ゲームドリップ|ゼルダ史だって語りたい
ゾーラを巡るエトセトラ
はじめに
長期にわたるシリーズは、公式のご厚意によって、それぞれの作品の世界が、時間空間を超えてゆるくつなげられることがしばしばあります。それは例えば、別のタイトルで出たキャラクターがそのまま出ることや、かつてそこにあった地名が出ることや、BGMがカバーアレンジだったりすることに現れてきます。
『ゼルダの伝説シリーズ』――。
おぽのが大好きなゲームシリーズの一つで、どうしてもいろんな人と語りたい!
このシリーズはファンならおなじみの「ゼルダ史」なるものが存在しています。詳しくは遊ぶか調べるかでお願いします。
勇者リンクとハイラルの姫ゼルダが何代も渡り立場と役割を変えながら、巨悪に立ち向かう物語です。シリーズ5作目『ゼルダの伝説 時のオカリナ』を起点に3つの時間軸への分岐が現れる壮大さがミソ。
今回は1986年から続く長きシリーズの中でもちょくちょく現れる「ゾーラ族」にスポットを当てて語りたいと思います。
1|あなたはどのゾーラがおスキ?
『ティアーズ オブ キングダム』はもう遊ばれました?見ていたらご存じかもしれませんが…ゾーラ族って作中でもそろいもそろってみんな美形なんですよねぇ!言ってしまえば魚人なんですよ?頭は魚っぽいし、体はちゃんとヒレとかエラとかありますし。
ゾーラの住むエリアは大体ブルー基調で、水が豊かな土地ってパターンが多いです。BGMもハープとかマリンバとか、響きが心地ち良い楽器がメインで使われています。避暑地にもってこい。
シリーズ通してそういう透明感のある存在…
と思いきやです。ゼルダ史におけるゾーラ族をたどっていくと、割と彼らは結構、異質な存在なんです。ここからが本題。
………いやいや姿いくつあるのよ!
一口に「ゾーラ」といっても同じ姿の種族、近い魚人を指すだけではなく、完全な敵性モンスター側にも「ゾーラ」が存在します。
画像は上から、
『ムジュラの仮面』
バンド「ダル・ブルー」
『神々のトライフォース2』
ゾーラの女王の「オーレン」
『トワイライトプリンセス』
ゾーラの王子の「ラルス」
『ゼルダの伝説』
モンスター「ゾーラ」
え、公式設定がいまだ決まってないの?ではなく、明確に設定が決まっています。見分け方も一目瞭然、人型で美形なのが「海ゾーラ」、マスコット型で愛嬌があるのが「川ゾーラ」です。いや、そうまとめるてしまうと、何名か怪しいのがいますね、トトさんとかかわいげあるし。
頭部が魚状なのが「海ゾーラ」、ヒレが耳についているのが「川ゾーラ」です。
傾向から言うとシド達、『ブレスオブザワイルド』~『ティアーズオブザキングダム』のゾーラ族は「海ゾーラ」にあたります。ゾーラ川の上流にいようが、彼らは「海ゾーラ」側です。
2|ゾーラの源流を追う:
なぜこんな同じ種族で多種多様なことになっているのか?長いシリーズだし…と思ったら大間違い。毎度おなじみのゴロン族はどのタイトルでもほぼほぼ同じ姿をしています。
ゾーラ族は当然のように「海ゾーラ」の印象が強く、思っている以上に出演タイトルが多いのですが、実は「ゼルダ史」を紐解くと作品数的には大体半々なのです。
そして川ゾーラの共通点をもう少しなぞってみましょう。冒頭にあげた『ゼルダ史』のツリーはご覧になられましたか?上のリストを順々に当てはめていくとあることが分かります。
川ゾーラが出てくる作品は『時のオカリナ』で勇者が敗北したルートのみ。
勇者が魔王に負けた後の世界は、当然魔王による支配が進み、あの友好的だったゾーラたちも、敵対勢力の魔物へと変質してしまうのです。なんと。
しかし時が進むにつれ川ゾーラたちとも和解が進み、だんだんと友好的な種族になってきていることが分かります。その兆しが『神々のトライフォース2』の「オーレン」であり『トライフォース三銃士』の「ゾーラの着ぐるみ」です。
実は長い歴史の中で「川ゾーラ」と「海ゾーラ」が同時に存在している作品があります。それは『ふしぎの木の実 時空の章』。残念なことにおぽのは未プレイです…。「川ゾーラ」「海ゾーラ」を分けたのもこの作品であり、「海ゾーラ」である人型のゾーラ族たちはしっかりと文明を築いています。
なるほど、海までは魔王の支配が及ばなかったのか?明らかに海と川で生態系が変わっている以上、そんな仮説が考えられます。
さて、分岐点はわかりました。その源流、ゾーラ族の前です。
『スカイウォードソード』にのみ登場する「パラゲ族」というクラゲを羽織ったタツノオトシゴのような種族が登場します。
会話可能といいつつ、特定のパラゲ族しか会話できません。あとは大概、無口なもんです。なお注意したいのですが、公式から「パラゲ族はゾーラ族の祖先にあたりますよ~」とは言われていません。
…言われていませんが、このまだら模様とカラーリングは、時のオカリナに登場するゾーラ族との関係性を考えたくなります。
以上を踏まえてここまでのゾーラの流れをまとめると…
魔物化して二分したのが神トラ以降の世界、そのまま発展したのがトワプリ以降の世界、そしてしれっと書いた、ハイラルが海に沈んだせいで陸に上がることになった『風のタクト』以降の世界。
3|ゾーラ⇔リトのパラドクス:
妄想ではなく、作中でしっかり語られるのが、「『風のタクト』のリト族は、ゾーラ族が進化した姿」という点。
『風のタクト』のリト族、メドリを出しましたが、う、うーん…共通点??リト族は共通して比較的後ろ髪が長めです。それがゾーラ族の頭に垂れた尾っぽの名残な気もしないでも…。自信は無いものの、ゾーラ特有の高い鼻がクチバシに反映されているであろうことは割と想像できます。
ゾーラ関連の種族はここまで見てきたように一葉に語れないということが伝わっていれば幸いです。
さて、ここまであーでもないこーでもないと書いてきましたが最大の謎を投げかけたいと思います。
『ブレスオブザワイルド』の時系列はどこよ…?
ある程度想像は進められるんですが、考え出したとき、この「ゾーラ族⇔リト族問題」にぶち当たります。ゾーラから進化したのがリト族…のはずですが、『ブレスオブザワイルド』のハイラルにはどちらの種族もいる上に、リト族は完全にトリ寄りの姿です。
公式サイトを確認してみてもブレスオブザワイルド系列の作品は、『ゼルダ史』の時間軸に組み込まれていません。
となるとこのハイラルのリト族は、『風のタクト』のリト族と全く関係なさそう…なのかというと、そうでもなさそうです。リトの村の周辺、へブラ山周りの遺跡や、神殿は「船」を模しています。ついでにリト族は「風」を司る種族です。
風のタクトと関連付けられる状況証拠だけはそろっているといったところでしょうか。
ブレワイの仮説として考えられそうなのは、あらゆるタイトルのアイテムが出てくることから、「すべての並行世界が収束する世界」というものでしょうか。どのルートを通ってきても必ずブレワイの未来が待ってるという考え方です。(それはそれで辛い未来だな…。)
しかしながら、「じゃあ川ゾーラはどこに行ったのよ!?」とか「ゾーラ族⇔リト族問題解決してなくね!?」とかの疑問が残りますね…。
しっくりくる考えは、最新作『知恵のかりもの』から得られるでしょうか…?
おわりに
今回はゼルダ史&ゾーラ族というポイントで語りました。いやはや、好きなものを考えるだけでも楽しいもんですね。
公式が設定を出してきて、すべての妄想がひっくり返されるのも大スキなんです。なんなら今回建てた仮説が全部外れててほしい、とさえ思っています。
このような形で、普段はコアすぎて絶対話さないけど、いい機会だし書きたいテーマを絞って書く!といった時にこの「ゲームドリップ」というフレーズをタイトルにつけようと思います。
あ、このテーマおもしろそう!というときに読んでいただけると幸いです。ただオタクが唸ってるだけですが今後ともごひいきに。
タグには冒頭に記載した「 #推しのゲームを語る 」を使おうと思います。
ゲーム系noteにはみんなが興味のある強力なタグがないな~と感じていたため、このタグで検索すると濃い記事が集まっているぞ!という場所を作る試みです。
宜しければタグを使っていただき、ここまで読んでくださった方々の熱いゲーム語りを拝聴したい次第ですね。おぽのがまったく知らないゲームでも、コアな話って往々にして面白いので。
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