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夜が言葉を迎えた。

昨夜、恋人と言葉遣いについて話す機会があった。「もっと女性らしくなりたいな」と言った彼女に対して、これは絶好の機だと思い「容姿よりも言葉遣いや所作に気をつけるだけでもより素敵になれると思う」と言った。

実は私はもっと前から言葉遣いについて彼女と話し合いたかった。けれど言おうとすると数秒先のことを考えてしまって「相手の機嫌を損ねるかもしれないしまぁいっか」となって逃してきた。だから彼女自らそれについて話してくれてとても嬉しかった。

一緒にいる相手が暴言を吐いたり、ネガティブなことや否定から入る意見を言ったり、品のない言葉を耳にするのが私にとってはストレスだった。それでも相手は相手なりに日々の疲れや葛藤を生きているわけで、そう思うと閉ざすことはできなかったけれど、自らの気づきであるなら嬉しい。

相手だけではなく自分も、お互いが気をつける空気を出すことで相乗効果も得れる気がする。

私は育った環境のせいかモラハラ状態にとても頻繁なとこがある。モラハラの怖いところは日常が徐々にその形をなしていくせいでモラハラであることに本人が気づけないところにある。一度そうなってしまったら元の安心感には戻せない。私はそれを痛いほど知っている。そんな関係になってしまわない為に「やめて」と「ごめん」がすぐに言える素直な関係で居続けることが大切だと思う。

母だけなく、見えない呪縛に苦しんでいる人をたくさん見てきた。人に合わせることが得意、またはそれを無意識のうちにしてしまう人は特に人間関係で疲れやすい。表面上では相性が良いように見えるので「あの人は人付き合いが上手い」と言われる。上手いわけではない。そんな人間が山ほどいることを知らない人が多い。

なんとなく話が逸れてしまった気がするけれど、そんな経験をしてきた私にとっては彼女のその些細な一言はとても嬉しかった。

体を重ねることは時に言葉を越すのかもしれない。

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