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私はビズリーチを退職して4〜5年は経つのですが、自身のキャリア形成やベンチャー経営において参考となる誇らしい企業だと思っています。在籍時代を振り返り、ビズリーチの営業がなぜ強いのかを、Business insider様の記事も拝読しながら解説します。

■ビズリーチのトップ酒井社長はMr.リクルート

酒井さんは、私ともビズリーチの入社時期が近く、リクルートの営業部門長からビズリーチへご転職された方です。
私の酒井さんの印象は、Mr.リクルート。誰に似ているかといえば、リクルートの創業者である江副 浩正さんに性格や仕事の進め方が酷似していると見ていました。

以前、ブログやYouTubeチャンネルでお話したことがあるのですが、リクルートの江副さんは小柄で、大きい声を張り上げるタイプではありません。
リクルートといえば、大柄で自信に満ちた元気な営業、のイメージがあるのですが、実は創業者の江副さん自体はそういうタイプではない、というのが、あまり知られていない特徴です。

江副さんは、自分がそういった営業に向いているタイプではなかったからこそ、優秀な社員を採用し、営業チームを鼓舞して事業を推進する、という経営スタイルでした。
ビズリーチの酒井さんはまさに同じタイプのお人柄で、酒井さん自体は、大柄ではなく声も細々としています。リクルートの企業文化をステレオタイプに捉えている人であれば、本当にリクルートの営業部長を勤めていた人なのか、それにしては随分と人が良さそうな方だな、という印象を持つでしょう。

しかし、これはリクルートの江副さんも、ビズリーチの酒井さんも同じ特徴なのですが、腹の奥底には強い野生と知性が眠っており、やると決めたら絶対に成功させる担力を感じます。
リクルート創業者のDNAを引き継いだ、本当の意味でリクルートらしい経営者というのが私の酒井さんへの心象です。

そのため、ビズリーチではリクルートにも近い、ヨミ表文化や表彰文化は受け継がれており、いかに営業社員を鼓舞するかに焦点を当てたマネジメントをされています。
私は、たまに不思議に思っていて、「今日の酒井さんの話って、営業を鼓舞しているだけなのでは?(営業の施策とか、そういう話を全くしてなかったんじゃないか?)」と思う会が、相当な回数を経験しました。

しかし、その分、ビズリーチの営業の士気はどの会社よりも高く、こんなに高いモチベーション、達成意欲、やり切る気持ちを強く持って仕事に挑んでいる営業組織は、なかなか無いなと思わされました。
ビズリーチの営業マネジメントは、社員が優秀であるということを前提に、高い士気を鼓舞するモチベーションマネジメントが多くを占めていたと私は分析しています。

■多田さんはビズリーチ社員のペルソナとなる存在

酒井さんの前に代表を勤めていた多田さんは、かなりタイプが違います。
多田さんは、自分こそトップセールスマンなのだと言わんばかりの、ジャパネットたかたも驚く軽快なトーク力が売りの方です。
自分が圧倒的な数字を作り、その仕事への姿勢や執念を周囲の社員が見ることで、多田さんのように頑張らなきゃ、多田さんのような凄いセールスマンに自分もなりたい、と、人を引っ張っていくタイプでした。

松下幸之助さんの本をよく読んでおり、日本企業の社長様が好みそうな、日本企業の戦略論や武将の話を真摯に語るような、勉強熱心の側面もあります。
そして、計器経営だと、細かく業務目標をKPIとして立てて、絶対に立てた目標を守り切ると、心を鬼にして自他共に数字達成のお尻叩きをするような、厳しい方でもありました。
エンジニアとの会話には苦手意識を持っていたようなのですが、多田さんなりに従業員理解に努め、新しいテクノロジーのトレンドにも追いついていくぞと、真面目なお人柄だった印象です。

この企業文化はビズリーチの社員のペルソナにかなり近いです。ビズリーチのマネージャー陣の多くは多田さんに育てられています。
絶対に目標を達成する、数字目標を厳しく守る、真面目に勉強をして真摯に提案をする。
ビズリーチの営業社員はこの多田さんの仕事の姿勢を受け継いだ方がかなり多くいて、私も、「こんなに厳しく営業目標を追うのか…」と意欲の高さに初めは驚かされていました。

この多田さんの仕事への厳しい姿勢を学んだビズリーチ社員が、酒井さん体制となった今もその姿勢を崩すことなく、酒井さんの鼓舞により更にパワーを上げている。

それがビズリーチの営業の強さの秘訣で、戦略やテクノロジーというよりは、営業パーソンとしての日本企業でもトップクラスの高いモチベーションや目標達成意欲に優位性があると私は思っています。

■南さんはビズリーチの宇宙人

じゃあビズリーチの創業者の南さんはどうかと言うと、多田さん、酒井さんとはまた更に全然違った人柄や仕事のスタイルです。

まず南さんは外資系金融の出身なので、南さんの強みは数字です。ビズリーチは、酒井さんが入社したときに驚いたというくらい計数管理がなされた会社です。リクルートよりやってるかも、、と話題になったのも覚えています。

ビズリーチはTVCMの取り組みが有名なのですが、TVCM施策時の営業マーケティングのシュミレーション、数値モデルは外部の方が想像する50倍くらい入念に作られていました。

そんな緻密な計数管理は、おそらく後天的に南さんが学生や社会人のときに叩き込まれたもので、南さんの性格自体は根明でハングリーです。

エレベーターで会うと、「今週のジャンプ読んだ?」「今晩は焼肉行くの?俺も行きたいな〜」と、驚くほどフランクに話しかけてくれます。
しかし、仕事の話になると、目の色を変えて、まるで外国人のようにビシビシ、ストレート、キリッ、といったイメージに大きく変わります。この緩急の差が、不思議な人だなと私がいつも思っていたところです。

そのため、ビズリーチの社員は数字の強さ、ユーモア、本気スイッチのようなものを持っている社員が多いです。

また、これは南さん特有の仕事術ですが、社会や技術と新トレンドにとにかく早くキャッチアップしようとされます。
私も関係する、SaaSやカスタマーサクセスの話が出てたのは、2015年前後だったと思います。HRtechツールであるHRMOSの事業開発をする際に、海外のSaaS投資家とも相当数の情報交換をされており、国内の経営者の中でもかなり早くSaaSのKPIに関して把握に努められていた記憶があります。

ビジネスのフレームワークやトレンドへの情報収集も早く、OKRやスクラムなど新しい仕事術はいち早く自社で取り入れて回してみる、ということを積極的にされていました。
社員が知らない情報を次々と仕入れて、ユーモアを混ぜながら周りをポカンとさせる姿は、まるで宇宙人のようでした。

■ビズリーチの営業の強さのまとめ

南さんが最先端の戦略や仕事術をインストールして自社で試し、多田さんの真面目さで目標達成に勤しみ、酒井さんの鼓舞で営業組織のやる気を最大化させる。数字の強さ、ユーモアさ、数字を追う胆力を持った営業社員たち。

これがビズリーチの営業の強さの秘訣であり、トップに感化された営業パーソン一人一人の営業力が強いのです。

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