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日光浴が好きなヨーロッパの人たち

タクシードライバー

何年か前にドイツに旅行に行った。空港を出て外のバス停で次のバスを待っていたら、タクシードライバーさんがたばこ休憩をしに私の隣にやってきた。ちょうど私の隣に灰皿があって、立ったままたばこを吸い始める。

その日は5月の快晴で、日向に出ると少し暑かった。私は日陰でバスを待っていたけれど、ドライバーさんは灰皿のある日陰からグイッと1歩前へ出て、あえて日向に出て一服していた。ちなみにそのドライバーさんは割と若くてキレイな女性だった。結構暑いのにあえて日向で休むなんて、「どんだけ日向が好きやねん」と心の中で突っ込んでしまった。

ヨーロッパの人たちって日光浴が大好き、ということをうわさでは知っていた。しかし間近で、しかも隣でそれを見てしまって、うわさは本当だったんだなと思った。

川沿いの広場で

バスで中心地に出て、ホテルにチェックインした後、少し時間があったので近所を散歩した。中央駅からすぐのところに運河のような川があって、川沿いには広い芝生の広場があった。そこにも人が沢山寝転んで日光浴をしていた。海で使うようなリクライニングチェアに寝ていたり、レジャーシートの上に水着で寝そべったり、まじまじ見れなかったけれど、全裸の人もいたと思う。街の中心地の駅前でも、バカンス気分で日光浴してしまうって「どんだけ平和やねん」とまた突っ込みたくなった。

駅前の公園でも

次の日、近くに大きな公園があったので、散歩がてら行ってみることにした。ランニングしている人、散歩している人、ボール遊びをしている人など色々いたけれど、圧倒的に日光浴をしている人が多かった。サンドイッチを食べながらとか、ビールとワインを飲みながらとか、音楽を聞きながらとか、とにかく日光浴が日常の習慣のように溶け込んでいる感じがした。
健康的な余暇の過ごし方、それは日光浴。おすすめデートプラン、それは日光浴。家族みんなで日光浴。スキマ時間に日光浴。あなたも私も日光浴。
という感じで、とにかく晴れた日は待ってましたと言わんばかりに日光浴に勤しんでいる印象だった。

私もドイツ人のまねをしてちょっとだけ日光浴をしてみた。芝生に寝そべってただひたすらにぼーっとしてみる。が、何だか落ち着かない。このまま寝てしまったらスリに身ぐるみ剥がされるんじゃないかとか、襲われるんじゃないかとか、色々と考えているうちにじりじりと肌が焼けて暑くなってしまい、結局すぐリタイヤして木陰へ移動した。

ドイツも以前テロがあったり、物騒になっているから気をつけなければと思い、結構ビビりながらも何とかやって来た。駅にもテロを警戒して沢山の警官がパトロールしていた。

しかし晴れた日はいたるところで(打ち上げられたトドのように、ドイツの皆さんごめんなさい)ぐでーっと日光浴している。海でもないのに海パン一丁の人もいるし、全裸の人もいる。そんな平和な光景と、海外は危険だという私の認識のギャップにすごく戸惑った。

日焼けしたい、したくない

日本とか(アジアも)いかに日焼けしないように、特に女性は気をつけている人が多い。私は油断するとすぐ日焼けしてしまうので、日焼け止めをつけたり、長袖を着たり、熱中症予防のためにも日傘を使ったりする。

ヨーロッパの人は健康的な小麦色の肌になりたいと思い、アジア人は真っ白な肌になりたいと思っている。どちらも何だか、ないものねだりなんだなと思う。

人生を楽しむ大義名分として

結局初日の力の抜けた光景を目の当たりにしてしまったおかげで、少し気分的にリラックスできたけれど、だらだらと何もしない日が多い旅行になってしまった。
しかし何もしなくても、なぜだか日光浴さえしていれば、何かしなくてはという罪悪感とか焦りがスーっと消えていくような気もした。

わざわざ遠くのドイツに来ておいて、近所の公園でただ日光浴をするなんて、すごい勿体ない気がするけれど、何だか贅沢な感じもする。
しかも海とか山とかリゾートなんかじゃなく、都会のど真ん中の公園でリゾート気分を醸し出しているドイツ人って(ヨーロッパの人たち)、お金もかけずに人生を楽しむことが上手なんだなと思った。

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追記:ドイツにはFKKというヌーディズムの文化があるそうです。ヌーディズムってフランスかな?と思っていましたが、ヨーロッパ全般にありそうな文化ですよね。


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