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43年目の答え合わせ

私には、中1の時からずっと好きなNHKのアナウンサーがいる。なんでファンになったか?はもう覚えていないのだが、

NHKといっても、全国各地に放送局があり、私の地元は、その北の果て。推しのアナは、新卒で北の果ての局に赴任してきた。
推しのアナはローカルニュースを読むだけでなく高校野球の実況やFMの音楽番組のDJもやっていて、ハガキ職人になった私は、時々推しに採用してもらった。田舎なので簡単に採用されただけなんだけど。
土曜日は公開生放送だったので良く見に行った。推しに顔を覚えてもらうという僥倖。

高校は、放送局の近くを選んだ。これからも推し三昧、と思ったが、推しは京都に転勤していった。さようなら、私の推し。

ところが、推しのアナはスポーツアナとして全国放送で活躍をし始めた。北海道に住んでいても観れる、高校野球、大相撲、マラソン中継。
聞き覚えのある声がTVやラジオから聞こえてくると、中継内容よりもアナを応援する偏愛っぷりだった。

昭和の終わりころには、推しのアナはオリンピックの東京スタジオ担当になった。実習先のテレビは、どこでも五輪中継をしていたので、思いがけずに推しを拝むことができた。

結婚して関東に住むようになったあたりで、推しにファンレターを書いた事がある。推しは返事を送ってくれた。その手紙には、相撲や高校野球の他に競馬の中継もしているとあった。ごめんなさい。競馬はついに一度も観る機会が無かった。

推しはバラエティー番組や福祉大相撲の司会なども担当することがあった。有森裕子さんの名言「自分で自分を褒めたい」を引き出したりもした。推しの出そうな番組はチェックしたし、競馬以外は見逃さない。
そんな生活が平成、令和と続いた。

今年1月。推しがNHKを定年退職することを知った。65歳。まだ若いのに。もう実況を聞くこともできなくなるのか。

でも、推しは第二の実況人生をスタートさせた。
活躍の場は、ネットメディア。そしてyoutube!
 Abema大相撲は、解説者の元力士がとってもウキウキしているのがわかる。

五月場所からは一日おきに2時間の生配信。NHK時代と違って、ほぼ一人でしゃべり続けなけらばならないので、かなり大変そう。
でも、めっちゃ楽しい。

五月場所に先立って、youtubeチャンネルを開設して、推し自身のこれまでの人生を振り返るシリーズが配信されたのだけれど、これが最高に嬉しいことだった。

アナウンサーになったきっかけ。新人研修時代、初任地での奮闘、スポーツアナウンサーとしての道のり。ほとんどのことが、そうそう!と思い出されるのだ。DJ時代にお話しされてきたことも多分あって、43年分の「答え合わせ」が完了した気分になった。

なんだか、とってもしあわせなのだ。

推しを推せるってしあわせなんだな。

一日おきに生配信2時間とか、贅沢過ぎる。

しあわせを噛み締めながら、今後は大相撲の楽しさを周囲に布教してゆこうと心に決めたのであった。

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