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創業直後に予期せぬ展開。最初のサービスを2ヶ月で終了した理由

こんにちは、株式会社ブレーンバディ 代表の大矢です。
前回「ブレーンバディ誕生までの話」というnoteを公開してから、2回目の投稿となります。

「ブレーンバディ誕生までの話」はこちら▼

今回のnoteでは、前回のブレーンバディ誕生までの話に続き「創業までの準備期間」や「創業直後に起きた出来事」に焦点を当てて、お話しさせていただきます。


創業・サービスリリースに向けて

2021年3月、株式会社ブレーンバディは創業準備に入ります。石原 亘(現 取締役 )と永井 秀典(現 CHRO)と共に、自分たち3人は、1ヶ月後の創業とサービスリリースに向けて、渋谷の松濤にオフィスを借りることにしました。

オフィスといっても自分たち専用の部屋は無く、9階建てのビル全てがコワーキングスペースになっているような場所でした。自分たちと同じようなスタートアップ企業が集まっていて、刺激や出会いがたくさんありそうだと思ったこと、そして、寝ないで働けることが必須だったので365日24時間使い放題だったことが決め手で、この場所を選びました。

前回書いた通り、自分たちが新規事業を始めるにあたり、様々な調査を行った結果、最初に参考にしたサービスは「営業特化のBtoBコーチングサービス」という、外部の専門家が営業コーチングを提供する海外のビジネスモデルでした。しかし、このサービスをそのままの形で日本で展開することは難しいということは明確でした。
 
その理由は、そもそも歴史的に日本ではコーチングという概念自体がまだ広く受け入れられていないためです。つまり、市場が存在しないからです。確かに「新しく市場を開拓する」という選択肢も考えられましたが、自分たちの強みはコーチングにあるわけではなかったので、このアプローチは採用しませんでした。そのため、「コーチング」という言葉を使わない方向で進むことに決めました。

そして、コーチングではなく『営業の成果につながる育成』という部分に価値を定め、営業育成に課題を持つ企業に、優秀な営業マネージャーをマッチングする”社外スポット営業マネージャーサービス”をリリースすることにしました。


100人登録プロジェクト始動

まず最初に始めたことは、外部の優秀な営業マネージャーを集めることです。
ニワトリ・タマゴの事業ですが、「売り先の会社を獲得するにも、100人くらい登録者がいないと信用がない会社に見えませんか?」という石原の一言から、3月頭からブレーンバディが登記される4月まで、約1ヶ月で登録者を100人集めるという大きな目標を決めました。

その目標達成に向けて過去のつながりを辿り、一人ひとりに連絡を取りながら登録をお願いしていきました。しかし、自分たち3人の直接的な繋がりを合わせても登録いただいた人数は50人ほど。残り3週間でド新規の50人をどう集めるか。気づいた時には、3月の第1週が終わっていました。

そこからすぐに”100人登録プロジェクト”(3人だけどお祭りっぽくやるのが好き)を立ち上げ、日中は受託している業務を進めながら、業務終了後から終電を過ぎるまでの時間で誰もいない松濤オフィスで、登録者を増やすための施策を各々持ち寄り、打ち合わせを行いました。そして、次の日の朝にはその内容を実行。さらに、次の日には振り返りを行い次のアクションを考える。といったような日々を送ってました。

空振りも多くありましたが、SNSやビジネスマッチングアプリ、紹介の紹介、考えられるすべての手段を試しながら、可能性のありそうな施策にリソースを集中投下してどんどん登録者を増やしていきました。そして徐々に登録者が増えはじめました。

そんな中で、永井においては営業未経験ながらも、登録者を増やすために決死の覚悟でメッセージを送り、毎日10件ほどの面談を行い続け、一人で30人ほどの登録者を獲得。「誰にでも出来ることを、誰よりもやり続けられる力は、何の経験にも勝る。」と強く感じさせられました。

そして、4月までに営業マネージャー100人登録を達成し、ようやく株式会社ブレーンバディとしてのスタートを切ることができました。


リリース後、想定外の課題

新サービスは、リリース後すぐに営業のマネジメント層で困っていたスタートアップを中心に売れ、滑り出しは順調でした。

ですが、この時点で自分たちはサービスに存在する重大な課題にまだ気づいていませんでした。

自分たちのサービスは、営業育成に課題を持つ企業が登録された営業マネージャーを選び、面談を行う仕組みです。マッチングが成立するとマッチング料をいただき、その後は企業と営業マネージャーで直接やり取りをしていただくという、いわば「プロ人材とそれを求める要とする企業のマッチングサービス」でした。

クラウドソーシングサイトやプロ人材のスキルシェアを提供するコンサルティングサービスが競合となり、これらのプラットフォームは近年、大きく売上を伸ばしていました。もちろん事前に競合調査もしており、クラウドソーシングサイトには営業コンサルの登録者が少ないこと、そして、プロ人材のスキルシェアのコンサルサービスには経営戦略などに精通した人材が多く登録されていることを把握していました。

そこから、自分たちはこの中間にポジショニングを定め、「経営コンサルレベルまでは求めていないが、中小企業にとって価値ある大手企業の営業戦略やノウハウを持つプロ人材を提供する」というニーズに応えるスキマの市場を狙うことにしました。

前述のとおり、実際はニーズが多くあり、サービスはすぐに売れました。しかしこの中間のポジショニングは、ビジネス成立の難易度が高かったことに気がついたのです。

というのも、自分たちの提供するサービスは、動画や、デザイン、LPなどの明確な納品物の提供ではなく、あくまでもプロ人材と企業のマッチングであり、間を取り持つディレクターが必要となります。実際に経営戦略に精通したプロ人材を提供しているコンサルサービスでも、ディレクターが数回同席して、コンサルタントと企業の間を取り持つ時間が発生します。
営業担当が必要となることは想定通りでしたが、そこに掛かる「コストの大きさ」が想定外だったのです。

コンサルサービスのコストが高い理由は大きく二つあり、一つが、そもそも扱っている人材の質が高く、案件の単価が高くなること。そしてもう一つが、営業の仲介コストがかかることです。我々が、中間のポジショニングを取るためには扱う人材のコストだけではなく、仲介コストまでそのポジショニングをとる必要がありました。
もし、仲介コストだけ中間のポジショニングをとらないとなると、経済合理性を作ることができず、ビジネスをスケールさせることが不可能です。そのため、できるだけ仲介はしないようにと考えていましたが、実際にサービスを始めてみるとそうは行かなかったのです。

どんなプロ人材を求めているのか、プロ人材に対して何を求めているのかなどを、お客さま自身が言語化出来ていないこと。また、プロ人材は営業においてはプロなものの、コンサルティングをやったことがない方も多く、コンサルティングのサポートに入らないといけないことなど、様々な事象が発生しました。1つの案件に対して営業担当がかなりの時間介入する必要があり、マッチング後は企業と営業マネージャーだけでやり取りをしていただくというのが、不可能であることが分かりました。


苦渋の決断

そうなると、中間コストがかかり過ぎて粗利の取れない。儲からないビジネスになってしまうことは明らかでした。またスキマを狙ったため市場の規模も限られているため、最初に受注した数社の案件を最後までやり切るのみで、サービスを辞める意思決定を行いました。

こう書くと、やけにあっさり辞めることを選択しているように聞こえるかもしれません。しかし、これは、自分たちが生み出した初めてのサービスで、社名にもなっているので、なんとか勝てる方法、うまくやれる方法というものを考え抜きました。

色んなお客様に新しいアイデアをご提案させていただきましたし、登録者に一人ずつ話を聞きましたし、競合の四半期決算などをくまなく見に行き、可能性を模索しました。

その結果、「中長期でミッションを実現するためには、ここに拘る必要は無い。」決断は早いほうがいいと思い、意思決定をすることにしました。そして今、その決断が正しかったと心から感じています。

2021年3月 ベンチマークするサービスを決定
2021年4月 ブレーンバディ創業
2021年6月 サービス「ブレーンバディ」終了

創業からわずか2ヶ月で、社名にもなった自分たちの最初のサービスを終了するという、予期せぬ展開に直面。波乱含みのスタートでした。
そして、新たなビジネスに取り組み始めたのは、すべてのプロジェクトを終えた6月のことです。それはまた、次の機会にお話ししようと思います。


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