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都市について1

引越しを機に、都市でいかに暮らすことは可能かということ考えるようになった。そしてこれまで以上に都市にのめり込めなくなってしまった。都市で生きるとはどういうことかという自分自身に投げかけた問いに対して、一先ずこたえを出すには演者から脱する必要があったからである。

先月、5年暮らした住宅地から川崎市の丘陵地帯に越してきた。少しは慣れてきたものの、駅までの道中はとにかく急勾配な坂道が上り下りを繰り返すために以前よりも体力を要する。また所々に開発を逃れた緑地が顔を覗かせる。以上の2点からも運動量や視覚や耳から入る情報に違いを感じる。寝床を変えただけではあるが以前よりもよく足腰を使うよりになり、より多くの緑が視覚情報として伝わり、虫の声や鳥のさえずりを聞くようになった。人のもつ五感は外部環境に依存するところが多い。しかし場所を選択する意志は自由である。しかしまたそこから受ける影響は完全に場所性によるものである。つまりはバスが運行しているが為に利用する。楽をするためではない。公園に行きたいからではなく公園がある為にはじめてそこへ行けることができるということ。都市は相互依存性を備えている。それはしつらえと利用者としての人との間に成立している。ここに都市を考える上で重要な構造がみえてくる。

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