巧技台使い方講習会|「巧技台」×「理学療法士」で子どもの運動環境をデザインする Vol.3
前回の記事から期間が空いてしまいましたが、前回お話した今後の活動も着実に進んでいます。
前回の記事はこちらです。
今回は「巧技台」×「理学療法士」で子どもの運動環境をデザインするの活動第一弾として、大阪にある施設様にご協力いただき、オンラインでの巧技台の使い方講習会を行いましたので、その内容をご紹介いたします。
まず初めに、前回記事の内容と「巧技台」についておさらいしていきます!
前回の記事では、
せっかくたくさんの施設に巧技台があるなら、
もっと使ってもらう(使ってもらえる環境をつくる)ことで、
子どもが抱えている身体の問題の解決に繋がるのでは?から始まり、
使い方がいまいち分からない、人手が足りないなどの問題があるので、それらに対して私たちにできる様々な活動を行っていこう!
ということについてをお話しています。
続いて巧技台のおさらいです。この遊具の機能的な特徴は、大きく分けると3つあります。
1つ目は、組み換えができること。
ビーム(一本橋)やはしご、すべり台などのパーツを土台に連結していき、自由な組み換えができるという点でしょう。
2つ目は、高さや傾斜の調整ができること。
土台部分は高さを変えることができるため、階段をつくったり、パーツを斜めにかける(傾斜をつくる)ことができます。
3つ目は、各パーツの使い方が複数あること。
例えばビーム(一本橋)というパーツでは、「たいら面」と「丸面」の両面で使用可能なように、ひとつのパーツでも何通りかの使い方があります。
巧技台は、この3つの特徴を駆使して、使用する環境(広さ、間取りなど)や、子どもの発育・発達(年齢、能力など)などに合わせながら配置していき、多様な動きを経験できる環境をつくる遊具です。
タイトルの、巧技台使い方講習会では、
「巧技台を組むときはどんなことを意識すればいいの?」
「この組み合わせで子どもに与える影響は?」
このような、巧技台の組み合わせの考え方や具体的な使い方などを、理学療法士さんならではの運動発達に基づいた視点から学ぶことができます。
それでは、実際の内容を少しご紹介します!
●ビーム
製品詳細
製品名:ビーム
寸法:215㎝(長さ)×13㎝(幅)×7㎝(厚み)
特徴:たいら面と丸面の両面が使用できる。平均台として使ったり、登り棒や2本橋のようにも使える。
まずはこの動きです。
ビームの上をハイハイ
床をハイハイするのと、ビーム2本の上をハイハイするのでは何が違うのでしょうか?
もちろん床で行うよりも難しいことは分かると思いますが、動作を紐解いていくと、この動きには生活に必要な能力を養うポイントがたくさん詰まっていることが分かります。
まず一つは、目と手足の協応です。どこに手を置いて、どこに足を着くのか。目で見たところに手足を適切に動かしていくという動作を経験しています。日常生活では、転ばないように障害物を避けたり、段差を躓かないように登ったりという力や、物を取る、ボールをキャッチするなどの力が養われます。
他にも、たいら面と丸面では手足への影響に違いがありますし、傾斜をつけると? 渡る向きを横向きにすると? 丸面の上を歩くと、、?たくさんの動きが考えられます。
さらに、はしごやすべり面などのパーツもそれぞれ経験できる動きに違いがあります。
そして最後には各パーツを配置していくことで、一連のコースを作っていくのですが、ここにもどのように配置するかという考え方のコツが存在します。
上述した動きやコースを漠然と 多様な動き として捉えるのではなく、それぞれの動きを理解していくことで、どのようにして子どもの運動発達に活かされているのかを巧技台を例に学んでいきます。
他にも理学療法士ならではの目線から、子どもの身体に関する知識をたくさんお話していきます!
「なぜこの動きを行っているのか」を理解するということは、園としての保育・教育上のねらいとして役立てることもでき、巧技台以外の運動遊びにも活かすことが出来ます。
もちろん「これが正解!」という形はありません。それぞれの子どもの発育や発達を観察して実践していくことも必要です。
私たちは、この活動を通じて
これまで巧技台を持っているが、使ったことのなかった方や、遊びのバリエーションに困っていた方、新しく巧技台を導入した施設の方に、
「早く巧技台遊びを実践してみたい!」と思っていただけるように努めていきます。
今回は施設対象の講習会でしたが、今後は個人向けの講習会も考えています。
まずは施設さんを対象に、園内研修などの一環としてこの講習会を実施しております。詳細はお問い合わせください!
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お問い合わせは下記電話番号または
お問い合わせフォームよりご連絡ください。
☎03-3951-4922
オオニシ体育株式会社 担当:渡邊 駿介
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