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アウトバウンドでもアポ率10%を実現、インサイドセールスのアウトバウンド戦略を360度からカバーする「zoominfo(ズームインフォ)」を使ってみた結果

こんにちは。

以前、しげのさんのnoteで「zoominfo」(ズームインフォ)に関する情報を見つけたのですが、Brazeで「zoominfo」を利用していたので、実際に使ってみた結果を書いてみます。

インサイドセールスを経験した方であれば、誰もが「アウトバウンド」の壁にぶつかったことがあるかと思いますし、特にBDR(Business Development Representative)はアウトバウンドを主体として、メールアドレスや携帯番号などのコンタクト情報がない状態でのアプローチすることが多いかと思います。

今回は、コロナ時代のインサイドセールスの最大障壁とも言える「アウトバウント」の活動を効率化し、新規でターゲットアカウント開拓を加速する「zoominfo」のテクノロジーについて、実際に使用してみた所感やインサイドセールスにおける使いどころを紹介します。

「zoominfo(ズームインフォ)」とは

「zoominfo」(NASDAQ: ZI)は、世界中の20,000社以上の企業に利用されているGo-To-Market Intelligence Solutionです。「Go-To-Market Intelligence Solution」という名前は聞き慣れないかもしれないですが、一言で説明すると「*メールアドレスや電話番号を含めたコンタクト情報の取得サービス」です。

*注意:「zoominfo」はもっと違う機能や使い方もあるのですが、今回はメインでこちらの機能について紹介します。

「zoominfo」は元々はDiscoverOrgという企業でしたが、2019年にビジネスユーザー向けのコンタクト情報のプロバイダーであるZoom Informationという企業を買収し、それを期に社名をZoomInfo Technologies Inc.に変更しています。

CRM(Customer Relationship Management)、Sales Engagement、マーケティングオートメーション、タレントマネジメントなどのさまざまなテクノロジースタックに統合することで、営業やマーケティング組織の生産性向上や組織の成長に貢献するツールとして有名です。

「zoominfo」は2020年最大のIPOを記録

「zoominfo」は、6月4日にアメリカの株式市場に上場、初日の終値が初値の62%高となり、同規模のIPOのなかでは、ここ10年で最大の初日上昇率を記録しました。

2021年6月末現在、204億ドルの時価総額を誇るクラウドソフトウェア企業となり、昨年(2020年)の売上高は4億7,600万ドルで前年比62%の増加です。飛躍的に成長しているクラウド顧客管理システム「salesforce」を超える成長率として注目を集めています。

「zoominfo」でできること

「zoominfo」でできることは、マーケティングや営業、カスタマーサクセスの観点でさまざまあるのですが、今回はインサイドセールスの観点で利用できそうな機能を3つを紹介していきます。

・ターゲットリスト作成
・ヒアリングのヒントになるアカウント情報を取得
・テクノロジー連携した顧客エンゲージメント

また、「zoominfo」の利用用途がデモ含めて詳細に説明されている動画があったのでこちらもご覧ください。

・「zoominfo」でできること①|ターゲットリスト作成

売上、従業員、業界、利用ツール、競合サービスの導入履歴など、300程の要素からターゲットセグメントを作成可能です。

自動機械学習を導入して、3,800万件のデータソース(企業のWebサイト、ニュース記事、SECファイリング、求人情報、etc)を常にスキャンして、業界、場所、収益、コンタクトなどに関する情報を取得します。

Japanだけでセグメントすると56万件のコンタクト情報が検索できました。(2021年9月現在)

参考)「zoominfo」公式HPより
Go to Market with Hyper-Focused B2B Data
https://www.zoominfo.com/solutions/contact-company-search
Information without innovation is just data
https://www.zoominfo.com/our-data

・「zoominfo」でできること②|ヒアリングのヒントになるアカウント情報を取得

Webサイトを閲覧しながら、組織図や組織図内のコンタクト情報(氏名や役職 etc)、Similar Company(競合企業)、利用しているクラウドシステム、直近のニュースリリースなどが1つの管理画面に集約された状態で閲覧できます。

また、Chrome拡張機能をインストールすれば、Chrome上で企業HPを閲覧しながら前述した情報を確認することができます。

さらに、企業HPだけでなく、LinkedInの各コンタクト画面上でもChrome拡張機能を利用し、電話番号やメールアドレスなどのコンタクト情報を確認することができます。

アウトバウンドの1つのチャネルとして、LinkedInを利用している方は多いかと思いますが、LinkedInからメッセージを送信する以外で直接アプローチする手段を見つけることができます。

・「zoominfo」でできること③|テクノロジー連携した顧客エンゲージメント

見つけたコンタクト情報をすぐに「Outreach」や「Salesforce」などの営業支援ツールにデータ同期させることができます。

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例えば、「Outreach」にエクスポートする際、同時にシーケンスを発火させて、コールタスクのフラグ立てやSalesforceに活動履歴を登録することが簡単にできるため、アウトバウンドの活動履歴や結果を効率的に蓄積することができます。

「zoominfo」の価値

また、「zoominfo」を実際に使ってみたビジネス価値について書いてみます。

日本では少し違和感があるかもしれないですが、「zoominfo」は企業情報だけでなくメールアドレスや電話番号、LinkedInアカウントなどのコンタクト情報を取得できることが一番の価値だと思います
*もちろん、GDPRに準拠した営業やマーケティングで利用できるデータです。

参考)Your Guide to the GDPR: A Comprehensive FAQ
https://blog.zoominfo.com/gdpr-guide-faq/

アウトバウンドの意義は、自社サービスに親和性が高い、または市場や会社成長へのインパクトが大きい企業に早期にアプローチできることだと思います。一方、アウトバウンドは非常に労力が必要なアプローチ手段でもあるため苦手意識がある方も多いはずです。

「zoominfo」は、ターゲットアカウントの開拓に必要な情報をすべて閲覧・抽出することができますし、さらに他のマーケティング&営業支援ツールと連携することで、非生産性的になりがちなアウトバウンドの活動を非常に効率化することができます。

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・「zoominfo」の価値①|ABMに必要な情報取得とアプローチの効率化

従業員、売上、業界など、ABM(Account Based Marketing)に必要な情報を取得でき、最も自社サービスと親和性が高い企業の条件に合わせてリスト作成することができます。

日本だと、FORCASで近しいことができます。比較すると、FORCASの方が日本における企業情報のカバー率や情報精度が高いですし、逆にFORCASはコンタクト情報を抽出できないため、いまの会社ではFORCASと「zoominfo」を併用しています。

また、「zoominfo」の検索条件を保存しておくことで、検索条件のリストをすぐに呼び出したり、リストにコンタクトが新規で追加された際にアラート通知することができます。

例えば、「競合のクラウドシステムを利用している」という検索条件を保存しておけば、コンタクトが新規で追加されるとメールでアラート通知が送信されます。

参考)契約プラン的に利用できていないですが、ICP(Ideal Customer Profile)をAIが自動で抽出する機能もあるようです。
https://www.zoominfo.com/solutions/ai-icp

・「zoominfo」の価値②|キーパーソンの発掘

インサイドセールスや営業をしている方であれば、「いかにキーパーソンに接点を持つか」を常に考えていると思います。

キーパーソン (key person)
任意の組織、コミュニティ、人間関係の中で、とくに大きな影響を全体におよぼす、「鍵となる人物」のこと。
*出典:ウィキペディア(Wikipedia)

「zoominfo」では社内の影響力や商談において鍵となる人物かどうかは把握できないのですが、部署名や役職、個人名やWeb上でよく一緒に使われているキーワードなど、検索条件を指定したコンタクトを検索ができるため「キーパーソンになり得る方」を発掘することができます。

・「zoominfo」の価値③|テクノロジー連携した活動記録の蓄積と顧客アプローチ

「zoominfo」で検索したコンタクト情報は、「zoominfo」の管理画面から「Salesforce」などの顧客管理システムに*同期、「Outreach」からシーケンス発火させることで簡単にメールを送信することができます。

1回目にアプローチしてから放置されがちなアウトバウンド活動ですが、「Outreach」と連携することで2回目、3回目のフォローが抜け漏れなく実行することができます。

*「zoominfo」で検索できるコンタクトのなかにはメールアドレスを含むもの、含まないものが混ざってますが、メールアドレスがある方のみを絞り込みして「Salesforce」「Outreach」にエクスポートできます。

「zoominfo」が活用できるユースケース

どんな場面で「zoominfo」を活用できるのか、いくつかのユースケースをサンプルとしてご紹介します。

ユースケース①
自社サービスと親和性が高い「ターゲットアカウント」のリストを抽出したい、またアカウントだけでなく、コンタクト情報(氏名、部署、メールアドレスなど)を含めてリスト化したい。

▼手順
「zoominfo」内で条件指定した検索

検索条件から抽出したリストを保存、アラート設定

リストをSalesforce同期 or ExcelでExport

リスト完成

ユースケース②
ターゲットアカウントごとのキーパーソンを明確にしたアプローチがしたい。また、すでに進行している商談の窓口がキーパーソン気質の方ではないため、他の部署や別コンタクトに対してパスを構築しておきたい。

▼手順
・Googleから企業HPを検索、閲覧
 ↓
・Chrome拡張機能のボタンからアカウント情報を分析
 ↓
・組織図からキーパーソンになり得そうなコンタクトを発掘
 ↓
・利用ツールや最新ニュースなどを把握しながらコール or メール
 ↓
・コネクトしない場合は「Outreach」に保存して後追いフォロー

ユースケース③
アウトバウンドのアプローチを企業属性やコンタクト情報に合わせて個別にカスタマイズしたい。ただ、1社1社のカスタマイズは効率が悪いので、業界や利用ツールなどのセグメントに合わせてメッセージを出し分けたい。

▼手順
・競合ツールの利用ユーザー or 業界などの検索条件を指定
 ↓
・検索結果のコンタクトを選択、「Salesforce」にエクスポート
 *ボタン1つでコンタクト情報を「Salesforce」に同期できます。
 ↓
・「Outreach」にもエクスポート
 *一度、「Salesforce」に同期しておくと、アウトバウンドの活動記録を自動で登録できます。
 ↓
・企業属性(利用ツール or 業界 etc)に合わせてカスタマイズした「Outreach」シーケンス発火
 ↓
・「Outreach」が自動で未来のTaskを設定、後日のコールやメールによるフォローを実施

「zoominfo」で実現した成果

まだ使い始めて1ヶ月程と間もないですが、徐々に成果が出始めてます。現在のところ、送信数に対して約10%程のアポ率なので、通常のアウトバウンドと比較してパフォーマンスは高いです。

以前、企業HPの問い合わせフォームや代表番号宛にコールドコールをしていた際は、アプローチ数に対してアポ率2〜3%程であれば良い方だったので、シンプルな数字だと生産性は5倍近く高いです。

▼「zoominfo」を利用した成果 *「リスト:成果」
・特定企業(○○株式会社):送信12件、返信1件、アポ1件、アポ率0.83%
・小売業界:送信8件、返信1件、アポ1件、アポ率12.5%

本記事のまとめ

日本ではあまり馴染みがない「zoominfo」ですが、アウトバウンドのアプローチを行う際には使いどころがたくさんありそうです。

▼「zoominfo」サービスについての所感と使いどころ
・簡単に電話番号やメールアドレスなどのダイレクトにコンタクトが取れる情報を取得できるため、手紙送付や代表電話へのコールドコールよりも確実にメッセージを届けやすい

・「Outreach」のシーケンス連携すれば、フォロー漏れや遅延リスクを防ぐことができ、アウトバウンド活動における開拓効率を上げやすい

・ターゲットアカウントの検索条件を保存しておき、新規で追加されたコンタクト情報をすぐに検知、インサイドセールスがアプローチできる

「zoominfo」については、まだ活用しきれていない機能や、良い活用方法などがあると思いますので、ぜひ詳しい方がいれば情報交換させてください!

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