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ダリがある福島の美術館【感想】

諸橋近代美術館


福島県、北塩原村に、サルバドール・ダリの本物の作品をたくさん所蔵している美術館がある。

壁くらいある絵画や、大きな像も所蔵されている。

他の芸術家さんの作品も一緒に並べられている。


率直な感想は、みんな好きなように自由に表現してて、こんなもんでいいのか、と思った。

いわゆる現代アートの抽象表現で、子供の落書きや工作みたいな作品もある。

自分に完全に理解できるとは言わない。

むしろ、どれだけ周りから評価されて高尚に扱われようと、表現する側のやりたいことや思いは、学生だろうが素人だろうが子供だろうが、大差ないと感じた。


私がいつも気になっているのは、評価されて売れる人と、そうでない人の違い。

今回の展示を見て気付いたのは、技術力の違いだ。

ダリさんと、あと他の芸術家さんもそうだが、塗りムラとかはみ出しとか一切なく、とても丁寧で緻密な作りだった。

子供の落書きみたいな作品を、素人がそれっぽく作ろうと思えば作れるだろう。

ただ、近くでよ~く見てみると、評価されている人の作品は、細かい所までこだわり抜いて作られている。

それは、その人が表現したいことへの執念なんだと思う。

線の一本一本や図形のバランスなんて、言ってしまえばどうでもいいものだが、そんなこだわりが一つ一つ重ねられているから、見る人が無意識に感動するような作品に仕上がるのだろう。

また、技術力のある人は、例えば木を描きたいときに、見る人が木だと認識できる絵を描ける。

ダリさんの絵は基本的にとても上手で、宝石や貴金属、物や肌の質感も、間近で見てもそれと分かるくらいにお上手だった。

写実的に上手なことがスゴイと言うより、技術があれば自分の表現の幅が広がる。

また、ダリさんは一つの作風、雰囲気だけでなく、様々に変化できる。

伝統的な西洋絵画のような作品もあれば、中二病の男の子が描くような錬成陣もあった。

表現したいと思い立った時に、見る人がそう見えるような技術力や、雰囲気作りの知識を身に着けていることが、ただの閃きよりも大事なのかもしれない。


それにしても、現代の若い人も好きそうなオシャレでカッコイイ雰囲気だったので、見に行く価値はあると思う。

米津玄師や劇団犬カレーも、ダリの雰囲気に似てると感じた。

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ケーキセットはまあまあ美味しかった。

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広い綺麗な庭園を歩けるのだが、黒い蛇とアシナガグモを見つけた。

黒い蛇は本物なのか作品の一部なのかよく分からない。

アシナガグモは本物。

曇りで寒かったけど、建物の少しダークな雰囲気に合ってて良かった。

冬は閉館するので、訪れたい方はお早めに。

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