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ビートたけしと松本人志

ビートたけしは1947年の生まれで団塊の世代のど真ん中です。

松本人志は1963年の生まれでヤンキー文化全盛期の中で育ちました。

ビートたけしが知性を感じさせるのは、学生運動華やかなりし頃に多感な時代を過ごしたからです。
周りの同世代と比べ自分はどうかと常に考えざるを得なかった世代です。

松本人志はヤンキー世代であると同時に、ヘタウマだったり不条理なギャグが一世を風靡した80年代の文化をそのまま漫才に取り入れた最初の人物です。

その意味では確かに画期的で、だから大阪でダウンタウンとして漫才をしていた頃の彼らについては僕は評価しています。

ただ、彼は橋本治が80年代安保と名付けたこの新しいサブカルチャーの動向には敏感に反応したものの、それが敢えて政治性を欠いたものであったことには無頓着で、故に松本はそんなものはお笑いには必要なしと結論しました。

この差が両者の知性の差となり、それぞれが手がけた映画に残酷なまでに現れています。

漫才でデビューして、僕がこれは別格と思わせたツービートとダウンタウンにはこの点で大きな溝があります。

それは彼らが影響を受けた時代背景を抜きにしては考えられないものです。

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