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再開、海外旅行 2

出発する3日前の日曜日に荷造りし、当日を迎える。スーツケースは前回の旅行で破損したため、今回新品だ。買ったまま、鎖国になってしまったのだ。スーツケースは二人で一個にしようか迷ったが、LCCの重量制限に引っかかっても嫌なので、出発当日にもう一つ引っ張り出した。

成田に間に合わないという悪夢を、私はかつてよく見たので、それを教訓に早めに家を出る。特に今回はLCCなので、空港は第3ターミナルだ。第3ターミナルなんて、聞いたこともない。そんなものがあることもよく知らなかった。早く出るに越したことはない。
空港第2ターミナルに着くと、いきなり第3ターミナルへの案内が出ている。どうやら第3ターミナルには徒歩で行くらしい。そう案内が表示されている。500メートル程度歩くと着くらしいが、まず屋外のバス乗り場を越えて、次に半屋内のような、簡素なプレハブ的な通路を通って第3ターミナルに向かう。これがLCCの洗礼なのだろうか、と思う。寒い時期や暑い時期ならつらい。

ターミナルは、天井剥き出しの建物で、簡素なつくりだ。早めに到着したので、21時のフライトまで時間があり、食事もしたいが、食事できるところは第3ターミナル内にあるのだろうか?
見ると、奥の方にフードコートがある。手前には大きなコンビニもある。LCC用の空港は食べ物も庶民的なんだ、と思いつつ、まずはチェックインカウンターに並ぼうとするも、チェックイン開始は18時とある。18時にはあと5分ほどあるのて、自動チェックイン機を試すも、やはりゴールドコースト行きの表示はないし、そもそも旅行会社が手配したチケットは、自動チェックイン機を利用できないのだという。
18時になると同時に、チェックインカウンターに向かったので、私たちは一番はじめの客だった。ケアンズ行きの便には人が押し寄せていたが、ゴールドコースト行きには誰も並んでいなかったので、もしかするとゴールドコーストに向かう客は少ないのかもしれない、と私は思った。
それにしても、成田空港にも日本人の姿は少ない。そもそも成田に向かう電車はとても空いていたし、わずかにいた客は外国人だった。ジェットスターのカウンターも、並んでいるのは日本人より、圧倒的にオーストラリア人のほうが多かった。ただ、飛行機に乗る人は結構多くいるんだな、と思って、なんとなく心強かった。

ラーメンと餃子の夕食を食べてしばらく休んでいたが、そういえばチェックインしただけでまだ出国していないことに気づき、先に出国することにした。出国ゲートはそれなりに混んでいて、手続きにある程度時間がかかったので、早めに移動しても時間を持て余すことはなかった。LCCの空港にも、免税店はあり、お酒とかタバコとか化粧品などの一般的なものは売っていた。ただ、第1、第2ターミナルのように、グッチやエルメスのような高級ブランド品は扱っていなかった。
ゲートの数は少なかった。私たちが搭乗する154番ゲートには大量の人が溢れていて、ゴールドコースト行きの旅客は少ないのかも、という私の期待はあっさりと裏切られた。中には修学旅行だか短期留学だかの高校生もいて、高校生は確かにLCCで十分だよね、と思った。
搭乗開始時刻を少し過ぎてから、搭乗が始まったが、事前に情報収集していた通り、機内へはタラップを使って登った。ブリッジで直接乗降するのはコストがかかるので、LCCでは使用されないことがあると読んだ。そんなところでもLCCはコストを抑えているのだと思った。
いざ機内に乗り込むと、座席が狭いので座席数が多い。ただ、むろんなんとか座れる狭さだし、飛行機自体はボーイング787だ。驚くべきことに、個人用スクリーンまである。ただし、機内エンターテイメントは13オーストラリアドルと有料だ。
ブランケットも飲み物も機内食も全て有料だし、一緒に旅行している夫と、席は離ればなれだが、それを除けば普通の飛行機とそう変わらない。値段が全然違うことを考えると、これならLCCでもいいかもしれないな、と思う。
もっとも、LCCは遅れることも多いらしい。今回は定時出発したから、そんな呑気なことが言えるのかもしれない。

21時発の夜間飛行で、なんとか睡眠を確保しているうちに、じきにゴールドコーストに到着する。約8時間半のフライトだ。
到着は翌朝7時ごろ。オーストラリアのほうが時差で日本より1時間早い(時差1時間なんてないも同然、と思っていたが、影響がないわけではないな、と今回思った。海外旅行を休んでるうちに年を重ねたせいか)。入国審査で長い行列だが、途中から有人カウンターと機械による入国カウンターに分かれる。私は機械のほうに振り分けられ、パスポートを差し込んで入国する。


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