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ソジャーナ・トゥルース

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19世紀末にNY州で生まれた奴隷解放運動家の伝記。天啓を受け「旅する真実の子」と名乗ったアメリカのジャンヌ・ダルク、ソジャーナ。
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#アメリカ黒人文学

ソジャーナ・トゥルース 2生い立ちと両親

 私の先祖は九州の農民でした。明治生まれの曾祖母は名前も顔もわかりません。農作業や養蚕な…

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ソジャーナ・トゥルース 3住まい

 奴隷制を擁護する意見として、「黒人は自活できないのだから、私たちが庇護して衣食住を保証…

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ソジャーナ・トゥルース 6競売

『アンクルトムの小屋』も奴隷の生活を描いた傑作です。そこで一番衝撃的だったのは、奴隷が「…

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ソジャーナ・トゥルース 7マウマウ・ベットの死

 アメリカの社会保障制度が始まったのは1935年。連邦政府が運営する医療保険、メディケア…

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ソジャーナ・トゥルース 8バウムフリーの晩年

 赤ん坊が6か月くらいだったとして、体重およそ8キロ。それをベビーカーでもおんぶでも抱っ…

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ソジャーナ・トゥルース 9バウムフリーの末路

 映画『風と共に去りぬ』で黒人として初めてアカデミー賞を受賞(助演女優賞)したハティ・マ…

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ソジャーナ・トゥルース 10試練の始まり

 1820年のアメリカの一世帯当たりの収入は$1、149。2019年は$65,112(Google Searchによる)。約56分の1として、当時イザベラについた値段の百ドルは、今の価値にしておよそ5,600ドル。羊数匹も合わせて、安い中古車くらいの値段です。男の子は力仕事がたくさんできるけど、女の子はすぐ子どもを産めるようになる、という計算もあったのでしょう。  日本も昔の農村では、口減らしのために子どもを奉公に出したり、人買いに売り渡したりすることがありました。「よそで

ソジャーナ・トゥルース 11さらなる試練

 アメリカの通貨がドルと制定されたのは1792年。イザベラが少女のころは、それまで使われ…

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ソジャーナ・トゥルース 12新しい主人と夫人

 たぶんこの作品で一番奇怪な章です。どうにももどかしい書き方がされているものの、イザベラ…

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ソジャーナ・トゥルース 13イザベラの結婚

 イザベラと四人の子をもうけたわりに、影のうすいトーマスさん。結婚しても配偶者が売られた…

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ソジャーナ・トゥルース 14イザベラ母になる

「泣いているのは誰の子?」と思わず突っ込みたくなる、優しいご主人。 __________…

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ソジャーナ・トゥルース 15主人の約束

 ネコがキーボードの上を歩いて7ページ分消去したのを知らないで、上書きしてしまった。別の…

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ソジャーナ・トゥルース 17息子の違法な売り渡し

 息子がこの章のタイトルを見てぎょっとしました。 「子どもを売るのが違法って、合法なこと…

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ソジャーナ・トゥルース 19イライザの死

 自由を手に入れたものの、六歳くらいの息子はもう丁稚奉公に出さないと生活できないイザベラ。解放されたあとも元奴隷の苦難は続きます。 _________________________________   イザベラは大急ぎでピーターの行先を探し、グリーンキルズ近くのワーケンダールという街で跳ね橋の管理人に預けた。息子の居場所が確保できたので、ニューバーグに住む姉のソフィアを訪ねて、その冬は知り合いの家族の家を数か所回って働きながら過ごした。  ソロモン・ゲドニーの親戚であ