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【PTA夜話】PTAの「免除ルール」と「根回し」、どっちがいいですか?

職場で「子供が学区外の中学に行きたがっている、仲のいい友達と同じがいいって……そんな理由で学区外の申請をしていいものか……」という話を聞きました。こういう時に思うのは「そのお友達が“こちら側”の学区に来てくれるという選択肢はないの?」なのですが、小6だもん、お友達グループで自分だけ学区外とか、少数派だと言えないよねえ。「こっちの学校のほうが校舎が新しいよ!」とか「制服がかわいくない?」なんて、勧誘してみたりして……。

そんな話をしたその日の夜、しみじみと思い出したのは自分の子どもが小学生だったときのこと。特に、PTAの本部役員をやったときのことです。自分のような端役でも「PTAを免除してもらえないか」という相談をされることがありました。今でこそ、PTAは任意加入という認知が高まっているものの、多分地域によるでしょうし、主義を貫き通すのって相当な胆力が要るものです。下半期になって“後継者(あるいは中継ぎ)”を探す時期にアンケート用紙を配ると、免除希望者はもっと増えます。「持病があるので……」「家族の介護をしているので……」「下の子がまだ0歳児なので……」「シングルペアレントなので……」自分の頃には「仕事があるので」はなかったけど、昔はきっとあっただろうな。PTAは大変ではあったけど、無報酬だとか仕事の多さ細かさよりも、こうした、PTAをやっていなければ知りえなかった他人のプライバシーに接する機会がぐんと増えるのが一番の重みだと思います。守秘義務の誓約書を作ったほうがいいんじゃないかと思うくらい。(それはそれで、こうしてnoteを書いている自分へのブーメランではあるなあ……気をつけなくては。)

「免除ルールなんてなくても、それぞれ事情があるんだからお互い様、出来る範囲でやっていこうよ」というのが自分の考えだったので、相談してくれた人にはそうお伝えしたのですが、それはその人のお人柄がよく人付き合いも(私なんかよりはるかに)うまくできるタイプで、事情を理解してもらえるだろうから言えた、というのはあります。でもそういうコミュニケーション力のある人でも免除ルールを作ってほしいと言うくらい、「理解を求めること」って大変なんですよね。

これが、日本語は必要最低限でやっている外国の人とかになると、もう「こういう事情があるので……」みたいな根回しをすることは殆どありません(※もちろんやる人も沢山います)。6年生になるまで“ノルマ”をやってなくて、本人不在でとりあえずメンバーに入れられ、ミーティングや活動に来ないし、連絡しても応答はなく……。6年生になる頃にはあらかたの人がノルマを終えているので、上の子で経験のある人や一人っ子だから完全燃焼しようみたいな有志の人たちが集まり、そこに「単発の活動ならやれるよ」というボランティア勢が加わることになります。

誰かと協力して難儀な仕事に取り組んだ経験や記憶っていいもので、PTAはある種の「部活体験」だと思うのですが、もちろんその部活に入りたくない人も多いわけで。あ、PTA自体の是非はここでは置いておきますね。その枠組みがあって、その中に入らない、その選択は今ではもう“自由に”できるので。
だから、今の時代は「ゆる部活」があるみたいに、“免除”を誰かに頼まなくてもいい、「ゆるP」があってもいいんじゃないかなと思っています。もちろん、その一方で「ガチP」をしている人たちがいることも念頭に置いたうえで、感謝を強制されることもなく。

そんなことを思う、金木犀の香りの季節です。


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