旅行はしないけど空港へ行こう

空港が好きだ。
いつから好きと時間したか分からないが、気づいたら好きだった。

これから始まる旅への期待感。旅が終わって帰路に着く時の何とも言えない寂しさ。
空港には非日常における刹那的な感情が行き交っている。

考えごとをしたい時や少し日常から離れて時間を過ごしたい時は空港を訪れる。
特に旅行の予定が無くとも、これから旅行に行くであろう家族連れのホクホクした表情や、10分に一度くらいのペースで飛び立っていく飛行機を眺めるだけで心が満たされる。

飛行機に何度も乗って飛び回るくらいのお金は今は無いけれど、飛び立って行く飛行機達は、本気を出せばいつでもどこへだって行けるという希望を私に与えてくれる。それだけで心が丈夫でいられる気がする。生きて行ける気がする。

そして、空港に居る人々は適度に無関心である。それが私にとってとても心地が良い。
もう2度と会うことはないだろうという適度な無関心が、気楽な空間を作りだしている理由の一つだと思う。家の近所のカフェでは作り出せるものではない。
これからそれぞれの旅路に向かうという共通の意思を持ちつつも、もう会うことはないだろうという適度な無関心。人生の帰路に立って居る人や大きな決断をする人にとって最適の環境だと思う。

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