過干渉のママ①

LINEの通知音が鳴る。友達からと思いスマホの画面を見て気持ちがどんよりする。返信しないとまた通知音が響く。でも、返信することが非常に億劫に感じる。ママからのLINEのメッセージはいつもそう。

私は祖父祖母4人全員が近くに住んでいたこともあり、親族の集まりも頻繁に行われ、「仲のいい家族」という環境で育ってきたと思っていた。パパが単身赴任の時期も長かったが、それでも特にグレルことなく、人並みに反抗期を迎え人並みに学校生活を送り卒業した。
 
高校まで実家で暮らし、大学進学と共に一人暮らしを始めた。社会人になると上京もした。
過干渉だなと感じ始めたのは、実家を出てからのことだったと思う。

 昔から朝が弱かった私のことが心配だったママは毎朝モーニングコールをしてくれるようになった。最初のうちは二度寝することもあるから本当にありがたいと思っていたのだが、一人暮らしに慣れてくると目覚ましで起きられるようになるし、大学は高校性までと違い好きなことを学びに行っているためかそこまで早起きも億劫じゃなくなった。それでも止まらないママの電話。早起きしてシャワー浴びている最中に電話が鳴っていることに気づかない時なんかは、浴室から出ると驚くくらいの着信履歴が残っている。

 実家に帰るときは、各親戚に金額や銘柄指定でお土産を買ってくるよう指示がある。従兄弟たちが買ってくるであろうお土産と同等以上の物を買わないと気が済まないらしい。私は、少ないバイト代を捻出して一番私の見方になってくれた母方の祖父母の喜ぶ顔を浮かべながらお土産を選ぶ時間が好きだった。ママが指示するのは父方の祖父母と従兄弟一家へのお土産のみ。自分の親へのお土産は不要だそう。そんなこと言われたら素直な気持ちでお土産を選びたくなくなる。それどころか帰省することが億劫になってしまっていた。

これらのエピソードは実家を出て10年が経とうとしている今でも更新中で、未だに心を乱されることが多い。家族のことは大好きだし、親のことを悪く言いたくもない。結婚するとどうしても旦那の実家との関係のほうに重きを置かなければならなかったであろうママのことを考えると一概にママのことを責めることができないのもわかっているつもりだ。
ただ、最近は実家を離れているからこそ過干渉なママとちょうどいい距離感を保つことができていると思い始めたのでなんとなく思ったことを今後もnoteに書いていこうかなと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?