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チョムスキーとの対話 7講演

 食事のあとはゲストスピーカーによる講演だ。パンフレットによると、講演者の顔ぶれは次のとおり。

マンディ・カーター:黒人のレズピアン活動家。クエーカー系の「アメリカン・フレンズ・サービス委員会」と「平和主義を奉じる戦争抵抗同盟」の会員。

ノーム・チョムスキー:レジストの創立メンバーの一人。教育者、政治活動家。言語学の権威であるとともに、アメリカの外交政策を厳しく批判する活動家として知られる。

ビル・フレッチャー・ジュニア:労働活動家、「ユナイテッド・ピース・アンド・ジャスティス」の共同議長。「ブラック・ラディカル・コングレス」の創設者。

カミロ・メヒア:前フロリダ沿岸警備隊・二等軍曹。「戦争に反対するイラク退役軍人の会」委員。イラク駐留中にアメリカ軍の現状に失望して勤務継続を拒否。軍事裁判で有罪判決を受け、約一年服役した。

ローラ・フランダース :全米の非営利ラジオ局に配信されている番組「ラジオ・ネーション」の司会者、著述家。FAIRのラジオ番組、「カウンタースピン」のプロデュースと司会も務める。

 それぞれが15分ほど話をしたあと、司会者からの質問に答えていく。みんな筋金入りの活動家だ。特に印象に残ったのは、ビル・フレッチャー・ジュニアの「資金が集まらないから活動できないと考えるのは間違いだ」という発言。資金集めのパーティですごいことを言うもので、何十年も活動をしてきた人ならではの言葉の重みを感じた。

 それに、カミロ・メヒアの「自分の中の恐怖を克服するのが一番難しい」という言葉にもはっとさせられた。軍人でありながら軍の規範に逆らうのは、想像を絶する勇気がいったことだろう。一般社会でも名誉除隊した軍人は少なくとも建前の上では一生ヒーローとして遇されるが、軍隊に異議を申し立てる人に対する風当たりはとても強い。当人が退役軍人ならなおさらだ。一見穏やかで優しそうな若者だが、良心にしたがってあえて辛い道を選んだ彼の強さはどこから来るのだろうか。

 チョムスキーは一番最初に話をしたあと、その後も予定があるとのことで先に席を立った。不発に終わったけれど、パーティの前にちょっとでも話ができてよかった。

続く

(写真:サンノゼマーキュリー紙の一面。ハリス副大統領は地元オークランド出身の希望の星)

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