イヤな事、ニガテな事

受験が苦手だ。
あの独特の緊張感。当人であっても、家族であっても、耐え難き苦痛の時間だ。
基本ぼーと生きてる私のような人間には、この苦痛な時間を与えてもらえなければ人生の選択について真面目に考える機会も少ないだろうから、必要な経験だろうな。
子供の頃、特に何になりたいという夢や希望も無く、そのため本気になって大学進学を目指すことはなかった。世の中にどんな職業があり、そのためにどんな学科を選択すればいいのか、知らなかった、または興味がなかった。思い込みなのだろうけど自宅から通える範囲しか選べないと思っていたし、もし選択肢があったとしても一人暮らしする力が全く育っていなかった。

娘が受験するにあたり、大学の選択についての知識が乏しく、全国のたくさんの候補からどう選んでいいのかも、正直なところわからなかった。もちろん土壇場になった今となっては多少理解しているのだが。

私は大学進学に興味が無かったから、選び方がわからないのよ、と何度も周囲の人にボヤいた。

いや、待てよ。
興味が無かったのでは無く、苦手だから避けただけかもしれない、と昨晩ふと思った。
ハードな部活動で毎日クタクタで、ろくに勉強もしなかった私が、果たして進学を望んだところで行ける大学があったのだろうか? 断念したのか、最初から試合放棄しただけだったのか、今となっては当人すら覚えてない。記憶って都合よく整理されていくのかな。

なりたい職業も無い、自宅から通学する選択肢しか選ばない、となれば地元の私立短大のどちらにするか、という2択を迫られる。姉が通ったカトリック系を選ぶのは簡単な事だった。しかも専願であればほぼ合格と言われていた。

今になってわかったことは、大学進学を選ばなかったのでは無く、受験という苦手を避ける事を選んだという事だ。だから、娘の受験が自分にとっては試練となるのだ。
苦手意識は克服できそうにないが、やればできる、どうにかなる。


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