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「マーボー豆腐」と「こかげ」のきずな



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昼間、自室のデスクに座って、右を向くと見える景色。
今日は雨が降っていた。
桑の葉っぱが濡れて、つやつやしてる。

ここ二日ほどは、雨で仕事やすみ。

やらなきゃならないことは
食料品の買い出しと、高熱水費の支払い。

やりたいことは、
絵を描くこと。
noteを書くこと。

やったことは、
マーボー豆腐をつくって
たべること。

麻婆豆腐 調理中

うむ。よくできた。


レシピ


以前に、

「マーボー豆腐食べたいけれど、
みんなで食べるのがおいしいんだから
一人では作る気にならない」
ということを書いたけれど、

このマーボーは特別。

レシピを
あの人に教えてもらったのだから。

作りながら、あの人の顔が浮かぶ。
食べる時も、
一人きりじゃないみたい。

おいしい。

「おいしい」という感覚の中には
「うれしい」の成分が入っているんだと思います。
「おいしい」だけを徹底的に追及していっても
「おいしいはず」にはなっても、おいしくはないです。
「おいしい」をもとめるなら、
「うれしい」を考えなはれ。

 出典:糸井重里著「ぽてんしゃる。」p254より

鉄人シェフが監修したレトルトのマーボー豆腐も、
「おいしいはず」だけれど、
うちにとって本当においしいのは
そういうものじゃないんだな、きっと。

ぽそぽそ、一人で、
何の感慨もなく食べているところを想像すると、
いたたまれない。
そんなのはいやなわけよ。

カップラーメンだって、大好きな人と、
わいわいしながらたべたら、
おいしいに決まってる。



だから、うちが好きなマーボー豆腐のレシピを、
何度でも思い出したい人から教えてもらえて、
本当に良かった。

作るのも、食べるのも、

ひとりきりだって
うれしくて、おいしいから。


星の王子さま


そういえばこれ
あれに似てるかも。
星の王子様のエピソード。

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星の王子様は地球にきて、狐に出会った。
「友達がほしい」という王子様に対して、
狐は「飼いならす」≒絆を創ることの大事さを話した。

「・・・。けれども、きみがぼくを飼いならせば、ぼくたちはお互いに相手が必要になる。きみはぼくにとって、この世で唯一の存在になるだろう。ぼくもきみにとって、この世で唯一の存在になるだろう。」
※中公文庫「星の王子さま」p106より一部抜粋
「・・・。それから、ほら見てごらん!
あそこに麦畑が見えるね?ぼくはパンを食べないから、
麦はぼくにとって役に立たない。麦畑はぼくに何も思い出させてはくれない。それは悲しいことさ!でも、君の髪の毛は黄金色だ。だから、きみが僕を飼いならせば、すてきなことが起こるよ!黄金色の麦は、ぼくにきみのことを思い出させてくれるだろう。それに、麦を吹き抜ける風の音が好きになるだろうね・・・・・・」※p109より一部抜粋
「人間たちは、もういちいちものを識別しているヒマが無いのさ。商人のところで、すっかり出来あいのものを買ってくるだけだ。だけど、友達売りの商人なんていないから、人間たちはもう友達を持っちゃいないんだ。友達が欲しかったら、ぼくを飼いならしてよ!」※p110より一部抜粋

王子様と狐は、結局お別れをすることになった。
狐は涙を流すけれど、

麦の色のおかげで得をした、と狐はいった。


遠い場所に離れても


絆は消えず
そのひとを活かし続けるのでしょう


こずえの先の川



狐が麦の穂を見るように
サンテグジュペリが星を見上げるように。

うちは丁寧に料理を作って食べ、

公園を散歩して、
お気に入りのこかげに行って
こずえを見上げる。

あなたと見上げた、こずえ。
その先の空。

あなたのことば。
「きれいだね」 




こずえの先の空には
見えない川が流れていて、

その川の流れが、
あなたのところまで
つながっている。

はじめとみさお

28years old,1.15,Mizuki

絵を描くのは楽しいですが、 やる気になるのは難しいです。 書くことも。 あなたが読んで、見てくださることが 背中を押してくれています。 いつもありがとう。