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ブレダ市立博物館 Stedelijk Museum Breda オランダ/ブレダ ~リノベ後も健在、攻囲戦に特化した展示は軍事博物館以上

※ 訪問記は2014年6月時点旧「ブレダ博物館」訪問時の情報です。

Stedelijk Museum Breda 公式サイト

2017年6月オープン。ブレダ博物館(2017年1月1日を最終開館日として移転のため閉館)と映像博物館(MOTI)が合併・併設され「ブレダ市立博物館 Stedelijk Museum Breda」と名称も変更となりました。場所は旧MOTI。駅から公園をまっすぐ突っ切ってすぐなので、以前よりは便利になります。旧「ブレダ博物館」のサイトは新館オープンと同時に閉鎖されました。

ハーグやともするとデルフトに比べても、「ナッサウの街」を押し出してる感が強いです。これは新旧変わらず。

新館の常設展でもトップはThe Nassaus of Bredaです。

アムステルダム国立博物館から長期ローンしているナッサウ伯マウリッツの胸像をメインに据えています。

アクセス


移転前訪問記(2014年6月)ブレダ博物館 Breda's Museum

2016年まで開館していたブレダの歴史博物館です。こちら旧館の外観。

中央入口から入ると、右手で特別展、左手で常設展をおこなっていました。チケットを買えばどちらも好きに見れます。このときはメディチ家の衣装展をやっていました。といってもホンモノではなく、現代作家によって、紙で再現されたもの。とても繊細な展示品なので、すべての荷物をロッカーに入れるよういわれました。

メディチ家コレクションの写真Wikimediaに残ってましたね。

八十年戦争に特化した常設展は、2011年以降に整備されたもの。(旧サイトには2014年末までとか書いてありましたが、新サイトを見る限り、2015年以降も新旧館の展示コンセプトの柱であることには変わりないようです)。

八十年戦争展の1Fは、1403-1567年の部屋と、1590年のブレダ泥炭船を特集した部屋。ジオラマ、泥炭船の模型、ベルヘン船長の像(1926)、当時の本物?の櫂の一部、戦勝記念銀器など、大型の実物が多いです。逆に絵は油彩よりは版画が多い印象。

2011年の内部の様子だそうですが、ちょうどこんな感じでした。

八十年戦争展の2Fは、1625年と1637年の攻囲戦のブース。こちらも版画がメイン。

  1. ジャック・カロの「戦争の惨禍」シリーズが11点

  2. ブレダ攻囲戦の地図が1625年と1637年合わせて11点

  3. フレデリク=ヘンドリクの勝利の版画8点

  4. 武器教練から6点

などなど。大量の版画を所有している博物館はたくさんありますが、あまり華が無いということもあるのか展示には回してくれないので、ここはかなり太っ腹。

この階でいちばん大きなものは、プラド美術館にあるベラスケスの『ブレダの開城』の1903年の実物大模写です。ここに挙げた2009年のWikimediaの写真はブレダの旧市庁舎内の写真と書いてありますが、たぶんこれを博物館に移して展示していたんじゃないでしょうか。2017年以降の新館では館内カフェ『槍 Lanzas』に置かれているようです。

出口近くでは、バックのスクリーンに『アラトリステ』のラストのロクロワの戦いのシーンを流しながら、鎧、銃器、火薬入れ、銃架、土木用の手押し車など、当時の装備たちが並んでいました。

コレクションはこちらから。蘭語のみ。

現在跡地は植物園になっているようです。


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