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#11 ギアが一つ上がった

ギアが一つ上がって、スピードとパワーが増したように感じました。「胸のすくような快勝」(新潟日報)で後半のスタートを切ることができましたね。17日の2位京都との敵地での戦いに勝ち、いいムードで五輪のための中断期間に入りましょう。

アルビレックス新潟は7月11日、デンカビッグスワンで栃木と対戦し3―0で勝利しました。琉球が敗れたため3位に浮上し、引き分けた首位・磐田との勝ち点差を4に詰めました。

この試合では、先発出場した福田晃斗選手のプレーに驚かされました。これが、前節、けがから8か月ぶりに復帰したばかりの選手なのか。

そのプレーは、元週刊サッカーマガジン編集長の平澤大輔さんの言葉を借りれば、「魅力的なプレーは数多く、その一つに『連続性』が挙げられるのではないだろうか。パスを受けてさばいて、また受ける。ボールを奪いきってそのまま攻めに出て、奪えなければもう一度、奪いに出る。そこに『切れ目』とか『境界線』はない」(新潟日報スポーツモアのコラム「Orange Soul」)。それが90分間、続いたのです。

アルビは前半で高木善朗選手が2得点しました。高木選手は試合後、「無理にターンせず、落とせる位置にヤン(高宇洋)と晃斗がいてくれるので、自分にくるプレッシャーを回避できていたと思うので、いつもよりファウルを受けるシーンが少なくて、自分の負担がかなり軽減されたと思う」と語っています(Jリーグ公式サイト)。

平澤さんは先のコラムで、次のように書いています。「高木は毎試合、対戦する相手に極度の警戒を向けられて、背後から足ごと刈られる悪質なファウルに悩まされてきた。それが、福田と高とのトライアングルで減圧することができるというのだ。高木が横暴なプレッシャーから解放されて軽やかに動くことができれば、それだけ攻撃力が増すことになる。福田効果の一つだ」。痛快ですね。

福田選手に負けず劣らず、前半の得点に絡んだロメロ・フランク選手と星雄次選手も輝いていました。

 

フランク選手は前半の高木選手の2ゴールをお膳立てしています。12分の先制点は、フランク選手が自陣で相手ボールを奪うと右サイドをドリブルで駆け上がり、前方の谷口海斗選手にパスを送り、その谷口選手のクロスを高木選手があわせました。前半31分の2点目は、左サイドの星選手からのクロスをフリーの高木選手が中央で合わせました。これはフランク選手が中央からニアサイドに走って相手ディフェンスを引き付けたことで、高木選手がフリーになったといえるでしょう。

フリーライターの大中祐二さんは、ニイガタフットボールプレスの【頼もう、感想戦!feat.平澤大輔】~明治安田生命J2リーグ第22節vs栃木SCvol.1~「相手の『強さ』には『強さ』とさらに『うまさ』を!」で、「新潟がボールを保持して主導権を握って戦うサッカーだというのは大前提なんですけど、その中で体の強さを発揮するロメロ選手はスパイス以上の存在というか、完全に戦い方の柱のひとつですよね。それが改めて分かったゲームでした」と書いています。まさにフランク選手の完全復活も“夏の大きな補強”といえるかもしれませんね。

そして星選手です。大中さんは上記の回で「そうした試合運びのインテリジェンスの部分で大きな力になっていたのが、福田晃斗選手と星雄次選手でした。特に星選手の効きっぷりがすばらしくて。『見つけた。これ、大好物だわ』という気がしています(笑)」と書いています。

それに対して平澤さんは「至恩選手がピッチにいるとき、チームとしてもプレーのファーストチョイスはドリブルですよね。彼が仕掛けて、周りも反応するという順番で。星選手の場合は逆で、『俺は黒子に徹するから、周りのみんなが楽しくプレーしてね』という印象です」とおっしゃっています。私も「黒子に徹する」タイプは「大好物」です。

もう少し詳しく説明したいのですが、有料コンテンツですのでこの辺でやめておきます。大中さんの「ニイガタフットボールプレス」は、とても勉強になりますし何より面白いです。月額550円は安すぎるくらいです。ぜひ皆さんご購読を。

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そして、大一番の京都戦です。

平澤さんは、大中さんのニイガタフットボールプレスで、「どんな相手に対してもアメーバのように形を変えながら戦える武器をアルベルト監督は持ちつつあります。誰をどのタイミングで起用するのか。監督も楽しいんだろうなあ」と述べています(【頼もう、感想戦!feat.平澤大輔】~明治安田生命J2リーグ第22節vs栃木SC vol.3「この手ごたえを京都にぶつけよう!」)。スタメンに変更はあるのか、どんな風に交代カードを切るのかも楽しみですね。

コラムニストのえのきどいちろうさんは、モバアルZのアルビレックス散歩道463回の附記1で、栃木戦について「3‐0で比較的安心して見ていられた試合ですが、後半36分から入った2人(本間、鈴木孝司)の表情は鬼気迫るものがありましたね。あの「何でオレがスタメン落ちなんだ」感は貴重だと思いました。残念ながらゴールは遠かったけど、気持ちがひしひし伝わった。競争はいいですねー」と書いておられました。鈴木選手も至恩選手も思うところはあるでしょう。2人のゴールに期待です。

新潟日報スポーツモアに16日にアップされた記事には、「(堀米悠斗キャプテンは)『チームはきっかけをつかみかけている』と言い、京都戦で手応えを確信に変えるつもりだ」とありました。同じ相手に2度負けるわけにはいきません。絶対に勝って、手応えを確信に変えてもらいましょう。

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11日のホーム栃木戦も、スタジアムの雰囲気はよかったですね。

栃木サポーターの方が試合後、「いや、まじで圧巻だった。 試合中も拍手が押し寄せるように響いてた。 久しぶりに、あぁアウェイでの観戦をしてるんだなぁ…って思った。 さすがだよなぁ。 ステキな『チーム』だなぁ。」とツイートしておられ、うれしく感じました。

プラネタスワンも最高でした。次のホーム戦は中断明けの8月9日の大宮戦です。後半戦3連勝でプラネタスワンしましょう。待ち遠しいですね。

あぁ、アイシテルニイガタが歌いたい。

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