やけどやっぱり心の機微を繊細に文章に落とし込んでて、読みやすくて美しい文体なのが好き。

内容について触れていく。
主人公の旦那さん目線で話は進んでいくねんけど、いくら結婚した相手でも些細な心配りが大事やと教えてくれる。旦那さんは常に妻のことを考えてるねんけど、それが“良い”距離感で、まさにタイトルの「美しい距離」につながる。

タイトルはここのみの回収じゃなくて、妻が闘病で家族を大切にするように仕事を大切にしてる“距離”であったり、妻も旦那さんと同じように気遣いがあって、良い距離を保ってる。

終盤と解説にもあったけど、「死んでからも距離は近づいたり離れたりする」って書いてて、新鮮な価値観を頂いた。確かに人って離れてても、人間関係の距離って目に見えへんけど流動してると思った。

面白くて心温まる、病気を特別視しすぎない良い作品に出会えました。ぜひ読んでみてください。

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