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何でもない日

いつかの
何でもない日のこと


うちは朝起きて、
見た

丘になった
布のしわ

匂いがあって、
窓からの光は熱く。

渇いていて。
水のことを思って。

何の音もしなくて。
冷蔵庫の音さえ、
聞こえてこない。


頭以外
どうしても起きてくれない。

布にぺったりと
はり付いて

微動だにしない。


こんな体でも、
自分なんだろうか。

こんなに
不自由な体でも。


いっそスライムみたいに
そのうち水みたいに

溶けてしまえば?





チュピチュピ、

軒下あたりから
声がきこえる。

きっとつばめ。


飛ぶ姿を想像すると。
気持ちがいい。

ツバメが飛ぶ下には、
蒼く茂った景色

上には
青く透き通った景色

雲には陰
空の青にも陰
地の際にも影。




不意にいくつかの思い出が
はさまれて

また眠りに入りこみ
一刻まどろみ

気持ちはよくなり
体は少し、軽くなり。


空腹を感じて
やっと

うちは
起き上がる。


28 years old,11/16,Mizuki

絵を描くのは楽しいですが、 やる気になるのは難しいです。 書くことも。 あなたが読んで、見てくださることが 背中を押してくれています。 いつもありがとう。