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市民オペラに参加するということ 17

1月22日、私にとっては今年2回目の練習参加。この日の練習場所はいつもと違って、最寄駅から歩くと駅から15分くらいかかる会場だ。全く初めて行く会場だったのに、よく確認していかなかったため、会場には無事着いたものの、どこの部屋で練習するのかがわからない。仕方ないので受付で尋ねると、欅の会では練習予定が入っていない、と言われて私は焦る。どうやら登録名が欅の会でなかったらしく、それで係の人もわからなかったようだ。結果的にはちゃんと場所を教えてもらったので事なきを得たが、今度から初めての場所でやるときは、ちゃんと場所だけではなく、練習部屋まで確認してきた方がよさそうだ。

この合唱団では毎回のように、私の予想外のことが起きるのだが、この日も私の知らないことが生じた。なんと、3月に行うスプリングコンサートは、合唱団が自ら企画して行うイベントだと言うのだ。そしてこの日、私が会場に到着すると、チケットが3枚配られる。そしてそのチケットは有料で、チケットノルマがある! 寝耳に水とはこのことだ。チケットはもしどうしても余ったら、事務局に返していいとは言われるものの、私には配られたものを返すことができるような度胸はない。かといってソリストも出るとはいえ、素人の歌う歌のチケットを有料で販売するのも、なかなか難しい。オペラというのはなにかとお金がかかるのだ。

今日の指導者は代表者の奥様だ。先生は、チケットはさしあげるのではなく、なるべく買ってもらってほしい、そしてチケット代をいただくに値する歌に本番までに仕上げるのだ、という。何から何まで寝耳に水で、耳がおかしくなりそうだ。有料に値する出来に仕上げる?? 暗譜はしなくていいが、暗譜できる人は暗譜するように、とのこと。でもまあ今から暗譜と言われていれば、2ヶ月近くあるので、対処のしようはある。スピーチだって原稿を読んでいるのと見ないでしゃべるのでは、視線もメッセージの伝わり方も全然違う。歌もそれと同じだと先生はおっしゃるのだ。そして演技のような動きも少しは付けたい、とのこと。まあ言っていることはわかる。

この日は発声練習が終わると先生に、最近新しく入った人で、なにか練習しておきたい歌がある人はいないか、と聞かれた。コンサートの話をしているのだから、私も文脈を読めばよかったのだが、え、何のこと? コンサートの曲の話? それとも愛の妙薬の話? とわけがわからずポカンとする。そしたら先生が私のほうに寄ってきてくれたので、チャンス、と思ったものの、先生は私の顔を見て「あなたは前からいたわよね?」と言って去っていった。確かに私は前に一度だけこの会に在籍したことがあるが、昔からいたわけではない。最近入ったばかりだ。なぜ前からいたことになっているのか。先生は次に、最近入った高校生のところに行って、さらっておきたい歌はないかと尋ねた。しかし高校生は、全部歌えます、と答えていて、私は唖然とした。さすが音楽高校在籍生。実力が違うと感心する。

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