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パフォーマンスを発揮する機会を得られず苦しんでいる人を無くすため、会社を立ち上げます。



「営業という仕事は、上司によってパフォーマンスが大きく変わる」

はじめて自分が上司という立場となりチームを持つときに、当時の上司に言われた言葉だ。初めて部下のできる自分に発破をかけるために言ってくれた言葉だと思った。自分も「部下のためにしっかりしなきゃ!」と思えた。しかし、この言葉の本当の意味がわかったのはもうすこし後のことだった。

自分の新人時代の話に遡る。いま思えば、自分はすべての上司に恵まれすぎていた。

当時の上司は、とても厳しい人だった。ただ、その厳しさには、深い愛情があった。自分自身の性格や思いをしっかり理解してくれて、その上で、自分を一人前の営業マンに育てようとしてくれた。仕事のイロハはもちろん、大切な心構えなどを、懇切丁寧に教えてくれた。最高の見本が近くにいたおかげで、自分の成長速度はみるみるうちに上がり、早い段階で高い成果を出す営業になることができた。

まさに「その人がいなかったら今の自分がいない。」という状態で、自分の恩師とも言える上司。そんな出会いは、ラッキーすぎる配属だった。

しかし、自分のように恵まれた人がいる側面、そうでない人もいるのが現実だ。というより、そういう人の方が多いかもしれない。

忘れられない経験がある。

以前、勤めていた会社では、同じ事業部に入る同期が数十人いた。
内定者の研修や懇親会を経て、入社前から同期とは仲良くなった。
本当にみんな優秀で、会社が大好きだ。何かを成し遂げる。という熱量が高いメンバーばかりだった。

チームが発表されて楽しみにしていた仕事がスタートすると、なんと最初の3ヶ月で少なくない同期が休職や退職をしてしまった。

同期たちが、苦しそうにもがいている予兆はあった。

配属早々に「上司が仕事を教えてくれない。」や「新人上司で言っていることの意味が分からない。」などを口にしていた。
売りたいと思えば思うほど熱意は空回りし、頑張っているのに全然成果が出ず、どんどん自信を失っている様子を自分はただ、見ていることしか出来なかった。

数年後、自分が中四国に配属になり、9県で約15名のマネジメントをする立場になった。毎日、船と新幹線に乗ってメンバーに会いに行き、マネジメントをする生活だ。

ここでも、驚いたことがあった。
毎日メンバーに会いに行ったり、オフラインで会議を行っているだけで、メンバーたちから「こんなことしてもらったの初めてです。」と言われるのだ。
よく聞いてみると、自分が配属される前は、マネージャーが不在だったり、いても会いにこなかったりで、ひとりひとりのマネジメントに全く手が行き届いていなかった。

そして、当たり前だがそんな環境で育ったメンバーたちなので、首都圏の社員に比べると、商品知識やナレッジなど、“営業なら当たり前に知っていないといけないこと”を知らないメンバーがほとんどだった。もちろんそれでは、成果も上がるはずがない。

この悲劇は、自分の同期や、地方のメンバーだけの話ではなさそうで、周りを見渡せば一般的に起きていることだった。
上司のマネジメントレベルだけではなく、地方拠点配属による「とりあえず行ってこい」状態。結婚や出産によるライフスタイルの変化。会社の決定による転勤。家族の介護のための時短の働き方。

そんな自分ではどうしようも無い事で、パフォーマンスを発揮する機会が失われていくことがとても沢山ある。

自分はこれまで人材採用領域を生業にしていたので、経営者や人事の責任者の方と話す機会が多い仕事柄、こういったことが原因の“早期の離職”の話は毎日のように聞いてきた。こと営業組織には、特によくある話だった。

しかし、こんなの「よくあること」でいいわけがない。


好きで入った会社だ。誰にでも活躍する権利がある。


誰だって、その会社そのものが好きだったり、商品が好きだったり、入社する時はこれからの自分の活躍にワクワクしているはず。

ただの“運”のせいで、その権利がなくなってはいけない。
誰もが頑張ればパフォーマンスを発揮できる機会をつくりたいと思った。
配属部署や上司、働く場所、働ける時間などの環境要素で、成長速度が変わるとか、パフォーマンスに差が出るとか、早期に離職してしまうとか。そんなお互いにとっての不幸せをなくすために。
誰もが同じように頑張れば成果を出す人材になれるサービスをつくるために、自分は今年の4月、会社を立ち上げた。

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私たちブレーンバディは、環境によってパフォーマンスに差の出ない人材を育てることを実現するために、ナレッジシェアや人材育成に悩みを抱える企業に対して、サービスを展開していく予定です。
それにより、個人にとっていち早く能力を高めていいキャリアを歩めるし、会社にとっても成果につながる優秀人材を確保できる。離職も減らすことができて、人材難の新たな打ち手にもなると思う。

話を最初に戻す。

「営業という仕事は、上司によってパフォーマンスが大きく変わる」という言葉を胸に刻み、チームを持った自分が初めて上司という立場になった時に、悩んだ話だ。

上にも書いた通り、自分は中四国の9県で15人のメンバーをマネジメントしていた。

そこで、距離の遠さや自分自身のレベルの低さで伝えられることの少なさに苦しんだし、伝え方が分からず苦しんだ。しっかりしないと、という気持ちとは裏腹に、メンバーを苦しませてしまっていた。

自分は営業スキルに関しては一定自信を持てるレベルになっていたが、人を教えることに関して、プロになっていなかった。しかし、メンバーにとっての先生は上司である自分しかいなかった。メンバーからすると、自分という上司によって学習と経験の機会が大きく変わってしまう。まさに、上司ガチャはこういう構造で起こっているのかと自分の存在を以て体感した。

「営業という仕事は、上司によってパフォーマンスが大きく変わる」の意味はしっかりとわかったが、その結果として自分は上司としてどうすれば正解だったのかは、わからないままだったし、誰も教えてくれることはなかった。

そんな苦い思い出に向き合いながら「こんなサービスがあったらよかった」と当時の自分が言えるサービスづくりを、これからしていきたいと思います。

地方などの教えて貰いづらい環境にいる新人。子育てのため働く時間を減らしたパパママ。家庭の事情で遠隔でしか働けなくなった方々。

そんな人たちが、自分の好きな会社で活躍できる社会を創っていきます。


株式会社ブレーンバディ 大矢剛大 <https://twitter.com/YoshihiroOya>

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