小学生のふりをして書く読書感想文①
夏休みです。読書感想文の宿題です。
2年生になった娘は油断して宿題を後回しにするようになってきました。
宿題に関して我が家は、
「やらないならやらないでもいいけど、やるんなら早めに計画的にやった方がお得だぞ」
というスタンスです。びびりな娘は、宿題をやらずに学校に行くということができないので、渋々ながらやっています。
読書感想文は、最後の一日にえいやー作戦ができないので(できなくはないけど、そんな雑なやり方だと本当に意味がないので)、手助けしながら時間をかけて進めています。読書感想文なんて難しい課題を、学校も雑に出してくるので困ったものです。
読書感想文は本当に難しいです。「こういう感想文が望ましい」みたいなのがはっきりと決まってしまっているので、その様式に合わせて書かないといけないところがもっとも難しいです。(うちはそういうふうには書かせませんが)
しかし、作文の出来の良し悪しは度外視して、感想文とそのための読書をきっかけに子供にいろいろ考えてもらうことができる、と考えればとてもいい機会です。妻もはりきって、本の内容に合わせて昔の話をしたり写真を見せたり、質問してあげたりしています。
お手本を見せるという意図ではなく同じ目線になるために、子供といっしょに私も感想文を書いてみることにしました。そして書いてみるとこれがけっこう楽しかったので、今後も続けてみようと思います。
なるべく小学生らしい発想と言葉づかいで、でもこういうのを生徒が書いてきたらひっくり返って驚いてしまうわ、というレベルを目指して書いています。
なんにもしないいちにち
これは、ハリネズミと、ちいさなおとなりさんと呼ばれているヤマネの二人の、ささやかでのんびりとしていて、くすっと笑ってしまうようなかわいらしい日常のお話です。
二人で野原に寝転がってなんにもしない一日を過ごしてみたり、雨の日を好きになってもらうために草花で傘を作ったり、部屋の掃除をしたあと二人でやまぶどうのジュースを飲んだり、お月さまを追いかけようとして失敗したりします。本当に、なんでもないような一日ばかりです。
でも、そのひとつひとつのお話から、「ああ、たしかに」とか、「おお、なるほど」とか、「それいいなあ」などと感じることがたくさんありました。
たとえば、ちいさなおとなりさんが近くの新しい家におひっこしをしたときの話です。
ひっこしのお手伝いをしに行ったハリネズミは、部屋の中を見て驚きました。
「にもつは、たったそれだけかい?」
と。それにたいしてちいさなおとなりさんは、
「ぼくのにもつは、ほんとうにひつようなものしかないんだ」
と答えました。そして、にもつの中身を紹介しました。その中に「カップが二つ」ありました。
わたしは最初、
「ほんとうにひつようなものが、カップ?」
と思いました。
ちいさなおとなりさんは最後に、
「もちはこべないたいせつなものもあるんだけどね。それは、ときどきチクチクするんだ」
と言いました。
わたしは、ちいさなおとなりさんがほんとうに大切にしているものがわかって、とてもうれしい気持ちになりました。
(ここから自分の話)(ここまでで原稿用紙ちょうど2枚)
あとがき。
とてもいい本でした。
表現や台詞が魅力的で、ストーリーも感性豊かでかつ読者にちょっと考えさせる構成になっています。大人が子供に読ませたい、と感じる本ですね。
感想文も書きやすいと思います。私は、
「ぼくのにもつは、ほんとうにひつようなものしかないんだ」
という台詞がとっても気に入ったので、そこを中心に膨らませました。
自分の話にもつなげやすいテーマです。
ハリネズミとちいさなおとなりさん(1) なんにもしないいちにち
作・絵: 仁科 幸子
出版社: フレーベル館
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