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年金開始は70歳からになる?老後に向けた資産形成と年金制度の関係

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/660/1148992
※大河内薫"お金の学び"ラジオ Voicy 2024年7月4日放送より

どうも、大河内薫です。
本日は「高齢者の定義が変わるかも?」というニュースを受けて、老後に向けた資産形成と年金制度の関係についてお話します。




■高齢者の定義、5歳引き上げ

この話のきっかけは、5月末にあった経済財政諮問会議です。
ニュースで大々的に報じられたのは「高齢者の定義を5歳引き上げたらどうか」という提案が経団連のトップからあったというお話です。

高齢者の定義は原則65歳です。
なぜなら、年金受給開始が65歳だからです。

「70歳への引き上げ、年金受給開始年齢が引き上がることが不責だ」というニュースもあり、SNSでは炎上していて、「死ぬまで働かせる気か」みたいな意見が多かったと。

「年金に期待をするな」とは言いません。
当然年金を払っているので、もらえる可能性はあるだろうと。
でも、順風満帆に年金がもらえるような経済状態ではないですし、年金受給年齢が保証されるとも限らない。
可能性として考えて「老後に向けた資産形成をする」というのは当然の話なんですよね。


■国民のリテラシー

ただ、それができないのが "リテラシーがない人" になるわけで、そういう人たちも被害者だったりはします。
この国ではお金の教育がずっとなかったわけで、そして今も万全なものがあるわけではなく、だから40代とか30代とかは、当然リテラシーがなくて、資産形成をどう考えればいいかわからない人が多いわけです。
考えている人は少数派だと思います。
しかもその少数派の中で、年金の受給開始が遅れるかつ減る前提で資産形成を考えている人は、少数派の中でもさらに少数派なのかもしれません。

ただ、考えている人は、今回のニュースは「やっぱり予想通り来たよね」となると思うんだけれど、日本人の多数派の人は、「えー!?」という感じで見ているんだろうなと、反応から分かります。
つまり「国民のリテラシーが分かる」といったところでしょうか。

ただ、特に僕のVoicyヘビーリスナーさんは、そんなことないですよね。
年金受給の年齢が65歳から70歳に上がるなんて、規定路線ですから。
僕らがもらう頃は、「75歳になっている可能性もある」と思って老後に向けた資産形成をしていますよね。
これは何度も言ってきたなので、そうであってほしいと思います。


■年金制度の歴史

年金というものは、そもそも、どれぐらいの時期からどんな感じになってきたのか?
この国の年金制度は、昭和17年「労働年金保険法」、そして昭和19年「厚生年金保険法」、この辺りが始まりであると。
その時の受給開始年齢は "55歳" だったわけですが、平均寿命もそれぐらいだったんです。
なので、もらえる基準年齢と平均寿命がほぼ一緒だった時代があったわけです。

それになぞらえて考えるのであれば、令和6年現在、年金受給開始が80歳とか85歳とか言われても、何ら不思議ではないという感じです。
むしろ65歳でありがとうといった感じです。

ただ、自分で言っといてなんですが、「平均寿命と年金受給開始」はあまり関連付けて考えない方がいいと思います。
なぜなら、「今の平均寿命は、過去から生きてきた人が今年亡くなった」という話なので、今から生きる人とあまり関係ない年齢なんです。
逆に言えば、僕らが20年後ぐらいに年金をもらい始める時というのは、平均寿命はもっと上がっているはずだからです。


■平均余命と年金受給開始年齢の関係

何が関係してくるかというと、「平均余命」です。
じゃあ昭和19年の平均余命はいかほどだったのか?
厚生労働省の資料によると、昭和19年の資料はないので、昭和22年に生まれている人の平均余命は「男性50歳、女性53歳」です。

ただ、昭和22年に40歳だった人の平均余命も26歳とか、女性も30歳とかだったわけで、40歳くらいまで生きていた昭和22年にご健在だった人は、その後25年くらい生きていたというところで、年金の受給開始年齢「55歳」というのは妥当だったかなと思うところです。

その後、55歳の受給開始年齢が60歳になったのが、 "昭和32年度から16年間かけて4年に1歳ずつ上がっていった" という感じです。
女性は55歳のままだったんですけどね。

昭和60年の改正で女性は60歳が基準になり、男性は限定的に65歳に上がったと。
そこから65歳に向けて少しずつ法整備をして、今は基準年齢が「65歳」という感じです。

なので、来年突然70歳になるとかはなさそうですよね。
55歳から60歳になる時も、60歳から65歳になる時も、ものすごく慎重にやっているのが政府だったので、65歳から70歳になる時も、政府がバカじゃなければ "段階的に上げていく" という感じです。


■70歳になるのはほぼ確定事項

なので、「今40歳ぐらいの人が年金をもらう時の基準値は70歳」という確率が高そうで、政府が早回しに上げていくのであれば、「75歳もあり得る」というのは、歴史を見ればわかることなんです。

老後いくら必要か、資産形成とか老後の生活費とか、いつまで生きてどれぐらい必要かとか考えるときには、この年金の受給開始年齢というのは避けられないわけですから、絶対に知っておかないといけません。

これは想定ではあるけれど、70歳になるのはほぼ確定事項で、政府の諮問会議で突如言われたことではなくて、段階的に政府は着々と準備しています。

例えば今20歳の子たちは、自分たちが年金をもらえるとすれば、「基準値が75歳になっている」みたいなそういう想定で動くのが、リテラシーが高いというか、これが「資産形成を考えること」だと思うんです。


■知識格差

この辺りの知識は「もう知っている人が知っていて、知らない人が知らない」になっていて、完全に知識格差ができているのがこの日本であると。

辛いですよね。

ちゃんと教育で、あるいは社会に出てすぐに教えられるような、全員に対して教えられるような、そんな制度ができるといいなと思って僕は頑張っています。

お金とは何たるか。
家計管理とは何たるか。
資産形成とは何たるか。
老後生きていくとは何たるか。

その辺りの話は、知りたい人だけ知るというよりも、強制的に知っておかなくてはいけないと思います。
強制的に知らせておくほうが国力が上がりますからね。
それは政府の責任であるということを強く言いたいです。


■年金より重要なこと

自分がどれぐらい年金がもらえるか、いつからもらえるか、これは重要な話です。
たとえ70歳に基準値が上がったとしても、ちょっと前倒して65歳からもらうということは、もらえる金額が少し減るだけで、おそらく法律上できるはずです。
だから、そういうものも含めるとそんなに影響はないはずなんです。

それよりも、年金ではなく「自分がどれほどの蓄えを老後に向けて準備することができるか」これが全てです。
「年金もらえる、もらえない」はあまり関係ないくらいに資産形成をしていくことが重要だと思います。

給料、収入、それらをベースにいかに貯金をしていくか、そしていかに投資、NISAで増やしていくか、ここが勝負です。

人によって老後どれぐらい必要かは十人十色なので、正解はあなたの心にしかありません。
だから老後どれぐらいお金を使いそうか、このシミュレーションも必要になってくるわけです。

年金ももらえる金額は人それぞれなので、ここもシミュレーションが必要です。

健康も人それぞれで、健康寿命も自分の寿命も人それぞれ。
ここが一番分からない部分ではありますが、ある程度想定しながらシミュレーションをしていく。

老後どれぐらいお金が必要なのかは、最も難易度の高いマネーリテラシーの問題です。
でも、それをやらないと人生は順風満帆に終えることができない。
「家計管理は総合格闘技」と僕はよく言うんだけれど、最終局面に向けての資産の考え方がとても難易度が高いからです。
「あらゆる知識を総動員していかないと、老後の資産管理ができない」ということです。


■老後準備と資産形成

給料、退職金、年功序列、終身雇用、年金、このあたりに下支えされて、何をしても寿命まで生きられる時代はもう終わったわけです。
それに気づいてない人もあまりにも多いし、それに向けて準備している人もさらに少ないと。

なかなか厳しい時代ですよね。

政府が責任を持って知識をばらまいてくれるかといったらそうではなくて、各個人が頑張るしかないと思います。

だからしっかりと知識を蓄えて、資産形成ができる人、老後に向けて考えられる人、というのが過半数を超えてこないと、この国は泥舟だと思ってしまいますね。

それを支えられる国力は現状見当たらないので、「一人一人が自分と自分の家族のことだけを考えて、しっかりと老後を全うする」ということは、実は「国全体のためになっている」ということは理解して、今日も知識を蓄えていきましょう。

今後もこの辺りの話は無限に出てきますし、僕も一生話していくところだと思いますので一緒に頑張っていきましょう。


それでは本日も張り切っていきましょう。

それでは、素敵な1日を。
最後まで読んでくれたあなたに、幸あれ✨じゃあね!


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