エンタープライズの営業とカスタマーサクセスのあり方〜IVRy、Leaner Technologiesの2社に聞く(CS HACK)

エンタープライズ企業に対する営業とカスタマーサクセスのあり方について、CSHACKにてパネルディスカッションを行い、openpageの私はモデレーターを担当しました🙌

超成長中のSaaSベンチャー企業である、IVRyさんとLeaner Technologiesさんのエース社員の方々にご登壇頂き、仕事の考えやノウハウを聞きました。

登壇者の皆様のご発表、とても素晴らしく、私は漏らさずメモを取りまくったので、ご参加出来た方、出来なかった方向けにテキストメモを共有します📝

以下、メモ
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◾️エンプラのSaaS導入は DXプロジェクトのスタート
・従業員2000名以上をエンプラの定義にしている。役員、部長、ユーザーと会話の階層が分かれるのが特徴。
・エンプラ企業は予算をつけて課題解決するうえでプロジェクトが発生する。SaaS取引するとはDXプロジェクト立ち上がるということ
・役員オーナー、部長課長いて、メンバーというプロダクトチームになることが多い。

◾️店舗を持つ企業の場合はエンタープライズの定義も変わってくる
・IVRyは自動応答のサービスで、最近、店舗系に導入されている。
・となると、エンタープライズの定義を考えるうえで、従業員規模は実は関係ない
・正社員は100名だが店舗が多い、のようなことが発生する
・店舗数に比例して複雑性が変わる
・バーチカルな攻め方をしているが、業種業界によって店舗数の考え方も変わる

◾️エンタープライズにおいてSaaS導入はあくまでスタート。ビックピクチャーを描くも、全体像は運用しなければ見えない。
・Leaner(リーナー)にとっては、エンタープライズの顧客は無限に見積もりのタイプがある
・製造業でいえば材料や金型の種類だけでも相当ある。かつ使う部門はもちろん製造部門だけでなく、すごく多い
・ある大手自動車企業で導入され、いま1年たった。導入はあくまでスタートだと思い知らされる。
・最初は大きい絵を描くが、使う部門が多すぎて、運用しなければわからないものもある

◾️エンタープライズ企業はカスタマーサクセスがビッグピクチャーを描き直す
・ビックピクチャーは、実はお客様も自社の規模が大きすぎてつかめない。
・もちろん最初に描にはするが、すり合わるうちに違ってきて、カスタマーサクセス側でもう一回、絵を描くのは当たり前にある
・自社のことを顧客も正しく理解してないことは、悪いことではなく、ファクトを聞きながら集めて一緒に形にしていく
・セールスの素案を磨きながら、カスタマーサクセスは一緒にプロジェクトの全体像を描き、1年後どこに連れていくかを再提案していく動きが求められる

◾️カスタマーサクセスが顧客と成功の登り方を掴んでいく
・セールス段階で全体像の掴むのは本当に難しく感じる
・工場数だけでもかなりある。
・企業単位でどう登っていき、最終的な企業全体のサクセスまで届けるまでのシナリオは、大手企業だとそれぞれ違う
・セールスで突破したあと、どれだけカスタマーサクセスがその登り方を顧客と掴んでいくかが成功の鍵になる

◾️課題に向かって新しい地点を目指していく
・セールスもカスタマーサクセスもゴール同じにするべき。なぜなら課題は同じだから
・カスタマーサクセスの工程を顧客と一緒になる中で、新しい地点に行きたくなるよう提案するのはセールス目線を持ってカスタマーサクセスもやらないといけない。

◾️カスタマーサクセスに求められる提案力
・カスタマーサクセスはセールスのように新しい収益、売上を提案する力は必要。ただ、クロージングは別にいらない。
・お客様の中でより価値が出そうなポイントを見つけて提案するということ
・これはセールスというより、課題解決をプロアクティブに語るだけ
・セールスというとなんな嫌だな、のイメージがやはりある。表現をこのように噛み砕くとカスタマーサクセスもセールス的な提案について受け入れやすい

◾️営業とカスタマーサクセスの違いは許容しよう
・セールスとカスタマーサクセスは仲良いとも悪いとも言われている
・それは、カスタマーサクセスが、持つスキルセットとセールスのスキルセットが違うからだと思う
・セールスのほうが提案を通すことに力点がかかるので、どうしても我が強い、意志が強いという素質が求められる
・しかし、それはKPI異なるから許容するべき
・仕事なので追うべきセールスのKPIにコミットすることは大事なのは間違いない
・非連続成長を追うために、カスタマーサクセスが変なブレーキを踏まないようにするべき

◾️カスタマーサクセスも時に営業提案の指摘をしてもいい
・KPIを追う観点では、カスタマーサクセスがセールスに、ちゃんとやってよ。セールスが仕切って提案しきってよ、と言ってあげることも大事
・ある大手顧客の提案の見積もりが甘く、価値提供に対して然るべき請求をするべきとカスタマーサクセス側で指摘したことがある

◾️セールスは言う時は言う仕事
・配慮はするけど、遠慮はするな。これは営業において重要なことだと思う
・要求する、という仕事はどうしても多くなる。
・聞くことは聞くが、言わないといけないことは言う
・ただ言いなりになるだけがセールスではない

◾️セールスはただ言うだけではなく、顧客に真摯に向き合うこと
・もちろんセールスとして、買ってくださいとただゴリゴリ言うだけでは、法人相手に売れない
・ゴールは顧客の売上を上げるか、コスト下げるかに尽きる
・お客様への利益貢献を考え、目の前の人や組織へ真剣に向き合い、価値を返す気持ちを強く持つことがセールスにおいては大事なこと

◾️営業が顧客の心に火をつけるー着火させる
・顧客の心に火をつけることを、着火と呼んでいる。
・ベンチャー企業は特に実績がない。そんな中で顧客に勧めてもらうには、営業が顧客の心に火をつけないといけない
・導入の話は顧客が着火しないと進まない
・ベンチャーと一緒に取り組むことの刺激を魅せることも営業の仕事だ

◾️エンタープライズ企業の場合は、取り組み成果を見える化して成果報告する
・導入後は、役員、部長向けの絵を顧客カルテに落とし込み、定性的な結果を◯✖️をつけて、定量成果を示し、社内で自慢できるレベルにまで取り組みを可視化するようにしている
・どう訴求すれば来期の予算が取れるのか。来期の戦略を自社の製品も絡めて考えてもらううえでは、成果報告のタイミングが重要

◾️期待値調整と目的のない受注はダメ
・セールスがダメなパスは、期待値コントロールが全く出来てない案件
・お客様が受注段階で期待値がない状態で来ると、カスタマーサクセス担当者は期待値調整から入り、疲弊してしまう
・割に合わないような案件であっても、目的が明確で、プロダクト的に機能開発したいから、まず実績を作りたいからなど理由があるのは良い
・あまり良くわかってないで、数字稼ぎで案件を取ってしまうのが一番悪い
・営業とカスタマーサクセスの連携の問題でもあるけれど、今回の契約の目的を適切に伝えることは重要

◾️営業が受注後も中途半端に入るのはNG
・営業が受注後も中途半端に入るのは、カスタマーサクセスが一番やりづらいパターン
・中途半端にはいって嫌な問い合わせだけ投げる~といった営業は最悪
・案件に手離れよくするべきで、営業が介在したとしてもしっかり役割分担をする、中途半端にしないべき