花の匂い

いつか見つけて
それ以来
聴き続けている
曲がある。

Mr.children「花の匂い」

https://www.youtube.com/watch?v=6BsZ1d9UE5I

昨日の夜も、
聴きながら絵を描いた。

歌を聴きながら
絵を描いていると、

曲の世界観というか、
雰囲気に、
絵が引っ張られていく。

うちは
むしろそれを
好ましく思い

絵が
その曲と邂逅して
どう変わっていくのか
ながめることにしている。

「こかげのうた」という
物語に挿し入れるつもりで
一枚の絵を
描き始めたけれど

「花の匂い」を聴きながら
絵が旅をした。

制作の途中から曲を聴きはじめて
聴きながら描いたのは
背景の部分だけれど、

背景の雰囲気が変わったので、
髪の色や、
シルエット。
表情も
次第に変わった。

これもセッションかもしれない。
音楽を聴きながらできあがっていく
絵。
文章。

そうしてできあがったものを
同じ曲を聴きながら改めて眺めると、

不思議なことに、
また違う絵が、言葉が
見えてくることもある。

描くときには意識していなかったことが、
絵に滲んでいるような気もする。

さらに言えば
楽曲から受ける感じまでもが変わっている
気がする。

変化した絵が
楽曲に光と影を落としている。

まるで、人の手によって
植えられた木が

変化して、育って。

今度は
大きく茂ったその枝葉の下
人を憩わせるように。



うちは、楽曲「花の匂い」にもっと、

この世界にも、もっと

仔細に触れたくて
微妙なことを感じたくて

絵を描いていたのかもしれないな。
昨日。




音楽にも
言葉の連なりにも、
感謝している。

望んだ上でも
そうでなくても

音や言葉によって
変わっていく絵を通して

旅をさせてくれる。

27years old,11.3,Mizuki