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花を買って思い出した記憶。いつの間にか書き換わってた過去から考えた今

平日午後の新宿駅。

家に帰るため、路線に進もうとしたら、ふと目に止まったのが花屋さん。

駅構内にある3坪ほどの場所があったことに、このとき初めて気がついた。

吸い込まれるようにして入店し、お花を眺める。花屋にある多様な色が気持ちを解してくれる。どことなく甘い匂いが、気持ちを宥めてくれる。

ここのところ知らず知らずのうちに溜まっていた疲れから、本能的に癒しを求めていたのかもしれない。

そういえば、東京に引っ越してから1度も花を買ったことがない。試しに買ってみようかな?

そう思ったら、なんだか楽しい気持ちが湧いてきた。人の気持ちは行動1つで変化する。
単純なもんだ。

そう思いながら、1つ1つ物色。
こじんまりとした店舗には、大きさもさまざまなブーケと、1本売りの花が並べてあった。

疲れからか頭がぼんやりしていたので、1本1本を組み合わせて花束を作る気力はない。

手っ取り早くブーケを買おう。

そう決めて、色味で決めることにする。
とすると、惹かれるのはピンクかオレンジ。
私の大好きな色だ。

オレンジだと少し色のパワーが強い。心が弱っていると、強い色に圧倒されるので、淡いピンクを選んだ。

2,000円のブーケを買うなんて、ちょっとリッチじゃない?

なんだか福々しい気持ちで、店員さんと笑顔を交わす。

店員さんから渡された紙袋から、かすかに優しい匂いがしてきた。

花に囲まれていた実家

結婚してからは切り花から遠ざかっていたけど、実家は花であふれていた。

それは、母が花好きで、実家の庭には野生味を帯びた花が季節ごとに咲いていたからだ。

玄関にはいつも季節の花が咲いていたし、出かけると母から花の名前を聞かされていた。
だから、自然に花好きになったのだろう。

それでも、わざわざ買うとなると、結構な値段になる。

結婚後はお財布の紐が固くなっているので、消費を抑えていた。

でも、こうやってお花がダイニングテーブルにあると、家が元気になるのはなぜだろう。

家のトーンが明るくなるような、和むような、癒されるような。

花に顔を近づけて、意味もなく何度も匂いを嗅いでしまう。

「おはな、かってきたの?」

幼稚園から帰ってきた娘が、早速花に近づく。

ヒマワリ
白い菊
ガーベラ
何かの実
その他の花たち

珍しそうに眺めては、そーっと手を伸ばして花びらに触れる。

「つぎは、◯◯がえらびたい!」

と、次回の予約をする娘の発言に笑っていたら、とある記憶が蘇ってきた。

家の切り花を持参した小学生の私。恥ずかしくて誇らしい複雑な記憶

小学生のころ、家の花を何度か学校に持って行ったことがある。

それは、実家の庭に咲いていた色とりどりの菊だったり、季節の花だったりした。

記憶は朧げだが、花の周りに新聞の折り込みチラシを巻いて、下向きで持っていった覚えがある。

やけに、折込チラシのカラーが記憶に残っているのは、緊張から記憶に刻まれたのだろうか。

花は下向きに。
切った茎口は上向きに。

母からもらった助言を忠実に守って、登校した。

花を持っている人などいないから、視線を集めているようでソワソワする。

教室に入り、担任の席に花を置く。
先生が来るまではチラチラと扉に視線を配っていて、ソワソワが止まらない。

教室に来たところで、花を持参したことを告げる。

その後、花びんに飾られた家の花は、ロッカー上の窓際で風に吹かれて凛としていた。

みんな、どんなふうに思うのだろう。

人の目を気にする子だったので、緊張しながらも、なんだか誇らしい気持ちでいたことを思い出した。

ところで、私はなぜ花を持っていったのだろう?

先生から保護者に向けて、花の持参を促された?
それとも、家の花がキレイで、母が持たせたのか?

なんにせよ、私にとっては甘美な記憶。
花を買ったことでふと思い出した過去に、私は少し引き戻されていた。

過去の記憶が書き換えられた⁈母との答え合わせの結果とは

「ところで、なんで学校に花を持たせたの?
先生から言われたの?」

毎日、アレクサで実家と繋いでいるわが家。
いつもは子どもたちが実家の家族とあれこれ話しているが、今日は私が切り出した。

切り花を買った話から、小学生のときに学校に花を持参した話に移る。

「あれは、あなたが言い出したんだよ。」
と、母は話す。

「確か、友達が花を持参して、私も持ってきたいと言ってたから…。ほら、花びんが教室にあったでしょ?」

途中から、私は上の空だった。

えっ?!
私は負けず嫌いで花を持っていったの?

とんだ記憶違いに笑ってしまった。

母との美談だと思いきや、学生時代の気が強かった自分と対峙したように感じた。

私の記憶では、小学生のときは大人しい性格だったと思うけど、意外と前に出る方だったのか?

記憶が差し代わっているのには驚いた!

自分の記憶の曖昧さを実感。真実を見定めて行動していこう

意外と自分の記憶は、いいように書き換わっているのかもしれない。

自分は大人しい性格だと思い込んでいたけど、今ではどんどん行動したくてたまらない。

そういえば、私の友達は誰1人として私を大人しいとは言わない。

言われるのは、ずば抜けた行動力があるということ。

そういえばそうだった。

過去にはきっと大人しい私もいたんだと思う。

でも、本当は違う自分でありたかったんだ。

鬱屈していた自分から解き放たれて、本当にやりたかったことを実行に移せるようになった。

今までは他人の目が気になり、行動を制限していた。

でも、個人事業主になり、私は自分の舵取りを自分で決められる人生を選んだ。

どこに行くかは自分次第。

やりたければ、どんどん進めばいい。
疲れたら休めばいい。
困っている人がいたら助けたい。
喜ぶ顔が見たいから、どんどんギブしたい。

私は私が進みたい方向に進む。
忖度なしで。

花を買って思い出した過去の記憶は、自分の都合で書き換えたのかもしれない。

でも今は?

自分に問いかけて決断できる!

記憶を書き換えられない今は、ただ自分の心に耳をすませて、素直に進んでいける。

あなたの性質はどうですか?
どんな今を過ごしたいですか?

私も自分に問いかけて、昨日より今日が少しでも楽しい時間であるように、また歩いていく。

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