早稲田の杜金管合奏団の演奏会の感想

早稲田の杜、金管合奏団、略してワセキンです。

第5回、奥州市特別演奏会を拝聴してきました。

この特別演奏会は、東日本大震災の復興支援のために開いてくださっているそうです。

ただでさえ庶民はふれあう機会の少ないクラシックのコンサートを、無料で聴かせてくださるというのは、とてもありがたいことです。

しかも今回は、NHK交響楽団など、そうそうたる経歴を持つ音楽家の多戸幾久三さんを指揮者に迎えての演奏でした。


☆金管楽器と打楽器だけの編成にもかかわらず、常に音の衝撃と振動を感じるような、壮大で迫力のある演奏でした。

私はクラシック曲の生演奏をあまり見たことがなく、テレビで見てる時みたいに眠くなるものかと思っていましたが、生演奏は耳で聞くだけでなく、体全体で音の衝撃を楽しめるものでした。


☆基本的な編成と定位は、

向って左側がトランペット、フリューゲルホルン、トライアングル、シンバル、グロッケンシュピール、ウインドチャイムなどの高音の楽器、

右側がチューバ、トロンボーン、大太鼓、ティンパニーなどの低音の楽器、

中央あたりがホルン、ユーフォニアム、小太鼓などでした。

また、ジャズ曲の時は左側にドラム、ブラジル曲の時はコンガなどの様々な打楽器、時代劇などの曲の時はヴィブラスラップや鉦を登場させるなど、変化に富んだ面白い構成でした。


☆特徴的だったのは、トロンボーンが4~5人ほど前面にズラッと配置され、迫力を出していました。

また、原曲はサックスで吹くパートをフリューゲルホルンで吹くなど、この時しか聴けないような編成もありました。

トロンボーン5人に打楽器など、面白い編成もありました。


☆他に生演奏の良かった点は、金管楽器だけなので、全体が照明を反射してキラキラ光っていて綺麗でした。

全員が黒の衣装で統一していたので、より金属の光が引き立っていて、黒と金のコントラストが見た目にも格好良かったです。


☆私はDTMの打ち込みを学んでいるので、打ち込みの参考になる部分を探しながら聴いていました。

まず、楽器やパート、吹く人数での音量の差が、生演奏だとどれくらいあるのか気になっていましたが、大ホールの響きの中で聴くと、それほど大差ないように感じました。

当然、強調するために強く吹けば音量は大きくなるし、出だしなどでわざと弱く吹くときは音量も小さくなります。

しかしそれ以外の部分では、はっきりした音量の差は聴き取れませんでした。

大ホールの響きが強いせいなのか、演奏者の技術が高くて足並みが揃っているためなのか、理由は知識不足で分かりません。

ただ、ソロで吹いてはっきり聞こえる音量と、複数人が吹いて重なった音量が意外と大差ないことは、DTMのレベル調整で活用できる気がします。


☆また、金管楽器だけだと、なんとなく音がキンキンするような気がしました。

木製の楽器のくぐもった音が入らないからでしょうか。


☆また、生演奏での余白がどういう感じなのか気になっていたのですが、基本的に演奏者自身がノリノリで演奏しているので、余白も自然とリズムよく入っていました。

吹奏楽だからなのかクラシックだからなのか分かりませんが、いわゆる白玉でずーっと音をかぶせている感じではありませんでした。

赤絵細描のときもそうでしたが、余白も作品の一部として考えて、リズムよく入れるとより良いものができる気がします。


☆また、人が鳴らしているブレや揺らぎを、思っていた以上に感じました。

この「人が鳴らしてる感」がいい味を醸し出しているんだろうけれど、あまりにブレや揺らぎが大きすぎると、ヘタっぽく聴こえてしまいます。

この辺の微調整はちょっと難しいので、DTMはDTMらしくした方がいいのかな~とも思いました。


☆ちなみに、私は視力が悪いのでステージに近い席に座りましたが、出演者が動くたびにホコリが舞って咳が出ました。

気管が弱い人はステージから離れた席の方がいいようです。


☆最後に、時代劇の曲や、テレビで流れていた有名な曲など、田舎のお年寄りも楽しめるような演出になっていて良かったです。

ワセキンと協力者のみなさん、ありがとうございました。