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スーパービジョンにおける「想起」

SV(スーパービジョン)を行っている時、私の中で、
事例が「動画として動き出す」ことがあります。

面白いことに、私がそんな現象に浸っていると、
多くのバイジーはこんなことを口にします。

「今、話しをしてて、思い出したんですけど...」と。

この現象を「想起」と呼びます。
読んで字のごとく、「思い起こす」という意味。

バイジーとバイザーの間で、
事例情報が真に交流を始めたとき、
ほぼ必ずと言って良い程この現象が起こります。

・事例提供用紙には書いていないこと
・書いている時には思い出せなかったこと
・支援している時には意識していなかったこと

...そんなことを「想起」する。
それまで「意識が向かわなかったこと」に、
「意識が向かうようになる」ということです。

事例の何気ない仕草や言葉。
そんなことを、ふと...思い出すのでしょう。

「思い出す」ということは、
バイジーが、五感を通して事例の情報を
受信できている...ということです。

支援の最中は、
意識が「そこ」に向かっていなくても、
支援者は五感を通してそれを受信しています。
それをSVの最中に「想起」する。

大切な情報は、そう簡単に忘れない。
「支援者脳」のスゴイところです。

SVが深まっていくと、
「支援者脳」は浮遊していた情報に
気づき始めるのですね。

これは、「SVの本質」の1つといえます。

単にバイザーの言うことを聞いているだけではなく、
「記憶」に定着していない情報を「想起」する。

その情報がバイザーとの間で共有されると、
「対象者理解」がガラリと変わることがあります。

非常に面白い現象です。

往々にして、こういう体験をする事例には、
「動画」ではなく、リアルな事象として
「動き」が現れることが多い気がします。

今回も「想起」を体験した方が
何人かいらっしゃいました。
今後の「事例の動き」が楽しみです!


冒頭の画像は、 taketaketjさんのものをお借りしました。
ありがとうございます。