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【リスティング広告】クリック率に変化があったらどこを見る?

検索サイトのキーワードに連動して表示されるリスティング広告を出稿する際、重要な指標の1つであるクリック率。
せっかく広告を出稿しても、ユーザーにクリックされないと、商品への理解や購入に繋がりません。

リスティング広告のクリック率は、訴求内容やテキストが大きく関係しますが、広告運用レポートを作成している際、「今月は前月と比べてクリック率が高い/低いな…」ということがあると思います。

この変動した要因がわからないと、誤った評価や施策をしてしまうことも。今回は、クリック率が変動する要因と、それぞれの対応策について解説します。

掲載順位を変動させるオークション

そもそも、広告、オーガニックにかかわらず、クリック率は、検索結果の掲載順位に大きく左右されます。
オーガニックの記事は、SEO対策などにより順位が変動しますが、リスティング広告の掲載順位は、広告主同士のオークションによって決まります。

この広告のオークションは、①入札単価を上げる、②広告ランクを上げるの2つがあります。
「①入札単価を上げる」は、他社よりも入札単価を圧倒的に上げれば、上部への表示が狙うことができますが、できるだけ安い単価で多く表示できるほうが効率が良いため、「②広告ランクを上げる」ことが広告運用者に求められます。

広告ランクを左右する指標

前述した入札単価とは、クリック単価の上限金額を決める単価のことです。
例えば、入札単価を50円に設定した場合、クリック単価が50円以上にはならないようになります。

一方、広告ランクとは、検索広告の掲載順位を決定する基準となる指標のことで、以下で求めることができます。
『広告ランク=品質スコア×入札単価+広告表示オプション』

広告ランクの算出方法

ここで登場する品質スコアとは、ユーザーにとって「良い広告かどうか」を評価する指標のこと。
Google広告の品質スコアは、次の 3 つの要素を総合して算出されています。
(Yahoo!広告では『品質インデックス』と呼ばれていますが同様の指標です!)

推定クリック率(推定 CTR): お客様の広告が表示された場合にクリックされる可能性の高さを示します。
広告の関連性: お客様の広告がユーザーの検索の意図と一致する度合いを示します。
ランディング ページの利便性: お客様のランディング ページが、広告をクリックしたユーザーにとってどの程度関連性があり有用であるかを示します。

Google広告 ヘルプ:「品質スコア」について

品質スコアについて覚えておきたいのは、「品質スコアは入札単価の引き下げや掲載順位の向上に直接的には作用しない」ということ。
あくまで入札オークションに作用するのは『広告ランク』であり、その広告ランクを決める要素の1つが『品質スコア』です。

この広告ランクはリスティング広告の管理画面で確認することができないため、目に見える改善するべき指標として、品質スコアを意識した運用が重要となっています。

クリック率が変動する要因

リスティング広告の、それでは本題のクリック率が変動する要因について説明します。
広告のクリック率が変動する要因は、主に以下の3つです。
①自社が強くなった
②他社が強くなった
③市場に変化が起きた

それぞれ、どういうことなのか説明していきます。

クリック率の変動要因

変動要因① 自社が強くなった

自社が強くなるということは、「自社の品質スコアや入札単価が上がり、競合他社よりも表示されやすくなった」ということ。
キーワードと広告文がユーザーの意図とマッチしていたり、広告文が魅力的であるとクリック率は上がりやすくなります。

この時、クリック率は上がっているけど、同時にクリック単価が高騰している場合は、入札単価が上がっていると考えられるため、獲得効率という面ではよい傾向とは言えません。
クリック率だけでなく、クリック単価も確認してみましょう。

<確認する指標>
クリック単価
競合指標の変動を確認

⇒オークション分析を確認
インプレッションシェア、インプレッションシェア損失率、ページ上部表示率

競合指標

<今後のアクション例>
品質スコアを上げる
・キーワードを精査
→クリック率の低いキーワードの停止、関連性の高いキーワードの追加
・キーワードとの関連性の高い広告文の作成
・広告表示オプションを活用する
・ランディングページの利便性を上げる
→内容に広告と齟齬がないかチェック、ページ読み込みスピードを上げる

変動要因② 他社が強くなった

他社が強くなるということは、①と逆で「他社の入札単価、もしくは広告ランクが上がり、競合他社が表示されやすくなった」ということ。
プロモーションやキャンペーン期間などで、競合が入札単価を強めている可能性が考えられます。
この場合、自社の入札単価を上げるか、品質スコアを改善することが対策となります。
長期間競合がTOPに掲載されてしまう場合は、競合他社に自社の商品名のキーワードを購入しないよう交渉することも検討しましょう。

<確認する指標>
競合指標の変動を確認
⇒オークション分析を確認
インプレッションシェア、重複率、ページ上部表示率、上位掲載率等

オークション分析

<今後のアクション例>
・自社の広告ランクを改善する
→入札単価を上げる or 品質スコアを上げる

変動要因③ 市場に変化が起きた

市場に変化が起きたとは、「市場的に商品への関心度が高まっている」ということです。
これは外部的な要因であり、例えば以下が考えられます。
・「花粉」「紫外線」「乾燥」といった季節によって顕在化するキーワードの検索数が増えた
・テレビ番組やイベント、記事で取り上げられた
・Amazonや楽天などの大型セールの時期と重なった
・SNSでバズっていた

上記のような市場の動きによって、商品に対するユーザーのモチベーションがあがると、クリック率は変動します。

<確認する指標>
話題数、検索数の変動を確認
⇒キーワードプランナー(Google広告)、Googleトレンド、ソーシャルリスニングツール(MeltWater等)で話題数を確認

<今後のアクション例>
・番組放送後や大型セールの際は、キーワードの入札単価を上げる
・時節的に強くなるキーワードやSNSでのバズっている*内容を広告に追加
*SNSでバズっている=ユーザーが評価しているポイント

まとめ

「数値が上がっているけど、実は配信効率は下がっていた…」「下がっているけど、外部要因で上がっていただけだから仕方ない…」といったように、変動した要因を探ることで、目の前の数値に惑わされず、正しい判断をすることができます。

今回説明した内容は検索広告だけでなく、他のディスプレイ広告でも見られる傾向ではあるので(媒体によりみられる指標は多少異なりますが)、
数値を確認する際は、気に留めてみるとよいかもしれません。

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