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アイデアを形にするコツ⑤:プロトタイプをつくる

こんにちは。企画プロデューサーの大木と申します。
noteにて、「アイデアを形にするコツ」や「企画づくりのノウハウ」をご紹介しています。

前回は、一歩を踏み出すコツである、「簡単なことに分解する」という考え方をご紹介しました。
今回は、「プロトタイプをつくる」という手法について、記事を書きたいと思います。

やりたいことを形にするとき、そしてその取り組みに対して少々難易度が高いなと思うとき、私は「プロトタイプ」をつくるよう、心掛けています。
プロトタイプとは、一言でいえば「試作品」です。
本番の前に、まずは実験をするように試作品を形にしてみるのです。

私は「やりたいことを一歩踏み出すための企画書講座」というものを、2011年以降、各地で開催してきました。
自分がやりたいことを1枚の紙にまとめる体験型の講座です。
実はそれまで私は、講師というものをつとめたことがありませんでした。
企画書は数え切れないくらい書いてきたのですが、「人に教える」という経験が、その時の私にはなかったのです。
講座を行うことに、不安や戸惑いがありました。
でもやってみたいとも強く思いました。
そこで知人2人に声をかけ、企画書講座の試作品(プロトタイプ)を体験してもらったのです。
これが、私が最初に行ったプロトタイプづくりになります。
プロトタイプを実践し、いろんな課題が分かりました。
「自信が持てる」と思える部分が見つかったことも、大きな収穫でした。
その後、この講座は各地で開催され、参加者が60人を超える人気講座になりました。

やりたいことができた時、それを形にしてみたいと思う時、ほとんどの場合、企画というものを考えまとめます。
いつ、どこで、誰に対して、何をするのか。
値づけ(金額設定)はどうするのか、告知はどのように行うのか。
形にする前には、考えることがいろいろあります。
でもある程度基本的なことが固まってきたら、私はプロトタイプをつくることを勧めています。
小規模に、実験をするような感覚でつくる試作品。
失敗しても、もちろんいい。
今考えていることを形にしてみると、どんな課題がでてくるのか。
それを確認するために行う取り組みでもあるからです。

私はこれまで、数えきれないくらい企画を形にしてきました。
企画というものは、「完璧になってから形にするものではない」と思っています。
まず形にしてみて、課題をみつけ、目的や進め方の修正を加えながらより良いものに形づくっていく。
質の高い企画をつくるためには、そのような手順が必要だと思うのです。
完璧な企画など、そもそもあり得ません。
紙に書いた構想は、ほとんどが思い通りにいきません。
私が講師をつとめる企画書講座でも、企画書ができた後、参加者にそのようなメッセージを伝えています。

「第0回」を開催する

セミナーや勉強会などを行う場合、そしてそれが初めての取り組みになる場合、私は「第0回」の開催をお勧めしています。
参加者は基本的に身内だけ。
SNSなどで仲の良い友人にも声をかけても良いが、基本的には集客を行わない。
人が集まることを期待しない。
実験をする感覚で、リハーサルや課題のあぶりだしを目的とした、試作セミナーを行うわけです。
「アイデアを形にするコツ②」で書いたように、「できて当たり前の目標設定」を行うことが試作品づくりのコツになります。
「こんなに簡単なら、できて当たり前」
そのような、ハードルを低く設定した実験セミナーを行うことから始めると良いと思います。

「知っている」ではなく、「やっている」をつくる

私はこれまで、色んな所で自己紹介をしてきました。
面接のような場面で自己紹介を行うこともありましたし、セミナーの後の懇親会で自己紹介を行うことも多くありました。
私の話の中で、相手が関心を持つことは「私が何をやっているか」です。
自己紹介の中で、自分が知っていることを話すこともあります。
学んできたこと、持っている情報。
それらに対して興味を示してくれることは、もちろんあります。
しかしそれ以上に相手が興味を示すことは、私が何をしているかです。
何を考え、どんなことを行動に移しているのか。
どんな活動の実績があるのか。
今、何に取り組んでいるのか。
それを相手は知りたいと思いますし、その話の内容によって、今後も接点を持ちたいと思うかどうかが決まります。
「知っている」ではなく、「やっている」ことをいかに作るか。
それが人脈を増やす意味でも、仕事を作る意味でも、極めて重要だと思います。
とはいえ、「やっていることを作る」ということは、なかなか大変です。
大きく始めようと思うと、時間もお金もかかります。
大きく始めようと思うことは、大きな勇気も必要です。
でもやりたいことのアイデアがあるなら、できるだけ早くそれを形にしたい。
その時にプロトタイプをつくる、という取り組みが有効になるのです。

経験が財産になる

知っているということは、大きな財産になります。
しかしそれ以上に大きな財産となるものは、経験だと思います。
自分で実際やってみて、自分の中に培われた生々しい体験の記憶。
それこそが、自分らしい活動の階段を一段ずつ登っていくときに、欠くことのできない重要な財産になると私は思います。
小さくて良いのでやりたいことがあるならまず形にしてみる。
そのため実験をするような感覚でプロトタイプを作ってみる。
試作品をまずは形にしてみる。
そのような考え方もとても有効なのではないかと思っています。


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次回は、「小さな種をまく」という実践技術について、記事を書いてみたいと思います。お楽しみに。

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