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【スタートアップ】webサービスの立ち上げでチャレンジできたこと・直面したこと。

サイバーエージェントのUI/UXデザイナーのもりたです。
社内の尊敬する先輩が「何か一つ、区切りがついた時にブログを書いて振り返り、次の成長に繋げる。」とおっしゃられていて、ブログを書く習慣を増やすことにしました。


今回は続くのか...2年前、サービス立ち上げの際にもブログを書いています。
とっってもアツい。

サービス立ち上げの意気込み

ずっと半期の目標設定シートの枠に新卒から5年間書き続けた、
新規プロジェクトに携わりたいです。」が出来た喜び。新規サービスのもの珍しさと期待。
ターゲット層は小学生で何が正解で、
不正解なんてわからないけれど、
蓋を開けば知らないことだらけで面白い。

この時、[小学生向けのプログラミングサービスを作る]それ以外は何も決まっていなかったのですが、部署まで変えて挑んだサービスだったのでどうしてもその時の気持ちを残しておきたくて書いたブログです。

ここから、チーム一丸となってのプロダクトの開発。
カリキュラムの方針としてオフラインでプログラミング教室を開講している弊社のグループ会社のCA Tech Kidsのノウハウを展開していただきながら、
オンラインで小学生にプログラミング概念を教えるためにサービスの設計から考慮したUI/UX、ロゴ、アートの発注...デザインされているもの全てに顔を突っ込んで、手を動かして...
初めてリードデザイナーとして携わって1年、夢中で作り続けて、2018年2月19日にリリースが出来ました。


「QUREO」(キュレオ)ってどんなサービス?

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実力がしっかり身に付く、新しいプログラミング教材
QUREO(キュレオ)

サービスが生まれたきっかけ:

2020年から全ての小学校でプログラミング教育を必修化とする方針が日本で決定。
課題:
都内では広がるプログラミング教室も、教材の均質化が出来ていなかったり、学習教室がなかったりと日本全国で地域格差がある。
立ち上げ時のゴール:
インターネットが繋がっていれば、いつでもどこでもプログラミング学習を学ぶことができる小学生向けのプログラミング教材サービスを目指す。

詳しくは、登壇スライドでどうぞ。


サービスリリース

PCから閲覧できるwebサービスとして展開。お子さんがプログラミング概念を基礎から学ぶことができる学習者ページと、保護者の方がお子さんの進捗状況を理解できるページを用意しました。

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リリース当初、弊社からのプレスリリースや、ジャンルが物珍しいこともあり教育系のメディアで取り上げていただくことができました。

ただ、広告費も潤沢になかったこともふまえ、保護者様への認知度とサービスの安心度を高めるために開発陣でできることは何なのか。
そこで結果が残せたことは、第15回日本e-Learning大賞にて「プログラミング教育特別部門賞」を受賞。デザイナーとして嬉しかった事としては、第12回キッズデザインを賞受することができました。
また、「UX JUM24」や「CEDEC 2018」で登壇させてもらえるチャンスを作れたことで、聴講してくださった方にサービスのことを理解してもらいつつ、制作のプロセスを通して興味を持ってもらえる機会をいただけました。
「ユーザーへのサービスの認知」とはかけ離れていますが、外に露出するきっかけとして挑戦してみた第一歩だったと思います。
そして、デザイナーのスキルとして、デザイン設計の内容を言語化して人に伝えることが出来たことはとても良い経験でした。

そして、リリース後何より一番嬉しかったのは、大手の塾でQUREOを使ってくれているお子さんの学習の様子を見れた時でした。
やはり使ってくれているお子さんの姿を実際に見た時が一番嬉しかったです。



翌年の2019年4月に株式会社キュレオ設立。教室の展開を強化できたことで、同年10月時点で、QUREOを使ったプログラミング授業を実施する塾教室や加盟塾が、500教室を突破。
また弊社での最後の総会でAwardsノミネート。(内輪でごめんなさい)他サービスと比べてもまだまだ数字が小さい中で、とても有難かったです。
弊社のプロパーっぽいことを言うと、新卒から見ている総会と言う場で、サービスが日の目を浴びるているだけでとっても泣きそうでした。
2020年以降、本格的にプログラミング授業が広がることで、塾への教室導入数もきっと伸びることでしょう。




作ったロゴが全画面ででた瞬間、大人気な顔して、心の中でうギャァあああああ〜(がっつポーズ)と叫びました。

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ゼロイチのものづくりの面白さ

今後デザイナーとして、ここまでサービス全ての「デザイン」に関わり、ゼロイチでサービスを作り、考えるチャンスってあるんだろうか。

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チーム編成としてもデザイナー1人で立ち上げから運営まで携わらせもらい、サービスロゴから子会社ロゴなどの一連のブランディング。UIデザインの提案と制作までも、練りに練ってモノを作れる環境は私にはとても大きいお仕事でした。弊社の看板を背負ってサービスの立ち上げがしたい気持ちがあって入社したので、本当に携われて良かった仕事です。今までお仕事させていただいた中でも、一番胸を張ってやり切れたサービスだと思います。
関わっていただき、フォローしてくださった皆さんに感謝。

リリース後もゴールが見えないものほど辛い、新規事業を軌道にのせるものほど根気がいるし、チームメンバーで寄り添い、向き合うことの大切さも実感しました。無我夢中で作れている時こそ、忙しくストレスフルでしたがとにかく意地。リリースして1年経って、ようやく入れれた機能もあり、改良したかったことも少しずつサービスに反映できています。
サービスづくりしていると、一喜一憂することがたくさんあるのですが、この会社でこのチームで作れて良かった、と心から思えます。

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スタートアップってこんなに大変


▼サービス立ち上げに関われたことでチャレンジできたこと
【中長期の制作工数の削減もスタートが肝】運用を考えたUIデザインの設計・制作・実装
【プログラミングしている俺かっこいい】小学生向けのサービスブランディング設計と制作
【物語があるから惹かれるんだよね】プレゼン能力を高める
・【何事も合理的に進めたいし平和でいたい】ソフトスキルの重要性の理解

ここは、とっても重要なポイントだったので別記事にて。


立ち上げサービスで直面したこと
【優先順位の意識と人件費】携わる人の時間(工数)とそれに対価する費用から、それに伴ったインパクトがあるのか考えてモノを作らないといけない。
・【リリース後、事業拡大への戦略が不透明】(思ったよりもリリースまでは忙しくて後手に周りやすいんです。)リリースしてからの事業拡大に向けての戦略と運用方針。当サービスだとto Bの強化。
・【ホンマルじゃないって辛い】弊社用語ですが、事業として会社に還元できるほどのインパクトやお金を生み出せる事業かそうでないか。組織にいれば他のサービスと比較できるので、サービスが世の中に与える価値は高いと信じているものの、初速の桁を数えたときに、費やした人件費を考えて苦い思い出。
・【自分の実力以上のことをできない時もある】最速か最高か。で言うと、クリエイターは最高を選びたいところ。だけど、最速を選ばないといけないこともある。そこでは、上司や開発陣、周りを取り巻く環境で、いかに実現したいことを説得させれるかであり、その材料とコミュニケーション力が無いと立ち回れない。

「誰にとっての最高」か。「誰にとっての良いもの」か。
自分のこだわりで終わらないために、わかってもらう努力をするか、はたまた共通言語を持っている人たちだけで組織を作るか。
正直、後者ほど恵まれた環境を生み出すには、潤沢な費用がつぎ込めるところもしくは、運次第なので、MUZUKASHI〜!

そう、難しいことだらけなのです。本当に新規の立ち上げから入るってことは、デザインを作るだけじゃないことを、そしてそれ以上に役割を持たないと回らないことも理解しました。
ただ、弊社には素敵な言葉があって、「成果は全てを潤す。」本当にこれに尽きる。リリースの感動も、お子さんが使ってくれている姿も、それを通してついてくる数字も全て通して成果でした。

3年間早かったなぁ。
自分のまだまだ力不足な部分も見据えつつ、私は次の大きいチャレンジを考えて、デザイナーとして何を生み出せるか考えながら、前進あるのみ、頑張ります。