葬儀の裏側 知らないだけで損をする カモられないためにどうすればいい?
はじめに
葬儀社は葬儀にまつわるサービスを喪主のサポートをする形で全方向的に取り仕切るサービスを提供する会社です。
そういう商品なのですから極力多くの利益を上げようと思うのは当然です。
人がなくなってから諸々の手配をして火葬するまでには多くの書類が必要ですし、搬送やご遺体の状態を保っておくのも個人では難しいのが現状です。
書類関係、菩提寺との連絡、弔問客への対応、式に関する全般のこと、四十九日まで、またその先のお墓やご位牌に関すること、香典返しにまつわることも望めば非常に多くのことを請け負ってくれる、それが葬儀社のサービスです。
とはいえ、民間企業である以上、収益をあげて会社を維持存続させ、利益を出さなければなりません。
通常何かものを買う場合、買い手はある程度知識を入れてから物を買うことができます。
例えば冷蔵庫を買おうとした場合、ネットで事前に調べて大きさや性能、値段の比較ができますよね。
その上で売り場の営業マンと話をして値下げ交渉をしたりも出来ます。
しかし葬儀の場合、この状況はまるで違うのです。
相手は百戦錬磨の営業マン、葬儀のことを知り尽くしている猛者です。
かたや客になる喪主は、喪主になるのが初体験という人がほとんどです。
精神的にも動揺して混乱していて、正しい判断がしにくい状況です。
赤子の手をひねるように葬儀社の営業マンの意のままにならないためには、事前の情報収集とある程度の方針を決めておく必要があります。
この本は何かあったときよりも先に、いったいどういうことが起こるのか、どういう点に気を付けて物事を決めていけばいいのかの知っておくための最低限の知識を得てもらうための本です。
ところどころに実際にあった驚きのエピソードも交えながら、何かあったときに困らないための知識をつけていきましょう。
まず知っていていただきたいのが葬儀にまつわる一般的な流れです。
何も知らないと何を基準に何を選んだらよいのかわかりませんよね。
次の表を見てください。
黄色になっている部分が葬儀社が請け負う部分です。
かなり多岐にわたっているのがお解りいただけると思います。
そして、黄色の部分をどのような規模で行うのかを決めるのが喪主です。
当然お金の絡んでくる話ですので簡単に決めることはできません。
また葬儀費用を誰が出すのかといった問題も出てきます。
しかし、そうそうのんびりと決められないのが葬儀にまつわることなのです。
ある程度の方針を決めておいて後々困らないためにも是非この本を活用して知識を入れておいてください。
はじめに
第1章 様々な葬儀のスタイルと流れ
■一般的な葬儀
■家族葬
■一日葬
■火葬式
第2章 病院からの搬送から費用は発生している
■病院はご遺体を長時間預かってくれない.
■出来るだけ事前に葬儀社の情報は集めておこう
■誰が喪主になるのか どういった具合で話が進むのか
■喪主は一番関係性の近い人がなる 男性優先
第3章 喪主が決めること
■一人で決めるのが厳しかったら助けを借りよう
■葬儀の日程が決まったら
■呼ぶ人の範囲を決める
■祭壇をどうするか決める
■骨壺を決める
■棺を決める
■霊柩車のランクを決める
■花をどうするか
第4章 葬儀費用はだれが払う
■故人の銀行口座は銀行側がその事実を知った時に凍結される
■葬儀にかかる費用
第5章 葬儀社と周辺で仕事をする人たち
■葬儀社の中の人
■業界のルールが難しすぎる
■関連業者の人々
■火葬場の料金
第6章 納得のいく葬儀にするために
■圧倒的に葬儀に触れる機会が減った現在
第7章 葬儀の後にかかるお金
おわりに
第1章 様々な葬儀のスタイルと流れ
まずは葬儀にどんなスタイルがあるのかを知っておきましょう。
どういったスタイルを選ぶかによって費用は桁違いに変わってきます。
自分たちにあったスタイルを決めておいて、その中で何を選ぶのかが大切になってきます。
■一般的な葬儀
一般的な葬儀は
搬送→安置→通夜→告別式→火葬
ざっくりですが、こういった流れになります。
一般の弔問客も来る想定での式です。
その中には様々なオプションがあります。
湯灌や枕経などもその中に入ります。
この本ではこのスタイルを中心に取り上げていきます。
■家族葬
搬送→安置→通夜→告別式→火葬
流れは一般的な葬儀と同じですが、家族中心で行われます。
仕事関係やご近所の方などの弔問客はいらっしゃいませんので、こじんまりと落ち着いた式ができます。
■一日葬
搬送→安置→告別式→火葬
通夜を行わないので一日葬といいます。
一般的な葬儀では通夜と告別式、二日間にわたっての葬儀ですが、このスタイルは一日です。
■火葬式
搬送→安置→火葬
通夜と告別式をやらず、祭壇も作りません。
参列者もいないので、費用を抑えられます。
おおよそそういった分類になります。
参考までに、喪主または無くなった方が生活保護者の場合、全て地方自治体が費用をもってくれるので0円で火葬が出来ます。
この場合、火葬のみの直葬となります。
葬儀の前に葬祭扶助の申請をしなくてはいけません。
それがないと支払い能力があると判断されてしまいます。
申請がしてあれば、葬儀の後に地方自治体から直接お金が支払われます。
第2章 病院からの搬送から費用は発生している
ご不幸があった場合の心構えの話など、それほど聞きたくもないかもしれませんが、これは絶対に知っておくべきことなので、せめてこの本で概略だけでも抑えておいてください。
人が亡くなった場合、一番最初に残されたものが決めなければならないのは、遺体の搬送に関することです。
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