顔からお尻の穴まで。

私は私のすべてを愛した。
もう心と身体は喧嘩しないわ。
顔からお尻の穴まで知っている。
私はこういう人間なんだと。


三代欲求は欠け、歪を好み、誰にも理解されずとも鏡と語り明かしたわ。
私は私の好きなところを見つけた。
特別輝いているわけでも、特殊なわけでもないけれど、私だけがそれを知り得るのよ。
こんな素敵なことはないでしょ。


バスルーム。
熱いお湯に身を沈めながら私は想う。
絵野めぐみという女性を。
表情や曲線美をありのままの姿で魅せている。
そこにエロスはあっても卑猥ではない。
私も身体を捻らせる。
踊るように。
ばしゃばしゃと湯船の中、そこにはまた。
顔からお尻の穴まで。
確かに自分という全てが動いていた。

彼女はこう言っていた。
こころとからだの為に「好きなこと」をやって
自分を楽しませてあげるのが一番の健康の秘訣と。
自分に「してあげる」という言い方に優しさを感じる。
私は私のために何をしてあげれるかしら。
鏡の前で笑ってみる。
裸の私とキスしてみる。
可愛い下着を着けてあげる。
それに意味はないかもしれないけれど。
私の心は踊っているわ。
そういうことなのよ。

どこかの小説に出てくるあの人を演じてもいい。
きっと全ては重ならないから。
あなたらしさが何処かにあるわ。
まだ見えてないかもしれないけれど、大丈夫よ。
見えないものが大切だったりもするの。
心と身体で感じれたら、あなたも自分を愛せる。

鏡で顔ばかり見てないかしら。
お尻の穴まで見てあげるの。
見えやすい場所だけじゃなく、見えにくい場所も見つめてあげるという意味よ。
言葉通りの意味でもいいのだけれど、自分のお尻の穴に触れたことがある?
汚いと醜いと思い込んでるのはあなた、自分自身のせいよ。
私は愛してるわ。
きっと絵野めぐみ、彼女もそう。
お尻の穴まで恥じることなく魅せるわ。

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