みかん

ごく普通のフロサポです。「わたしとフロンターレ」というテーマで記事を書こうと思ったら、…

みかん

ごく普通のフロサポです。「わたしとフロンターレ」というテーマで記事を書こうと思ったら、思いのほか、長い話になってしまっています(現在進行形)昔のことは記憶が曖昧な部分もありますが、基本的にはすべて実話です。フォロー・コメント等はお気軽にどうぞ。画像の引用・転載はお断りいたします。

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空と水色とわたし

それは大学1年の秋、1996年のことだった。 大学入学を機に上京した私は 当時、横浜市内の小さな駅で一人暮らしをしていたのだが、 同じく別の駅で二人暮らしをしていた姉二人が 契約更新を機に引越しをすることとなり 吸収合併される形で三人の姉妹生活がスタートした。 その舞台となるのが武蔵小杉だ。 武蔵小杉の部屋は姉たちが決めてきた。 私にとってそこは 引越すまでは下車したこともないような 単なる通りすがりの駅に過ぎなかった。 当時の武蔵小杉は なんだかずっと長いこと駅が工事

    • 空と水色とわたし-61

      2018年の始まりは実家で迎えた。 昨今の状況になる前は当たり前の年末年始の光景だった。 一つだけ違うのは私が無職だということだ。 (次の派遣先は決まっていたけれど) もちろん両親には言えやしないので、内緒である。 もう少し若かった頃のこと、妙齢で結婚もせず、 仕事も派遣を転々とする私に母はこう言った。 「結婚するか就職しないなら、実家に帰ってきなさい」と。 それで、私は就職をした。 しかし、その会社も2年と少しで辞めてしまった。 そして、再び派遣に戻ったと伝えた日には ま

      • 空と水色とわたし-60

        2017年12月 あれからしばらく私は優勝の余韻に浸っていた。 ・・・と言いたいところではあるが、年末に向けて恐ろしく忙しかった。 当時働いていた派遣先は元々忙しい職場ではあったが、 12月は決算期ということもあってそれに輪をかけて忙しかったのだ。 さらに、私はそんな忙しい職場に疲れ果てて、12月末で契約終了することになっていたので、もう何が何だか。というくらい、忙しかった。 それでも、夜遅くに仕事を終えてガラガラのバスに乗って帰るときなどに 優勝の瞬間の動画を見ると何度でも

        • 空と水色とわたし-59

          優勝したら燃え尽きて熱が冷めてしまうのではないか とか 優勝したら満足してしまうのではないだろうか なんて思っていた時期もあった。 が、優勝してみると、そんなことは全くなく、 また優勝したくなるし、何度でも優勝したくなる。 それは優勝して初めて分かったことだ。 と、ここまでで、すでに「優勝」が6回。 そうです!優勝したんです。 翌朝、目が覚めて頬をつねるというベタなことをしてみるが、 普通に痛い。これは現実だ!! じわじわと喜びをかみしめる。 空を見ても、何をしていても、

        • 固定された記事

        空と水色とわたし

          空と水色とわたし-58

          「生きているうちに優勝が見られたらいいな。」なんて 思っていた時期もあった。 たとえば5年前に時を戻したとしたら、私はこの4年間の奇跡を 信じただろうか。 きっと、「まさか!気休めなんて要らないから。」と 笑い飛ばしているだろう。 (なんて、以前、優勝後にSHIBA COFFEEさんで話したことが あったっけ) 2017年12月2日 16時少し前のこと、試合終了の笛が鳴った。 思えばその少し前から平常心ではいられなかった。 ふわふわと夢の中にいるようだった。これは現実なのか

          空と水色とわたし-58

          空と水色とわたし-57

          歳を重ねるごとに人から「おめでとう」と言われる機会が 減った気がする。 友達が少ないせいもあるのだろうが、それだけではなくて、 結婚も出産もせず、就活にも失敗し、30を過ぎると段々と誕生日も おめでたいのかそうでないのか良く分からなくなってきて、 この先、私が誰かを祝福することはあれども、祝福されることは ないだろうなぁとぼんやり考えていた。 思えばたくさんの人に祝福されたのは成人式が最後だったのか。 そんな成人式も大雪で、楽しみにしていた飲み会にも行けなかったけれど。 なん

          空と水色とわたし-57

          空と水色とわたし-56

          思いもよらず願いが叶うことがある。 それは無欲の勝利なのか。 それとも、それまで願い続けてきた積み重ねが天に届いたのか。 機が熟したのか。神様が根負けしたのか。 よく分からないが、その日は突然やってきた。 と書きたいところだが、この時点ではまだやってこない。 それはACLプライムステージ準々決勝第2戦のことである。 例のごとく激務に追われ、終業後にようやく携帯を見た私は呆然とした。 第1戦で等々力で3-1で勝利していたフロンターレ。 余程のことが起きなければいけるでしょう!

          空と水色とわたし-56

          空と水色とわたし-55

          何かのCMで見たことがある。 人は何故応援するのだろうか、と。 私も時々、何故フロンターレを応援しているのかと 誰かに問われて、考えたりする。 後付けになるならば、いくらでも理由は出てくるのだけど 多分そこまで深くはなくて、応援したいからなんだと思う。 では、何故応援したいと思うのか。 何故フロンターレだったのか。 となると、好きだから。偶然出会ってしまったから。 それに尽きる。深い理由など必要ない。 きっと、姉たちに導かれて、武蔵小杉に引越していなかったら 私は今頃別の

          空と水色とわたし-55

          空と水色とわたし-54

          時折思うことがある。 この世界や自分の記憶や経験、見えているものって 現実のものなのだろうか、と。 遠い昔に見た映画マトリックスのように 実は私はどこか遠い場所や別の惑星で眠っていて、 今見えていること経験していることは仮想現実なんじゃないか。 仮想現実とまではいわなくても、優勝したくて、優勝したくて あまりにも悩み過ぎてある瞬間に別の世界に迷い込んで フロンターレが優勝するという世界軸にやってきたのではないかと ふと考えるのだ。これは夢なのだろうか。それとも現実? だけ

          空と水色とわたし-54

          空と水色とわたし-53

          私はスタグルをほとんど食べない。 理由はたくさんある。 ・試合に全集中なのでそれどころではない ・試合で緊張していて食欲がない ・試合の日は早朝から忙しくて試合前からヘトヘトで食欲がない ・スタジアム到着から列整理、先行入場、席取り、バス待ち、  マスコットのグリーティングからイベントで忙しい ・・・ある時は動物、また別の日はレアなマスコット、 とある日はお餅を拾い、お相撲さんを見に行き、引退した選手のトークショーへ行く・・・などなど、ついのんびりしていると、 ゴールキーパ

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          空と水色とわたし-52

          私は長いことフロンターレを応援しているものの、 サッカーのことはよく分からない。 戦術やシステム、ルール、海外リーグ、選手・・・国内の有名な選手でさえも知らないことがある。 それでもいつも楽しく試合を見ている。ありがたいことだ。 サッカーの試合を見ていると、ボールを止めて蹴ってドリブルをしたり ゴールへ進んでいくこと、守備をすることがまるで簡単なことのように思えてしまう錯覚に陥る。 人生で一度だけ仕事の関係でフットサルに参加したことがあるのだが、 コートに入ってすぐにそれは

          空と水色とわたし-52

          空と水色とわたし-51

          それまで、何故私たちはこんなにも優勝したいのだろうかと 考えることがあった。 その時の私は優勝の美酒の味をまだ知らない。 たとえ優勝できなくても楽しいからいいじゃん。 そもそもJ1で優勝するってトップの1チームだけだよね。(当たり前だ) シルバーコレクターと揶揄されようがどうでもいいし、そんなことで私たちはへこたれたりくじけたりしない。大体、そんなこと言ってくる人たちってなんなの。そんなに偉いのか?というか、強いチームのサポーターってそんなに偉いの??チームが強いからってそ

          空と水色とわたし-51

          空と水色とわたし-50

          時が満ちた。 そう思っていたが、まだその時はやってこない。 その時はいつやってくるのだろうか。 1/1の夕方、私は知らない道を人の流れを頼りにとぼとぼと歩いていた。 前を歩いていたまだ幼い少年の関西弁があまりにも可愛くて 少しだけ心が和む。 それから遡ること約16時間前、私は深夜の高速バスの中で年越しを迎えた。 バスにはテレビもなくひたすらスマホとにらめっこしていたが、バッテリーの残量が気になって、睡眠を取ろうとウトウトし始めた頃だ。 友人からのLINEで年が明けたことを

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          空と水色とわたし-49

          私は妄想をするのが好きだ。 幼い頃から祖母の庭で一人で遊ぶことが多く、 早くに祖母が病気で入院してからは鍵っ子で一人で留守番をしていたのが 長かったせいか、一人で過ごすことも好きだし いろいろな世界や状況を想定して、想いを馳せる癖がついてしまった。 もしも、今ここに大好きなテレビ番組の一つである 「ドキュメント72時間」のクルーがいて声をかけられたとしたら、 今の気持ちや想いをどのように伝えるだろうか。 この日もそんな風に少し現実逃避をして緊張を紛らわしていた。 場所は大晦

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          2016年はどうしても優勝したかった。理由は二つ、いや三つ、四つかも。 ブラック企業の派遣をあっさり辞めて秋から私は武蔵小杉の会社で働き始めた。小杉で働くことは大学時代からの夢だった。 通勤電車の混雑からも解放されて、徒歩で数分で職場に到着して帰りもラクラクゆとりのある生活。もしかしたら昼休みも家に帰れるかもしれない。 あぁ夢のようだ。 しかし、現実はそう甘くない。 その職場はべらぼうに忙しかったのだ。 朝から晩までずっと何かに追われていて、コピー機に向かうのも小走りする始

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          空と水色とわたし-47

          2016年春、数年勤めてあっさり辞めてしまった会社の後、 派遣社員に戻って派遣された会社はいわゆるブラックだった。 ・定時前の朝礼の絶対参加(だけどその分は無給) ・少人数なので派遣も朝礼の司会とスピーチをやる(やりたくないし聞いてない) ・変な社訓の唱和がある(まじで無理) ・入室カードは社員にしか付与されず、毎回、入り口の電話で社員の方を呼びドアを開けてもらう(カードを紛失されたら手続きが面倒だし、派遣を信用していないらしい。こんな会社初めてだ) ・営業事務として紹介さ

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