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低アルコールワインがそんなに嫌いか?

と、見出しだけ見て構えて読んだ記事ですが、結果的によい記事でした(笑)

https://www.sfchronicle.com/food/wine/article/low-alcohol-abv-wellness-17802574.php

ワイン業界の仲間の皆さんにも、時々なんでそんな邪道なワイン輸入してるの?と顔をしかめられたりもします。

このワインです。

その気持ちもわからなくもないです。私もそう思ってました。でも信頼しているファミリーとチームが造ったワインなんです。
そして、何より飲んでみて美味しかったから輸入しました。そして、美味しいと思うから私は社販でめっちゃ買っている!

San Francisco chronicleの記事を下記に訳しました。読んでください♪


低アルコールワインが流行っている。でも、なんだか味にしっくりこない

ライトビールはどこにでもあります。そして今、ライトワインが注目を集めています。アルコール度数が通常より低いワインが、健康志向の高まりに後押しされ、ブームになっています。Kendall-Jackson、Bota Box、Cupcakeなどの大手ワインメーカーが、アルコール度数8~9%、カロリー80~85kcal(グラス1杯あたり)の商品で成功を収めました。(通常のテーブルワインは、アルコール度数12%~14%、カロリー120~125kcalです)。

このカテゴリーは、一般的なワインよりも成功する準備が整っています。アナリスト会社のIWSRによると、ワインの販売量は2022年から2026年にかけて2%減少すると予測されていますが、低アルコールワインは同じ期間に10%増加する見込みとなっています。

これらは自然なワインとは言い切れません。低アルコールワインは、通常、アルコール度数を下げるために、刺激の強い工業的手法で処理されています。水で薄められたものも存在します。1本15ドル前後と安価であることから、ターゲットやクローガーなどの大手スーパーマーケットチェーンに並んでいる商品で、個人経営のワイン専門店では見られません。

90年代に流行したSnackWell'sという低カロリー、低脂肪のデザートのワイン版と考えればいいかもしれません。 ほとんど本物のような味わいですが、何か違和感があるのです。低アルコールワインの中には、苦味のある、まるで金属のような後味のものもあれば、綿菓子や 風船ガムのような人工的な味のものもあります。良くても、水で薄めたワインのような、無難で当たり障りのない味です。

しかし、低アルコールワインの人気は否定できず、アメリカのワイン消費者が "ヘルシー "と呼べるものを飲みたいという欲求を抑えきれないことの証拠となっています。しかも、低アルコールワインは若い世代に特に人気があり、苦境に立たされているワイン業界がこれこそ、必死にアプローチしてきた層でもあります。これら商品は、ワイン業界がカロリーオフビールに対抗するだけでなく、アメリカで人気のハードセルツァー層を取り込もうとする試みでもあるのです。

ナパに本社を置く低アルコールワインブランドLibbyの共同設立者であるグラント・ヘミングウェイは、「私たちワイン業界は、ハードセルツァーが自分たちのランチを食べるのをただ黙って見ていました」と言います。ヘミングウェイはLibbyで、20代の若者にとってハードセルツァーが人気だった理由である「アルコール度数が5%と低い」、「何杯飲んでも疲れない」、そしてラベルに「カロリー(1缶100カロリー)・炭水化物(2g)」と表記することでアピールしようと考えました。

モントレーのシャイド・ファミリー・ワインズのエグゼクティブ・バイス・プレジデント、ハイディ・シャイドは、「ワインは、そういうことをしたことがないんです-ワインはアルコールを隠して来たんです」と語ります。
彼女が2020年に低アルコールブランドのSunny with a Chance of Flowersを立ち上げた時、ラベル表記をこれまでと大きく変えました。今までは裏ラベルにかすれたような小さな文字で書いてあったアルコール度数を、表ラベルに大きく堂々と85カロリー、砂糖ゼロ、アルコール9%。と表記したのです。
このメッセージ表記の効果は実証済です。昨年Sunnyは85,000ケースを売り上げ私たちのブランド中でも勢いのあるワインなのです。

低アルコールワインの製造は、複雑なプロセスを経ています。というのも、アルコールはワインのキャラクターに、単に酔わせるだけでなく、もっと重要な役割を果たすからです。

2020年に大人気シャルドネの低アルコール版をリリースしたソノマのケンダル・ジャクソンのヘッドワインメーカー、ランディ・ウロムは、「アルコールは口当たりに丸みを与えてくれる」と語ります。"粘性や口に含んだ時の感覚に大きな違いがあります"。(ワインのカロリーの多くはアルコールから来るので、それを減らせば自動的にカロリーも減ります)

この領域で活躍するワインメーカーは、納得のいく味わいやテクスチャーを実現するために、膨大なトライ&エラーを行っていると言います。(シャイドのチームでは100以上の試作を繰り返しました)。
ワインからアルコールを取り除く方法には、大きく分けて逆浸透法(膜を通過させる方法、Sunnyが採用)とスピニングコーン・フィルトレーション(真空状態で成分を抽出する方法、ケンダルジャクソンとボタボックスが採用)があります。そして低アルコールブランドの多くは、口当たりを良くするために、アルコールを除去した部分とアルコール除去前のワインをブレンドしています。

Libbyは他とは違う製法で作っています。発酵を途中で停止させブドウ果汁の糖分が完全にアルコールに変換されないようにする方法と加水を組み合させています。ワインメーカーのヘミングウェイによるとLibbyは1ℓあたり1グラムの残糖がありますがスピニングコーン・フィルトレーションで作られたワインよりも、操作性が低いと言います。
「ピュアであり続けたい。」そこがハードセルツァーと違う所です。添加物も人工的なマンゴーフレーバーも加えていません。

「若い消費者がこのカテゴリーに興味を持ち、“彼らが好むワインの楽しみ方”を模索する必要がある事がわかったのです。」と。BotaBoxのマーケティング担当副社長であるキャシー・ピアスは言います。「業界にとって、より若い時期からワインに親しんでもらうことは、非常に重要なことなのです」。Bota Boxは2021年に低アルコールライン「Bota Box Breeze」を発売し、昨年は50万ケースを販売しました。

しかし、すべての人が低アルコールワインを受け入れているわけではありません。Wine Intelligenceの調査によると、低アルコールワインの購入を控える理由は、回答者のうち、27%が "味が嫌い "と答え、25%が "本当のワインではない "と答えています。

信用できないと言う権利もあります。

Chronicle Food + Wineチームは、18種類の低アルコールワインのテイスティングを行いました。いくつかのワインは、香りや味わいが不快で、飲めないものでした:汗ばんだTシャツ」「汚れたオムツ」「チーズ」といった表現がありました。また、プラスチックのような香りや砂糖漬けのような香りがするものもあり、通常のワインの特徴であるピュアフルーツのような果実味とはかけ離れたものでした。

しかし、そのすべてが悪いものではありませんでした。刺激性がなく、何の変化球でもないけれど、飲みやすいと感じたものもありました。「薄っぺらい」「水っぽい」という言葉が繰り返し出てきました。私達がワインに求める魔法、つまり、忘れられない、ときめきをもたらす味の表現が、ここでは欠けていたのです。一部の不快な硬いタンニンを持つ赤ワインと比べるとスパークリング、白ワイン、ロゼワインは、赤ワインよりもはるかに美味しく作られていると感じました。

アルコール度数やカロリーを抑えたいのであれば、フルボトルで飲む量を減らせばいいと思います。しかし、どうしても低アルコールのワインを飲みたければ、私がお薦めするワインを以下に紹介します。

Sunny with a chance of flowers
ソーヴィニヨンブラン アルコール9% 85カロリー

試飲した他のソーヴィニヨン・ブランとは異なり、本当にこのブドウ品種のような個性を持つワインでした。爽やかな酸味と柑橘系のフレーバー、そしてフィニッシュにはビターなハーブのニュアンスがあります。

Sunny with a chance of flowers ロゼ アルコール9% 85カロリー
花、スイカ、イチゴなどの典型的なプロヴァンス・ロゼのアロマが、この心地く柔らかいロゼに現れています。繊細な味を持っています。

Libby ホワイトブレンド アルコール7.7%  75カロリー
シュナン・ブランとリースリングをブレンドした発泡性のワインです。パイナップル・グリーンハーブのようなトロピカルなフレーバーがあり、軽い甘さがあります。ワインを炭酸水で割っているため、グリーンワイン・スプリッツァーのようなイメージですがリビーはそのような言葉は使っていません。

Libby ロゼ アルコール7.8% 75カロリー
シラー、ジンファンデル、グルナッシュ、モスカートのブドウを使用し、こちらも炭酸水で割った薄ピンクの発泡ワインです。モスカートの特徴であるピーチキャンディーのような香りが感じられます。白のブレンドと同様、少し甘みがあるが、強すぎるということはありません。


美味しいって言ってくれてるんやん💓


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