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ソジャーナ・トゥルース

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19世紀末にNY州で生まれた奴隷解放運動家の伝記。天啓を受け「旅する真実の子」と名乗ったアメリカのジャンヌ・ダルク、ソジャーナ。
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ソジャーナ・トゥルース 前書き(電子版)

 私が最初手に入れたペンシルバニア大学の電子版には、前書きがついていましたが、のちに届い…

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ソジャーナ・トゥルース 7マウマウ・ベットの死

 アメリカの社会保障制度が始まったのは1935年。連邦政府が運営する医療保険、メディケア…

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ソジャーナ・トゥルース 8バウムフリーの晩年

 赤ん坊が6か月くらいだったとして、体重およそ8キロ。それをベビーカーでもおんぶでも抱っ…

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ソジャーナ・トゥルース 9バウムフリーの末路

 映画『風と共に去りぬ』で黒人として初めてアカデミー賞を受賞(助演女優賞)したハティ・マ…

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ソジャーナ・トゥルース 10試練の始まり

 1820年のアメリカの一世帯当たりの収入は$1、149。2019年は$65,112(Go…

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ソジャーナ・トゥルース 11さらなる試練

 アメリカの通貨がドルと制定されたのは1792年。イザベラが少女のころは、それまで使われ…

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ソジャーナ・トゥルース 12新しい主人と夫人

 たぶんこの作品で一番奇怪な章です。どうにももどかしい書き方がされているものの、イザベラは「優しい」主人のデュモントに強姦され、子どもまで産んでいるんですね。当時白人の主人が奴隷の少女を手籠めにするのは、珍しいことではなかったようです。  生まれた子はいわゆるハーフですが、アメリカには根強い「一滴ルール」というのがあって、少しでも黒人の血が入っていたら黒人とみなされることが長く続いていました。  最近の例ではオバマ氏も父親はアフリカ出身、母親はヨーロッパ系のアメリカ人です

ソジャーナ・トゥルース 13イザベラの結婚

 イザベラと四人の子をもうけたわりに、影のうすいトーマスさん。結婚しても配偶者が売られた…

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ソジャーナ・トゥルース 14イザベラ母になる

「泣いているのは誰の子?」と思わず突っ込みたくなる、優しいご主人。 __________…

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ソジャーナ・トゥルース 15主人の約束

 ネコがキーボードの上を歩いて7ページ分消去したのを知らないで、上書きしてしまった。別の…

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ソジャーナ・トゥルース 16逃亡

 奴隷制ってなんてひどい!と思いながら訳していますが、今から二百年後の人たちは、私に対し…

ソジャーナ・トゥルース 17息子の違法な売り渡し

 息子がこの章のタイトルを見てぎょっとしました。 「子どもを売るのが違法って、合法なこと…

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ソジャーナ・トゥルース 18夜明け前

 クエーカー教徒は徹底した平和主義で知られるキリスト教の一派で、今も活発な反戦活動を行っ…

ソジャーナ・トゥルース 19イライザの死

 自由を手に入れたものの、六歳くらいの息子はもう丁稚奉公に出さないと生活できないイザベラ。解放されたあとも元奴隷の苦難は続きます。 _________________________________   イザベラは大急ぎでピーターの行先を探し、グリーンキルズ近くのワーケンダールという街で跳ね橋の管理人に預けた。息子の居場所が確保できたので、ニューバーグに住む姉のソフィアを訪ねて、その冬は知り合いの家族の家を数か所回って働きながら過ごした。  ソロモン・ゲドニーの親戚であ