ただのエゴだった話
時間は朝8時を回ろうとしていた。
外は暴風雨。
娘の初の通学が雨とは。
「これをかぶせたい!」
出発させようとしてるのに、娘が黄色いカバーを差し出してくる。雨でランドセルが濡れるのが嫌らしく、レインカバーをかけたいのだ。
若干、自分がピリついてるのが分かる。
冷静に冷静に。
今日は娘が1人で通学するのだから、機嫌良く送り出したい。
雨よけをかぶせようとしたら、先にランドセルにつけてある黄色のカバーが取れる。
ランドセル上部に取りつけてある金属に結びつけたはずなのに、外れてしまった。
しかも、紐自体が解けてバラバラになりかけている。
結べる長さが短くて、やきもきする。
なんだか試されているような気がする。
家から大人の足で10分。そこに小学校がある。娘の足だと20分くらいかかるだろうか。
ランドセルと荷物と傘と。
トリプルコンボの日だから、早く送り出してあげたいのに。
娘は時間に余裕をもって行動するのを好む。ギリギリだとすごく焦り、遅れないか気にしてしまう。
時間に正確なのは素晴らしいことだから、尊重してあげたい。
なのに、私のせいで遅れてしまっている。
なんとかランドセルカバーを結びつけ、レインカバーも取り付ける。
そして、いざ娘を道路まで送り出そうとしたら、起き出してきた息子が足に絡みつく。
ドラマでしか見たことないよ、足にしがみつく人。。。イライラが最高潮に達したところで、ふと思った。
優先すべきは娘が8時20分に教室に入り、席に座れること。
見送りたい自分のエゴで、抱え込んでた。
そして、すぐに夫にヘルプを出す。
案の定、娘はママではなくてパパでもOKだった。
娘は小走りで出ていった。
後ろ髪を引かれたのは私だけ。
そして、息子を宥めながら私はすぐにベランダに向かう。
眼下に見える生垣の隙間から、娘の通学路が見える。
雨と風が吹き荒ぶ中、可能な限り窓を開けて身を乗り出す。家の前に立っているイチョウの木から、小さな新芽がいくつも出て、風に揺れていた。
道路に目を凝らすと、娘がいた。
「◯◯、行ってらっしゃい!!!」
風に負けないように大声を出すと、娘の耳に届いたのか振り返ってくれて手を上げてくれた。
大丈夫だ。
私はよく自分の感情に流され、それを優先しがちである。振り回されていることに気づかず、イライラを周りにぶつけてしまう。
けれど今日は、
暴風雨
初めての登校
レインカバー
ランドセルカバー
息子
と、これでもかといろんなものが押し寄せて、「あなたの想いは思い込みだよ!」と示してくれた。
こういった直感というか、天からの啓示といか、そういうものに気づけるときがある。
知らず知らずに一生懸命に握りしめてるものは掴み続けるべきなのか?
手放しても問題ないのか?
判断できるよう、心の余裕と軽さを持ち続けたい。
そんな気づきの朝でした。
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