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#19 新生アルビBBの躍進に期待

新生アルビBBが、いよいよ船出です。新潟でプレー・指揮経験のある平岡富士貴新監督の下、「速いバスケ」で躍進し、不祥事に揺れ、屈辱的ともいえる順位だった昨シーズンの悔しさを晴らしてくれることを期待します。

バスケットボール男子B1リーグ東地区の新潟アルビレックスBBは2、3日に、長岡市のアオーレ長岡で、西地区の京都との2021―22シーズンの開幕連戦を迎えます。昨シーズンはパワハラ問題に揺れ、チームの成績もB1全20チーム中17位と低迷しました。しかし今季は、平岡監督が就任し、とても楽しみな7選手が加入しました。ワクワクします。

チームスローガンは「全越(ぜんえつ)一丸」です。これについて川上明社長は「全越は新潟全体を意味し、『越』にはさまざまな困難を乗り越え、今シーズンを一丸となって戦うという思いを込めた」と説明しています。「全越一丸」で、目標のチャンピオンシップ進出を果たしてほしいです。

平岡監督はチーム創設の2000年に選手として加入して「ボンバー」の愛称で親しまれました。05年に引退してからはアシスタントコーチ、13年~15年は監督を務めました。昨季は群馬をB2優勝、B1昇格へと導き、今シーズン7季年ぶりの新潟復帰です。

平岡さんは「新潟を離れても一番気に掛けていて、自分が成長して戻ってきたいというのがあった。うれしいし、責任も感じている」と、新潟日報の開幕特集で語っています。うれしいですね。平岡さんと同じく、群馬からは藤原隆充氏と當銘勤次郎氏の2人のアシスタントコーチ(AC)が加入しました。昨季は群馬を52勝5敗という圧倒的な強さで頂点に導いた「B2優勝トリオ」の加入に、期待感は高まるばかりです。

藤原さんは2001年に新潟でプロデビューし、昨季は「不祥事に揺れた新潟を見て、一ファンとして寂しさを感じていた。今季は自らも加わり再出発する。『新しい新潟をつくることに携われて、やりがいを感じる』」といいます。その上で、「『やっぱりアルビって好きなんだよね』と思ってもらえるチームにしたい」と語っています(ともに新潟日報「『黒子』のチカラ」<1>)。楽しみですね。

◇     ◇

一方、選手の方も、新潟の顔だった五十嵐圭選手が群馬に移籍したのは残念ですが、新たに加わった選手たちにはとても期待が持てます。中でも新加入ながらキャプテンを務める岡本飛竜選手と、田上町出身で帝京長岡高校出の遠藤善選手には注目です。アルビBBはプレシーズンゲームを3戦全勝で終えましたが、2人の加入でスピード感が増し、画面越しからでしたが見ていてとても楽しく感じました。

広島から加入したポイントガードの岡本選手は、170センチと小柄ですが、プレシーズンでは3ポイントシュートに加え、果敢にカットインしてのシュートやアシストと大活躍で、闘志あふれるプレーに魅了されました。プレシーズン最終戦では、劇的な逆転3点ブザービーターを沈めるなど勝負強さも見せてくれました。攻守の要として期待大ですね。

遠藤選手は182センチのシューティングガードです。帝京長岡高校時代にはウインターカップの4強入りに貢献し、日体大4年の昨季はアマチュア契約でB1大阪に所属しました。今季のプレシーズンの初戦では、前半に3点シュートを4本決めるなどしてチーム最多の21点をマークしています。岡本選手と同様にスピードがあり、中に切り込んでのシュート・アシストも期待できます。大暴れしてほしいですね。

遠藤選手のほかにも、新潟県出身の選手としては、ベテランの池田雄一選手(燕市出身)と佐藤公威選手(長岡市出身)が健在です。村上市出身の大矢孝太朗、魚沼市出身の星野曹樹の若手2選手には一段と成長してチームの勝利に貢献してもらいたいです。

ほかにも、一時は契約解除が発表されたポイントガード兼シューティングガードの納見悠仁選手が新たに契約を結んでくれたのは嬉しかったですし、ポイントガードでは33歳のベテラン綿貫瞬選手の加入も心強いですね。

シューティンガードの木村圭吾選手は「八王子学園八王子高(東京)を卒業後、大ヒット漫画の作者、井上雄彦氏らが設けた「スラムダンク奨学金」の奨学生として渡米した。プレップスクール(大学進学準備校)を経てセントジョセフ大に入学。大学を休学して新潟でプレーする」(新潟日報)ということです。加入発表時に川上社長は「八王子学園八王子高校でエースとして活躍し、スラムダンク奨学生として渡米した選手で負けん気の強さと3ポイントシュートが得意な選手です。チームに活力を与えてくれることと期待しております」とコメントしています。とても気になる選手です。

外国籍の選手たちも充実しています。東京五輪にハンガリー代表として出場したロスコ・アレン選手が残り、3選手が新加入しました。208センチのフォワードアレン選手は、昨季は51試合に出場し1試合平均18・1得点をマークしています。今季も内外からの得点してくれることでしょう。

新加入選手では、まずNBAの経験があるジェフ・エアーズ選手に注目です。209センチ、122キロのパワーフォワードでセンターもこなすエアーズ選手は、2013~14年シーズンにNBAのスパーズで優勝を経験しています。Bリーグではアルバルク東京や琉球などでプレーし、昨季は名古屋Dで41試合に先発し、1試合平均13・3点、8・5リバウンドを挙げています。経験豊かな34歳のベテランは、チームの大きな力になってくれることは間違いないでしょう。

チリジ・ネパウェ選手は208センチ、122キロのセンターです。日本では熊本や福島などを経て、昨季途中からはB1広島で岡本選手と一緒にプレーしていました。2人のホットラインに期待ですね。

そして、個人的には最も楽しみなのは、コービー・パラス選手です。フィリピン代表経験もある23歳のスモールフォワードのパラス選手は、「アクロバティックなダンクシュートができる跳躍力など、身体能力が高い。外角からも攻められ、オールラウンドなプレーが魅力」(新潟日報)ということです。身長も198センチと同じだし、まるでNBAのレジェンド故コービー・ブライアントさんみたいですね。

パラス選手は、昨季から設けられた「アジア特別枠」の適用選手で、外国人選手2人と同時にプレーできるのも大きいです。9月24日に合流したばかりですが、早くチームになじんで、「新潟にコービーあり」と全国にその名をとどろかせてほしいです。

さて、こう書いてくると新生アルビBBは、とても強そうですね。しかし同じ東地区には宇都宮ブレックス、千葉ジェッツ、アルバルク東京、川崎ブレイブサンダースなど強豪がひしめきます。そう簡単には勝てないかもしれませんが、レギュラーシーズンは来年5月8日までの長丁場です。連係力を高め、2018~19シーズン以来のチャンピオンシップにコマを進めてくれると信じています。

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私は昨シーズン、新型コロナウイルスの関係もあり、アルビBBの試合は1試合も見に行くことができませんでした。その前のシーズンまでは何試合かは見に行っていて、屋内での音の反響の大きさ、光による応援の美しさには新鮮な感じを覚え、楽しく観戦できました。2シーズン前に、アオーレでBBの試合を観戦してからJ2アルビのサポ友さんたちと、とても楽しい「長岡ナイト」を過ごしたのが、いい思い出として残っています。

今シーズンは何試合か見に行きたいなと思っていて、できればJ2のサポ友さんたちと一緒に試合を見に行って、大きな声で声援を送って、祝勝会もしたいなとも思うのですが、そういう“日常”が戻るのはまだまだ先でしょうか。早く戻ってくることを願うばかりです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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