(セールステック)Zoominfoに代表される「セールスインテリジェンス」が営業の成約率を高める
セールスインテリジェンスというセールステックカテゴリ
・アウトバウンド営業(わかりやすく言えばテレアポや手紙などの新規アプローチ)のときに使うセールステックツールとして、セールスインテリジェンスというカテゴリも流行り出している。
・法人企業の大規模なデータベースを保有していることが特徴だ。
・単にデータがあるだけではなく、営業アプローチにおける成約確度を高い営業リストを吐き出すようなことをする。
・日本でいえばFORCASが近しい。Sales Markerのようなスタートアップ企業も登場している。
セールスインテリジェンスのリーダー企業Zoominfo
・セールスインテリジェンス分野で有名なのはZoominfoだ。2020年に上場したので感度の高いビジネスマンは耳にしたことはあるはず。
・Zoominfoは担当者に直接繋がる連絡先情報を持っていたりする。会社の代表番号ではなく個人の連絡先なので、営業からすれば喉から手が出るほど欲しい情報だ。
・そのような希少な情報を持っているうえで、見込み顧客になりそうな営業リストを自動的に生成する。自社のリストとデータが紐付いていれば、メールの開封率やサイトの滞在時間なども加味してリフト化する。
※ちなみにWEB会議システムのzoomとは無関係だ。
セールスインテリジェンスツールのインテントデータ活用がBtoB取引において急拡大している
・米国では法人営業のインテントデータの活用が注目されている。
・インテントデータとは、顧客の行動の意図を推測するようなデータである。
・米国では62%の企業が、Zoominfoを含めてひとつ以上のインテントデータソリューションを利用している。実は結局流行っているわけだ。
・この領域の製品導入は2010年代後半から拡大し続けている。
・データから購買意欲の高い顧客を初期の段階で見つけることができるので、タイミングを見計らってのアプローチができる。顧客に合わせてアプローチができるため、結果的に成約率が上がる。
Zoominfoは米国の大手企業も積極的に活用している
・Zoominfoは90%が米国の顧客。つまりアメリカでめちゃくちゃ流行っている。
・そしてACV(1社あたりの年間売上)が10万ドル越えの顧客が34%も占めている。つまり大きな営業組織を持つ会社こそ積極的にZoominfoに投資をして、営業リストと営業アプローチのレベルアップを図っている。
・Zoominfoが差別化として謳っているのはネットワーク効果によるデータ強化。ユーザーが増えるほどデータがリッチになる。つまり、みんなが更新して使っていくほと、その中心にあるZoominfoは売れる営業リストになっていくわけだ。
セールスインテリジェンスの活用方法
・組織図、組織内のコンタクト情報(役職と氏名)、競合状況、利用してるクラウドサービス、最新のニュースなどがまとまっている。
・そのため、法人営業において開拓したい顧客に対しての商談の進め方の検討に用いることができる。
・Salesforceのアウトバウンド営業のアプローチをするBDRチームに聞いても、新規の営業時にはかなり丹念に情報を調べている。四季報や業界地図などを見て、業界の商慣習なども丁寧に調べたうえで1to1の提案情報を整理し、個社に合わせた営業をしているようだ。
・単に営業リストを作るというよりは、セールスインテリジェンスと呼ぶくらいなので、蓄積されている情報を元に丁寧に営業活動をする、という観点でも用いることもできる。
openpage藤島のセールスインテリジェンスへの感想
・一見、単なる営業リストツールに見えないこともないが、営業リストの保有している情報が本当に営業活動に役立つもので、受注に寄与しやすいのであればかなり効果的なはず。
・顧客側にとっても、いたずらな営業活動は迷惑なはず。ある程度自社の状況を調べてからアプローチしてほしいはずだ。
・企業活動においてもトレンドや投資のリズムのようなものがあり、いまはこの領域に注力するといった戦略分野がある。これをインテントデータとしてZoominfoのような会社が読み解き、うまく営業担当に告知出来たなら、営業活動が双方スマートになるだろう。
・一方で、単に受注しやすいリストを上位表示したテレアポリストになってしまい、同じトークで上から順番にあたってくような営業の使い方をすれば、もっと安い営業リストツールを使うという話になってきそうだ。実際にZoominfoも安価な新興サービスに一部リプレイスされ始めているらしい。
・このようなツールを有意義に使いこなすには、インサイドセールスのBDR側(アウトバウンド側)の営業育成や営業ルールもセットで固めるという話も必要になるだろう。